[メイン] GM : 「夜の、誰もいないプールで泳ぎたい。」

[メイン] GM : 「夜の、誰もいない校庭で花火をしたい。」

[メイン] GM : 「夜の、誰もいない屋上で愛を叫びたい。」

[メイン] GM : そんな意味のない、少しだけワルな衝動。

[メイン] GM : 青春ってのは、そんな武勇伝にすらなりゃしない、痛くて、寒くて、バカで、呆れるほどどうしようもない思い出の宝庫だ。
いや、宝庫はないな。ガラクタ置き場だ。

[メイン] GM : しかし、それに意味はなくとも無価値ではない。
君はそう思ったから、そうしたのだろう?

[メイン] GM : だから、君────麻中 蓬はこんなくそ寒い12月20日の夜の街を必死に走っているのだ。時間はすでに23時を回っている。

[メイン] GM : 何故かって?そりゃあお前、青春とは?みたいな自問自答をしつつ窓の外、夜空を眺めているアンニュイな高校生、つまり君が。

[メイン] GM : 流れ星を見つけて────
しかもそれが学校の裏山に落ちたのを見た日にゃあ、家を飛び出すでしょうよ。

[メイン] GM : 無我夢中だ。
何も考えちゃいない。落ちたかもしれない隕石がほしいわけじゃない。

[メイン] GM : 君にとって、「隕石が落ちたのを見た気がするから、家を飛び出して誰もいない夜道を爆走し、学校の裏山に忍び込む。」こと自体が目的だ。
青春に飢えた君のな。

[メイン] GM : ついでに彼女でも落ちてこねえかな?下半身もバカになってる君はそう付け加えるかもしれない。クリスマスも近いからね。

[メイン] GM : 三丁目にやってきた。
自然公園を横目に、ペガサス学園の裏山を目指す。山といっても、そんな立派な山じゃない。

[メイン] GM : 丘という表現が正しいかもしれないが、裏丘というのもカッコがつかないだろ?横断するだけなら30分くらいで登り下りできるくらいだ。

[メイン] GM : 麓まできたときに、パトカーのサイレンが聞こえた気がして、心臓が口から飛び出しそうになった。

[メイン] GM : 思わず自動販売機の裏に隠れるが、聞こえてくるのは躍るように脈打つ胸の鼓動だけ。

[メイン] GM : どうやら、幻聴だったようだ。そのくらい興奮しているということだろう。念のため自販の影から顔だけ出して、周囲を確認する。
いらぬ心配をしたことに気づいた君は、再びわき目も振らず走り出す。

[メイン] GM : 狭い山道はある程度歩きやすいよう一部樹木が伐採されてはいるものの、整備が行き届いているわけではない。

[メイン] GM : そこに突撃していくもんだから、飛び出している枝とか葉がちくちくする。

[メイン] GM : 流石に傾斜が入ると息が切れてきた。
いや、とっくの昔に切れていたのかもしれないが、どばどば溢れる脳内アドレナリンのせいでよくわかってなかった。隕石は山頂に落ちたとは限らない。

[メイン] GM : というか、本当に落ちたのかすらわからないが、真っすぐ山頂に向かっている。

[メイン] GM : 何故?君の目的は別に隕石ではないから。
今この瞬間をより気持ちよく感じること、それが目的だから目指す先は山頂でいいのだ。

[メイン] GM : しかし、山頂にたどり着いた瞬間、真顔になる。

[メイン] GM : えっ?という、素っ頓狂な声を上げる。

[メイン] GM : 夜の裏山に、先客がいたのだ。

[メイン] GM : それも、二人。同じ顔をした女の子だった。

[メイン] GM : 君はその子のことを知っている。
星住叶奈、クラスで三番目くらいの美人だ。

[メイン] GM : それが、二人いる。

[メイン] GM : 彼女たちに違いがあるとすれば、髪型と服装くらいだ。
双子という話は聞いたことがない。
しかし、そこまで親しくはなかったのでありえる話だが。

[メイン] GM : 双子だったとしても、こんな時間にこんな場所に女の子がいる、という異常性が君の思考をしばらく停止させた。

[メイン] GM : 彼女たちはこちらを見た後、同じ顔を一瞬見合わせ、弾けるように走り去っていった。

[メイン] GM : 振り向いた際、制服の星住叶奈と目が合った気がしたが、君の気のせいかもしれない。

[メイン] GM : さて、麻中 蓬。
君はどうするかを選んでもいいし、何もしなくてもいい。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…はっ!?」
呆気にとられていたが我に返って

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…今の、クラスの星住さん…だよね?なんでこんなところに…俺と同じで隕石を見に…?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : いや、待て待て待て待て、それよりももっとツッコむべきところがあるだろ俺!

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…今の…星住さんと一緒にいた子…星住さんさんと同じ顔…だったよな?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : クラスで顔を合わせる程度だし、彼女とは特に仲が良いってわけじゃないけど…双子だって話は聞いたことがなかった。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「………」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 気にはなる…というか…

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「さっき俺の顔見て走っていったよな?俺なにかまずいことしてしまったのか?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 好奇心よりも、心配の方が優先してしまったようで

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…追いかけるか」
とりあえず話を聞くために2人を追いかけることにした。

[メイン] GM : 二人はそれぞれ反対側に分かれたのでどちらかしか追いかけられないでしょう。
制服と私服、どちらの方を追いかけますか?

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 知ってる方の星住さん…制服の方を

[メイン] GM : わかりました

[メイン] GM : では、あなたは暗い山道の中、なんとか追いつこうとします。
ですが夜中であることもあり追いかけるのは難しいでしょう。

[メイン] GM : 追跡の半分でどうぞ

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : CCB<=10/2 追跡初期値 (1D100<=5) > 23 > 失敗

[メイン] GM : あなたはさして知らない山道ということもあり、やがて星住を見失ってしまいました。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : じゃあ大声で呼んでみる。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「おーい!星住さ~ん!」

[メイン] GM : 麻中の声は良く通ったが、それに何も帰ってくることはなかった。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 叫んでみたもののさ~ん!さ~ん!さ~ん!と虚しく木霊するだけで

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…これ以上は近所迷惑だよな」
諦めて引き返すことにした。今日がダメでも明日学校で事情聞けばいいし。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : そういえば隕石を見に来たんだよな…と思い返してみたけど、冷静になれば真っ暗な山の中、ひとりでそんなことやるのは怖かった。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…帰るか」
そのままとぼとぼと帰路につく。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 帰り際、山の方をチラリと見て、先ほどの光景を思い出す。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 同じ顔がふたつ。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…本当に、なんだったんだろうな」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : そんなモヤモヤした気持ちを抱えたまま、俺は自宅へと戻っていった。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM : 今日は冷える。

[メイン] GM : 吐いた息が白い。

[メイン] GM : 人気のない夜道を歩いている。

[メイン] GM : 静かな夜は安心と恐怖が同居し、ノイズのないクリアな視覚と聴覚は些細な情報から想像力をかき立てる。

[メイン] GM : 学校の裏山近く。木々や電柱の影が不気味に映る。幽霊なんているはずがない、誰もついてきているわけがない。

[メイン] GM : 一度脳裏に過ると、予感が感情を執拗に追いかけてくる。

[メイン] GM : とっとと帰ろう。
如月 雨露────君はそう思って足を速めようとした瞬間。

[メイン] GM : とっとっとっとっ…足音が聞こえてきた。

[メイン] GM : 音がする方に視線を向けた瞬間。

[メイン] GM : 「きゃっ……!」という女性の声とともに、体に衝撃が走った。

[メイン] GM : どうやら誰かとぶつかったようだ。
体格の差からか、女性は転んでしまった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 想像の化け物はいつだって、空想の中で人を変化させる。
今日だってそうだ、別に何か用事があるってわけでもなく
ただ俺は、なんとなく少し遠くにある自販機に行って、そこで限定のドリンクでも買おうと、何か詰まった予定があるわけでも無しに、ぼんやりと起こした行動から

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 胸中には「何か起こってくれねーかな」と思う俺自身もいた。
化け物でもいい、学校に襲い掛かってくるテロリストでもいい。
そんなのがいたら、きっと面白くなるだろう。

なんて思いながらも、実際に来られたら来られたらで困るわけで。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そんなことをずっと考えていたら、どうやら女の人を転ばせてしまったようだ。
恥ずべくは紳士側だろう。腑抜けた考えで歩いていたのはこちらの方。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ここで取るべき行動だって、血の通う人間なら一つしかない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「おっと!ごめんなさい!大丈夫でしょうか!」

俺は咄嗟に手を差し伸べる、申し訳無さそうな顔で。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ん?何?
ここから始まる恋愛物語?

あはは、いやいや、それはないよ、あはは。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : それはさすがに、本の読み過ぎでしょ。
僕はただ、人として当たり前のことをする。それだけだし。

……いやまぁ、期待は一切していないわけでもない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ミジンコ程度には、もしかしたらこれが、運命を変えてくれる出会いになってくれたら、きっと楽しくなるだろう。
そう思う俺は、もちろん馬鹿正直に言えば、存在するさ。

[メイン] GM : それは星住叶奈だった。

[メイン] GM : しかし、少し雰囲気が違うような気がした。
私服姿を見たことないというのもあるが。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : え、やば!クラスで美人で有名な!

[メイン] GM : それよりこんな時間にランニングウェアならともかく、私服で走っているのはおかしい。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : しかも太腿がすご、めっちゃ露出してるじゃん。

[メイン] 星住 理奈 : 「いたた……」
そう呟いた彼女は膝をすりむいていた。
傷口に血が滲む、しばらくは消えない大きさだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そんなことを考えながらも俺は、自然と自分のポケットから小さなティッシュを取り出して。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「うわわ……!血が出ちゃってます……!本当にごめんなさい!あっ、えっと確か、あなたは……いえ、今はそれどころではないですよね」

[メイン] 星住 叶奈 : 「あっ、す、すみません……!へっ?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そう言い、「これ、使ってください」と告げ、ティッシュを理奈に渡そうとする。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 申し訳なさげに眉を下げながらも、にこりと笑って。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : いやまぁ、その格好でなんで走ってたの?っていう、疑問はあるにはあるけどさ。
そんな疑問って、なんていうか、あれ?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 今怪我してる目の前のクラスで美人で有名な子の心配よりも、勝るものかねぇ?

[メイン] 星住 叶奈 : 女性は困ったように如月に接していたが、ティッシュを渡されぱちぱちと目をやる。

[メイン] 星住 叶奈 : 「あっ……ありがとうございます
 私の不注意で申し訳ありません……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺、ここで開幕「そんな格好でなんで走ってたの?」なんて言う男がいたら、鼻で笑うと思う。

[メイン] 星住 叶奈 : ぺこりと頭を下げティッシュを受ける。
じわりと、白いティッシュが赤く染まっていく。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「いえいえ、不注意なのはこちらの方でしたから、お気になさらず」
にこりと笑う。

実際、ぼーっとくだらない考え事しながら歩いていたのは事実だろう。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「結構深いですね……傷口、歩けますかね?」
確認をする。ここでいきなりさ、この美人の肩を持って立ち上がらせて、家まで送るよ、なんて言う男がいたとしよう。
距離近すぎだろ、てか女慣れしすぎだろって思う。少なくとも俺にはそんなことする勇気はねぇし。

[メイン] 星住 叶奈 : 「いえいえ、大丈夫です!一人で歩けますから!」

[メイン] 星住 叶奈 : と言って無理に立ち上がり、歩こうとする。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : それなら良かったと、一安心はする。
それはそうと、このまま一人にさせるわけにもまぁ、いかないでしょうよ。

[メイン] 星住 叶奈 : しかし足を引きずっており、どう見ても歩けているとはいいがたい。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……乗ってください」
背を向け、しゃがむ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 背に乗りませんか?なんて提案したら、きっとこの人は「大丈夫です!歩けますから!」と言い張るだろう。
選択させるくらいなら、こうして命令した方が、きっと彼女にとっても罪悪感は晴れるだろう。

[メイン] 星住 叶奈 : 「えっ……そんな、いいですよ……!
 これ以上ご迷惑をかけるわけにもいきませんから……!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : さっきと言ってること、思ってること、やってることが違うだって?
そりゃそうだろ、だって固まった頭で動いてりゃ、ずっと壁にぶち当たりまくって、いずれ頭が無くなっちゃうよ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「乗ってください」

俺は続けてそう言った。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……はい。ありがとうございます」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : まぁまぁ俺らしくないけどね。でもまぁ、そうじゃないと、この人、多分ずっと無茶するだろうから。なんとなくそう感じ取った。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : にこりと笑うと、「ありがとうございます」と告げた。
俺がそうしたかっただけ、その意図が向こうにも伝わってくれりゃ、向こうも申し訳なさを感じることだってない。

[メイン] 星住 叶奈 : 如月の言葉に、何度も手を振っていたが。
やがてそれこそ失礼だとわかり、彼女は如月の背中に乗ろうとする。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ならもっと言ってやろう。

「こんな美女、放っておく男子がいるわけないじゃないですか」
語尾に(笑)を付けたような言い回しに。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : よいしょ、と美女を背に乗せる。

くぁwせdrftgyhじゅいこlp;@:「」
うわやば、柔らかっ!あとめっちゃいい匂い!

[メイン] 星住 叶奈 : 「え、ええ!? も、もう乗りましたから!!
 そう言う言葉は必要ないですよ!?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あははは~!いやいや、これはただの僕の感想ですよ」
重そうにはしない。

いや、実際は重いよ?俺、運動部じゃねぇし、鍛えてもねぇし。
女子だろうが赤子だろうが、人間の質量ってのは大きいんだ。

[メイン] 星住 叶奈 : 君は背中に彼女を乗せているわけだが、その声からドギマギする彼女の姿を想像するのはたやすいだろう。

[メイン] 星住 叶奈 : 「か、感想って……!
 そんな嬉しい事を初対面で言われると……色々困っちゃいます……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「お急ぎは、どちらの方までですか?」

さらりと、急いでるんだろうなー?っていうのを聞いてみることにした。
このタイミングなら、さっきなんとなく疑問に思ったことを口にしたって、世間話の一環になる。違和感は無い。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「おっと、困らせてしまいましたか、あはは、失礼しました」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……いいんですか? それでは……不躾ですが、家までお願いできますか?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ええ、喜んで」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「道案内、お願いしてもいいですかね?そうしてくれると僕、助かっちゃいます」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 彼女にも手伝ってもらう。サポートをしてもらう。
そうすることで、彼女にとっても貢献してる感が出るだろう。

いやそれはそうとやっぱ柔らかい。

[メイン] 星住 叶奈 : 如月の言葉に、わかりましたと頷き、乗りながら指示を出していく。

[メイン] 星住 叶奈 : 彼女の家らしき建物はここから10分ほど歩いた場所にあった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ありがとうございます」と告げて、指示に従い足を進めていき。

[メイン] GM : 目星どうぞ

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : CCB<=80 目星 (1D100<=80) > 56 > 成功

[メイン] GM : では、あなたは家の表札が「雨地」であることに気づくでしょう。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「雨地さん ……と言うのですね?」
背中にそう問う。

[メイン] 星住 叶奈 : 「あ……いえ。それは母方の苗字なんです」

[メイン] 星住 叶奈 : 「はじめまして、私は……星住 叶奈といいます。
 そういえば……お名前を聞いてませんでしたね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「叶奈さん、いいお名前ですね、僕は如月 雨露って言います」
にこりと笑って。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 何やら家庭環境には、複雑なものが垣間見えたような気がしたから、触れないでおく。そこはセンシティブな部分だ。誰にだって触れられたくないところはあるだろう。そこをわざわざスコップでガツガツ掘り下げるようなことは、少なくとも俺はしたくないかな。

[メイン] 星住 叶奈 : 如月さん……と、復唱するように小さく頷いた。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : よいしょ、と叶奈をゆっくり降ろすと。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「いや~軽くて助かりました、あはは」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : なんて冗談。

[メイン] 星住 叶奈 : 「ふふ、重くなくてよかったです」

[メイン] 星住 叶奈 : そんな冗談ににこりと微笑んでしまいながらも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ちなみにもちろん俺の疑問はまだ残っちゃいる。
一体何の用事で、急いでいたんだって?
こういうの、困るよな。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 距離としちゃ、まだ知り合って間もないっていうくらいだし。
なんかそこまで聞くと、すげーチャラチャラしてる感あるし、俺。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : まぁ聞くんだけど。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「お急ぎの用事は、大丈夫でしょうか?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「へっ?ああ……先ほどの……
 ……はい。慌てていたのですが、今は落ち着きました。如月さんのお陰で、ありがとうございます」

[メイン] 星住 叶奈 : ぺこりと頭を下げ、礼を伝える。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 礼儀正しい。そして可愛い。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ああいえいえ!頭を上げてください!当然のことをしたまでですから」
定型文。もうこれもしかしたら廃れてるかもしれない、クッソくさいかもしれない。けどまぁ、事実っちゃ事実だし。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「今度はぶつからないようにしましょうね、僕も、ぼーっとしないように気を付けますから、あはは」
なんて小さく笑いながら。少し冗談っぽく、人をあやすような言いまわしで。

[メイン] 星住 叶奈 : 「はいっ、そうします。こういう暗い夜は特に、ですね」
素直に頷き、そう返しながらも。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……すっかり暗いのに、ここまで引き留めてもらってごめんなさい
 ……如月さん、今日はありがとうございました」

[メイン] 星住 叶奈 : 申し訳なかった顔はいつのまにかにこやかな笑顔に変わっていた。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「いえいえ、お気になさらず、では、良い夢を、おやすみなさい」
にこりと笑い、俺もまた手を振る。爽やかにね。

こんな可愛い美女とのフラグ、立てないのはむしろ男の恥ってやつだろう、言ってやるよ!どこまでもキザな言い回しを!

[メイン] 星住 叶奈 : 振った手は如月が見えなくなるまで、ずっと振っていた。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : あーやっぱ可愛い!

なんやかんや達観しようとしてる俺も、結局青臭い男子。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : えるしってるか

DKは美女に弱い。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] GM : 今日は12月21日。君たちの教室は2Aだ。

[メイン] GM : 教室内はすでに多くの生徒たちで賑わっており、友人と談笑している者や、読書をしている者、机に突っ伏して寝ている者など様々だ。

[メイン] GM : 昨夜のことが気になっている麻中は、教室を見回し、星住叶奈の姿を探すだろう。

[メイン] GM : 星住叶奈はすぐに見つかる。

[メイン] GM : 彼女は仲の良い女子グループと談笑をしていた。

[メイン] GM : 君と目が合うと、彼女は真っすぐこちらに向かってくる。

[メイン] 星住 叶奈 : 「おはよう!麻中くん!」

[メイン] GM : そう星住叶奈は君に挨拶をする。
彼女から声をかけられることは滅多になかっただろう。
ましてや、積極的に挨拶をしにくるなんてまずない。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : いつものように登校して、いつものように教室に入って、自分の席に向かおうとしたら…

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…えっ、うん。おはよう」
いつもとは違うことが起きた。

[メイン] GM : 周りの生徒も「あの二人ってそんな仲良かったっけ?」みたいな反応だ。

[メイン] 星住 叶奈 : 「ちょっと聞きたいことがあるんだけどさー!」

[メイン] 星住 叶奈 : 星住叶奈は君の返答を待つことなく、手首を力強く掴み、麻中を教室から連れ出した。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…聞きたいことおおおおお!?!?!?」
そのままずるずると星住さんに引きずられていく。

[メイン] GM : 君が連れ出された先は、屋上の扉の前だった。

[メイン] GM : 星住叶奈は麻中の腕を勢いよく引き、そして手を離した。まるで壁に投げつけるように。

[メイン] GM : 君の背中は軽く壁に打ち付けられる。

[メイン] GM : 星住叶奈の手が勢いよく顔の真横に叩きつけられる。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「いてっ!?」
痛みに顔をゆがめて

[メイン] GM : 所謂、壁ドンというやつだった。

[メイン] GM : そして、どすの利いた声でこう言う。

[メイン] 星住 叶奈 : 「昨日のこと、誰にも言ってないよな?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「………!?」

[メイン] 星住 叶奈 : にこりと……先ほどとはまるで別の笑顔で、麻中を詰め寄る。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : “昨日のこと”その言葉で、昨夜山で見たのが、たしかに目の前の彼女だとわかって

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…あっ、もしかして…山にいたのって、やっぱり星住さんだったの…?」
彼女の豹変っぷりに驚きながらも、気になっていたことが口をついて出る。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……そうよ。で、何か文句でもある?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…ああいや、そうだったんだってちょっと安心したっていうか」
俺から話しかけるかどうか迷っていたから、彼女の方から確認してもらえたのは助かった…何かちょっと怖いけど。

[メイン] 星住 叶奈 : 「ふーん……ならいいけど。
 あんただって、あんな時間に裏山に来て何がしたかったのよ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 『隕石が見えたから追いかけてた!』
…と、正直に話したものかと迷いつつ

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「夜風に当たりたかっただけだよ。それで外に出たら山の方が光ったから、なんだろうって気になって…」

[メイン] 星住 叶奈 : 「光った? 私の方じゃ見てないけど、なんかの見間違いだったんじゃない?」

[メイン] 星住 叶奈 : 麻中の答えに肩をすくめ、まぁいいわ、と呟いた後。

[メイン] 星住 叶奈 : 「そんなことより」

[メイン] 星住 叶奈 : 彼女は麻中の返答を待たずにこうも続ける。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 自分から聞いておいてそんなことって…。

[メイン] 星住 叶奈 : 「麻中くん、私困ってるんだ。あの時、びっくりして急に走ったもんだから、裏山に鍵を落としちゃったの」

[メイン] 星住 叶奈 : 「あーあ、あの時誰かさんがあそこにこなければなーー鍵も落とさず私もこんな困らずに済んだのになーーー。困っちゃったなーーーー。」

[メイン] 星住 叶奈 : みじんも悪くなさそうなすっぱりとした笑顔で麻中にそう言葉を投げる。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : えっ…それ俺のせいなの?

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「あ~…、うん。それはごめん。謝るよ」
そういえば俺の顔を見るなり逃げるように走って行ってたしな。

[メイン] 星住 叶奈 : 「あら、謝るなんてとんでもない。
 私がしてほしいことは一つだけよ?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…というと?」
聞かなくてもなんとなくわかるけど。

[メイン] 星住 叶奈 : 「もちろん、鍵探しよ。
 麻中くんはちゃ~んと……手伝ってくれるわよね?」

[メイン] 星住 叶奈 : 今だ、君の顔の横にある手は健在だ。
にこりと、張り付けたかのような笑みは麻中を捉えている

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : やっぱりかぁ…。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 夕方はずっとバイトのシフト入ってるんだけど…。
でも無理って言ったらこの笑顔がどうなるやら…。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…えっと、手伝いたいのは山々なんだけど、俺バイトがあるから夕方は厳しいかもしれない」
俺にも俺の事情があるからここは正直に言っておこう。

[メイン] 星住 叶奈 : その言葉に少し眉を曲げるも。

[メイン] 星住 叶奈 : 「アレは私の家の鍵なの。つまり、なかったら大変なことになるわけ。
 今日の一日くらい休めないわけ?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「えっ…!?家の鍵!?」
思ってたより深刻だった。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : それと同時に昨日はあの後どうしてたんだろうという疑問も出てくるけど聞かない。

[メイン] 星住 叶奈 : 「そう。心優しい麻中くんなら、困ってる私を助けてくれるわよね?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「流石に家に帰れないのはかわいそうだし…わかったよ。バイト先に連絡してみるから…多分大丈夫だと思う」

[メイン] 星住 叶奈 : 「ん、感謝するわ。
 じゃ、放課後、裏山の麓集合。
 昨日の話は勿論、ここでの話も他言無用でお願いね。」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……逃げるなよ」

[メイン] 星住 叶奈 : 星住叶奈はそう言い残し、階段をおりていった。
チャイムが鳴り響く。

[メイン] GM : 朝のホームルームの時間だ。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「………」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 今まであまり話したことなかったけど、星住さんってあんな人だったのか…。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…なんか面倒なことに巻き込まれた気がするな」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : ため息を吐きつつ、チャイムが鳴り響く中、教室へと急いだ。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) :  

[メイン] GM :

[メイン] GM : 麻中が戻ったころ、如月も教室に登校するころだろう。

[メイン] GM : では、ここからゲーム的な行動説明をします

[メイン] GM : 学校があるので探索者の行動は基本的に昼休みと放課後だけです。

[メイン] GM : 原則行動は一回のみですが、モノを買う、メッセージを軽く送る、などといったさして時間のかからない行動は認めます。
昼休みの行動はPC間の情報共有やNPCとの会話等に限られるでしょう。

[メイン] GM : 学校を休む、夕飯後に出るなどして夜遅くにも行動するなど、二つの枠から外れるような行動は可能ですが、リスクやペナルティーが与えられる可能性があります。

[メイン] GM :  

[メイン] GM : 授業が続いていく。
やがてチャイムが鳴り、祝福の昼休みが訪れるだろう。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 背伸びをする、ああ疲れた、僕は模範的な学生だ、きちんと授業を受けるし、ノートに内容はまとめるし、テストに出るところもマークするし、居眠りは……まぁ、ほら、あれ、退屈な話が続く時は、どうしても、不可抗力というものがあるじゃないか。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そんなものでしょ、俺は責められるつもりはないぞ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : さて腹も空いた頃だ、購買部にでも寄って、日替わり弁当でも買おう。今日は確かハンバーグだったか、いや、メンチカツ?違うな、えーとなんだったか、アジフライだったような気も。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そんなことを考えながら、席を立とうとするジョーロだったが、近くに人の気配を感じる。これは別に、達人同士で殺気を感じるとか、そういうあれではない、ただ単に、視界の横辺りに、顔を知っている、いわゆる知り合いの顔が見えたからだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ん?」
そして目が合う、俺はにこりと笑う、何か用事があるのかな?と、勘違いであっても、とりあえず微笑んでおけばいい。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「あっ」
如月 雨露…通称ジョーロくんと目が合って

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : その反応、勘違いとかではなさそうみたいだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「やぁヨモくん、こうして君と話をするのもいつぶりだろう、だなんて、あはは」
ワンクッション挟みながら、小さく笑って。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「何か用かな?課題とか?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「あははっ、ジョーロくんはいっつもそんな感じだよね」
軽く笑いつつ

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「あっ、うん。用ってほどじゃないんだけどさ…」
「ジョーロくんは昨夜なにかおかしなもの見なかった…変な光とか隕石とか」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 星住さんは見てないって言ってたけど、逆に俺だけ見えたのもおかしいので、どちらかというと話す方のクラスメイトであるジョーロくんへ聞いてみることにした。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「隕石かぁ」

隕石かぁ……。
……あれ、ヨモくんって、そういうのに興味がある子だったっけ?

あまり会話をすることのないクラスメイトと交わす話題が、どこかオカルトチックで、正直言うと俺はちょっと驚いている。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 確かヨモくんは、俺と同じ、帰宅部。
放課後、何をしているかまでは分からないし、そこまで詮索し合う仲というほどでもない。
とは言え、もうこの段階で既に俺は、このヨモくんっていうクラスメイトが抱えているものに、興味が惹かれてしまった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : これぞオカルトパワーってやつだよね。
いやだってほら、人って怖いものとか、本来は嫌いなはずじゃん?
でもテレビでそういう特集があれば見ちゃうのが性ってもんだし。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ごめんね、僕そういうの疎くて…… ヨモくん、そういうの興味あるんだ?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「ああ、いや…昨日夜に空を見てたら、たまたま流れ星が裏山の方へ落ちるのを見たからさ」
「他の人(星住さん)は見てないって言ってたから、俺の勘違いだったのかなって思って」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あはは、流れ星かぁ……なんだかでも、ロマンチックだね、そういうの」
小さく笑いながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「流れ星を見られる確率って、実際のところどのくらいなんだろうね?宝くじが当たる確率よりは大きいだろうけど、あーでも、1等じゃなく、4等とかそこらへんだったら、割と近しいものだったりするのかもね?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : なんて、中身があるのかないのか、いや全くない会話を口にしながら。

昨日か~……昨日というと、俺は。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「おかしなものっていうと、叶奈さんと会ったくらいかな?」
なんて、冗談っぽく笑う。

クラスで、美女として有名な女子の名前。向こうは初対面とのことで、まぁ割とショックは受けたけどさ、いやでも、当たり前だよね、俺のことを知る機会なんて、向こうからしたらあるわけでもないし。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : へ~…宝くじ…。そんなものなのかなって思っていると、予想外の言葉が返ってきて

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…えっ?」
「叶奈さんって、星住さんのことだよね」
ジョーロくんの考えている彼女と同じ顔を思い浮かべながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「んっと、そうそう、星住さん」
ヨモくんの反応を見て、何が「え?」なのか、普通に気になった、え?どういうこと?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「えっと? ……何か、不味かったりするのかな?」
……え?もしかして、彼氏彼女だったりするわけ?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ん?え?じゃあ、え?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 昨日のなんかめっちゃ運命的な!ラノベに出てきそうな出会いは!?フラグは!?ねぇ!俺のフラグは!?嘘だろ!?
ちょっとくらい夢見させて?まさかここで崩れるなんてことないよな?なぁ?

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…いや、なにもまずくはないけど…」
「…もしよければ状況を少し詳しく教えてもらえないかな」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : いや不味いやつだろ……。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……え、えっと」
そう言い、ジョーロは昨日起こった出来事を話し始めて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────という感じで、叶奈さんを、家まで送ったんだ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ノータッチを主張。潔白証明完了。ちょっと訝しげな顔やめてくれないかな、恐いから、ほんと。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ごめんノータッチは嘘。後ろから柔らかな感触を心行くまで堪能してました。言わんけど。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : なるほど…。時間帯は俺が山で2人を見たあとか。
足を怪我してたって言ってたけど、今朝の星住さんはそんな様子はなかった。
…つまりジョーロくんが出会ったのはもうひとりの方。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 少なくとも星住さんが2人いたのは俺の見間違いじゃなかったわけだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……ヨモくーん?えっと、ダイジョブ?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : すごい沈黙。これは一体なんだろう。何を考えているんだろう。処遇?俺の?ヨモくんって、そういうことする子か?いや俺、ヨモくんのこと全然分からないから、結局答えなんて出ないけど。こういう答え出ないものがめっちゃ怖いんだって。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「あっ…。ごめん、ちょっと考え事してた」
ジョーロくんの声にはっとなって

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あ、あはは」
怖いなぁ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………今日の日替わり弁当って、なんだっけ?」
もう嫌だから、気分的に、色々と、フラグが折れかけてるのをもう俺自身感じてるし、チクショウ。これ以上俺の心を痛めつけないで。
話題変えよう、やめよう、な?

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…なんだっけ?俺はパンしか買わないから弁当の方はあまり詳しくなくて」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あ、あはは、そうなんだ、じゃあオススメのパンとかあったら、教えてよ、僕普段あんまりパンコーナーの方には寄らないからさ」
そう談笑しながら、一緒に購買部へと足を運んでいくのだった。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「俺のおすすめかぁ。そうだなぁ…スペシャルドッグとか美味いよ」
ハンバーガーのバンズ生地に、ソーセージ、ゆで卵、キャベツやレタスを挟んだボリューム満点のパンをおすすめしてみる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : なにそれめっちゃ美味しそう。

素直にそう思った、ジョーロであった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そして購買部、ヨモくんのオススメの一品、スペシャルドッグを買ってみた。うお、ボリューミー。すごいね、これ一つでタンパク質も野菜もめっちゃ採れるんだ。しかもお買い得。あまり金銭的余裕の無い学生にも優しいと来たもんだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : むしゃむしゃと味わいながら食べていると、ふと視界に、件の叶奈という少女とよく話をしている……記憶のある、クラスメイトの女子を見つける。
断定じゃないのは、いや、別に俺、人間観察が趣味とかじゃないのと、あと女子めっちゃジロジロ見てる男子って、控えめに言って、キッショいじゃん。

え?なんかウジウジ考えまくってる俺がもう既にキッショいって?うるせぇよ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : さて、女子に話しかけるのって、勇気いるよね。
いるよね、めっちゃ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : だって俺、別になんかこう、秀でたものを持ってるわけでもないし。
サッカー部とか、そういうのに所属してる男子なら「うぇ~いw」って話しかけられんのかな、いやー、俺にはぜってー無理だ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「やぁこんにちは」
なんだこれ、RPGに出てくる村人Aか?ってくらい、つまんない第一声を投げかけてみる。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「お~? なんだ如月じゃん、どったの?」

[メイン] 日井崎 栄子 : 彼女は日井崎 栄子。
星住叶奈とよくいる仲良し女子グループの一人だ。

[メイン] 日井崎 栄子 : 今は飲み物を買いに来たのか、苺牛乳片手に君の方を向く。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あはは、ちょっと見かけて、声をかけてみたくなっただけなんだ、あとほら、これ、ヨモくんっていう子から教えてもらったんだ、スペシャルドッグ。めっちゃ美味しくてさ、オススメしたくて」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : どういう理由?ねぇ、自分で言っておいてなんだけど、どういう理由?

[メイン] 日井崎 栄子 : 「へえ~? なになに、かしこまって言うからてっきり告白かと思ったわ」

[メイン] 日井崎 栄子 : けらけらと笑い、スペシャルドッグを見て「それおいしそうだよね~!」なんて相槌を飛ばす。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ぶっ!こ、告白って、あ、あはは~!栄子ちゃんは可愛いし、もう既に色んな男子から告白も受けてるでしょう?(多分)、僕なんかが近寄っちゃ悪いよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : これが陽キャラってやつなのかな、いやすごいわ、コミュ力の塊だわ、あと自信。すごいね、眩しいよ、俺、目が潰れちゃいそうかも。
いやまぁ実際、この栄子って子は、可愛い。さすが、クラスの美女とつるんでいるグループの一員だけではある、選ばれし子だ。

[メイン] 日井崎 栄子 : 彼女は新聞部であり、色恋話を好むことで有名だ。
そういった関連にも目ざとく、彼女に声を掛けるのは情報が欲しい男女が多いとか。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「あっはは、それを言うなら叶奈だけどね。
 さしずめ私は叶奈の友人Bってところよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : じゃあAは誰なんやねーん!ってツッコミたくなった。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「なんなら如月が立候補してもいいんだけどね~?」
にやりと笑いながらも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「全くもう、心臓に悪いなぁ……そういうところじゃないのかな?男子泣かせで有名な新聞部女子の栄子ちゃん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : いやまぁ、付き合えるなら付き合いたいけどね?ほしいよ?俺だって男子高校生だ、青春の舞台にいるんだ。欲しいんだ。彼女は!

[メイン] 日井崎 栄子 : どうだろねえ、なんて持っていた苺牛乳を吸いながら。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「んで、ほんとにスペシャルドッグの話だけしたかった感じ?
 なんかもっとあるじゃないの~? 私の好きな奴とかさ~」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あはは、さすが、お見通しだね」
肩を竦める。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「うん、栄子ちゃんの好きな子は普通に僕も気になるけど、でも言わないでしょ?全く、本当に冗談好きなんだから、あはは」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「それで……まぁ、我がクラスの高嶺の花、叶奈ちゃんのことでさ、昨日ね、あの子と会ったんだ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「向こうはこっちのこと全然知らなくてショック受けたけど」と、付け加えながら。いらない情報過ぎるけど、愚痴くらい吐かせてよ。栄子ちゃんならそういうの、聞いてくれるって俺、知ってるし、なら甘えるし。

[メイン] 日井崎 栄子 : そりゃ相応の対価がないと~、なんて返すが、如月の言葉に耳を傾けて。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「ありゃあ~、そりゃドンマイ」

[メイン] 日井崎 栄子 : 肩をぽんぽん、と叩き慰めるように。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : その労わりの言葉は、俺の心をさらに抉るんだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……………(´・ω・`)」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「まあまあ、チャンスはいくらでもあるって!
 初対面だからこそってのもあるし~~、それにほら、叶奈って彼氏いないしさ~~?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「え?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………ん?マジで?え?……いや、でも、ほら、ヨモくんとかと、デキてるとか……そういうのは?」

[メイン] 日井崎 栄子 : 如月の何かを察したのかニヤニヤと笑いながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : うわめっちゃニヤつかれてる、クソ!もうこの時点で地の利を取られたんだ、俺は!手のひらで転がされる!

[メイン] 日井崎 栄子 : 「あ~、そういや今朝なんか二人会ってたね?
 でも付き合ってるって話は聞いたことないし……へえ~……
 見かけによらないな、麻中……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「(´・ω・`)」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「ま、とはいえライバルがいるだけのことよ
 スタートラインがちょーっと遅れても気にしない気にしない~」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………!!そ、そうか……まだ、勝負は決まったわけじゃ……ない!」

[メイン] 日井崎 栄子 : ぱしぱし、と背中を軽く叩きながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : あいたた!と声を出しながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 全く、スキンシップが激しいなぁ栄子ちゃんは!だからそういうところだぞ!男子を勘違いさせるやつ!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………そういえばなんだけどさ、栄子ちゃん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「叶奈ちゃんって、なんていうか、えーと」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………表裏のある子だったりとかって、する?」
突拍子の無い質問を投げかけてみる。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「へっ、裏表?」

[メイン] 日井崎 栄子 : ははは~、と笑っていたが、その質問にきょとんとした顔で。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : いや、なんていうか、うん、そうなんだ。俺がさ、昨日会った叶奈ちゃんは、なんていうか、お淑やかで、心優しくて、俺にも気遣いを掛けてくれていたわけで。
なんていうか、俺の知っている、クラスメイトの叶奈ちゃんと、ちょっとなんか、解釈一致しない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「うん ………なんて、変な質問だったかな?」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「そんなことはないかなぁ?
 裏表もなく……結構すっぱりさばさばした子だよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………そっかぁ、だー……よね?」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「どったの、何か気になる事でもあった?
 お悩み相談室の日井崎に聞かせなさいな~」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : うーーん、俺の見間違いだったのか?それともあれは、夢でも見ていたのか?なんかそう捉えた方が正しそうな気がしてきたまであるぞ、これは。
……ヨモくんのことオカルティックだなーて思ってた俺だけど、なんか笑えなくなったぞ、俺までそっち方面に浸かりそうになっているぞ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……ん、それがさ」
そして俺は正直に、昨日の出来事を栄子に話した。
俺が出会った、叶奈という少女の人柄についても。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────というわけなんだけど、どう?友人Bとして」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「ふぅ~~~ん……」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「何だか確かに、叶奈っぽくないね。その子」

[メイン] 日井崎 栄子 : 考えるように、顎に手を当てながら。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「兄弟もいなくて……お祖母ちゃんと二人暮らしだったかな。
 だから双子ってわけでもないと思うんだけど」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ふむふむと聞いている。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……いやしかし本当によく色んなことを知っているな!家族構成まで知り尽くしているのか!さすがは情報通の栄子ちゃんだ、この子に聞けば、大体のことは教えてくれるし、本当に頭が上がらない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………ちょっと、気になるね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「どうかな、一緒にちょっと、探ってみたりしない?」
少しニヤリと笑って。悪い火遊びのお誘いをしてみたりする。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : キッショ。なんだこの男子高校生。キッショ。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「あっはは、一緒に事件の解決をしようっての?
 面白そうだけど、私はパス~」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「だってそりゃ、私が付いてったら……台無しになるだろ?
 男女の青春が、さ……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : さもありなんな返答、いやそりゃそうでしょっていう。他人のプライベートに踏み入るような真似は、常識的に考えてナシ……。

いやそういう理由かーーーーーーーーい!!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……変わってんね、栄子ちゃん」
困り眉で、小さく笑った。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「まるで叶奈のようだけど、叶奈じゃない……
 そんな子と運命の出会いをするなんてこんなのチャンスだよチャンス!」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「あっはは、10回くらい聞いたよそれ!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「10回言ったことあるしね」

[メイン] 日井崎 栄子 : けらけらと笑い、如月にそう言いながらも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : めっちゃテンション上がってんな~栄子ちゃん………いやマジで、心から、変わってんねって言いたくなるよ。開けっ広げな性格ではあるけど、ある意味で読めないよね、この子の行動というか、なんというか、思惑というか。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「ま、その子が叶奈かどうかはわからんけども
 なんか進展したら教えてちょ~だいな」
「必要かわからんけど、叶奈のことなら教えられるしね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ん、わかったよ、本当に栄子ちゃんは心強いね、ありがとうね。あ、これお駄賃ね、情報代っていうやつ」
先程の購買部で買った、苺牛乳のパックを栄子に渡す。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「それじゃあ、また」
栄子の頭を軽く、ぽんぽんと手を乗せ、その横を過ぎ去っていく。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「おっと……気前がいいね
 っと、そーいうのはその子のために取っとけよ~?」

[メイン] 日井崎 栄子 : とはいえ払いのけるでもなく、笑ったまま如月に手を振った。

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM : 放課後。

[メイン] GM : 裏山の麓では星住叶奈が腕を組み、仁王立ちで待っていた。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……ちゃんときたわね。ほら!さっさと行くわよ。まずは山頂まで登るから」

[メイン] 星住 叶奈 : 彼女はくるりと背を向け、裏山に入っていく。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…了解」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : ため息を吐きながら彼女の後に続く。
休むって伝えたらバイトリーダーにドヤされて俺の心境は複雑だった。

[メイン] 星住 叶奈 : ずんずんと前の山道突き進んでいく。
どうやら彼女は君が話しかけるまで口を開こうとしないようだ。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : なんか気まずいぞ…。俺から話しかけるべきなのか?

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : そんなことを思っていたら、ふと口をついて出た言葉が
「あの…星住さんって、双子なの?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「は? ……いや、あんたはあの時……」

[メイン] 星住 叶奈 : バツが悪そうに髪をくるくると指で触れ。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……いるわよ。あの子は理奈
 双子の姉よ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 誰にも言うなとは言われたけど、本人に聞くなとは言われてないのでつい聞いてしまったわけだけど。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「そうなんだ。あれはお姉さんだったんだ」
ジョーロくんの情報から裏は取れていたけど、ちゃんと実在しているようでなんか安心した。

[メイン] 星住 叶奈 : 「そ。……まあ、知らなくて当然ね
 あの子は学校に行ってないもの。……体が弱くてね」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…それは…大変だね」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : まずい。他人の事情に踏み込みつつあるぞ。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……まぁ、しょうがないことだもの」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : …話を変えよう。

[メイン] 星住 叶奈 : 叶奈はそのまま無言になり、また山道を歩こうとする。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「今朝、俺になんで昨日山に来たのか聞いたけど、星住さんの方はどうしてあんな場所に?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 夜に女性2人だけで…しかも姉の方は身体が弱いと聞いた。だから余計に不思議に思ったのかもしれない。

[メイン] 星住 叶奈 : 「別に。大事な話があったから、誰にも聞かれないような場所に行ったのよ
 そしたらあんたが来たけどね」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…それは…本当にごめん」
「俺もまさか星住さんがいるなんて思わないしさ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………。まあその件はいいわ、こうして来てくれるわけだから」

[メイン] 星住 叶奈 : 流石にバツが悪かったのか指で髪をくるくるともてあそび。

[メイン] 星住 叶奈 : 「あんた、バイトの方は休めたの?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…あ、うん。なんとかね」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : ドヤされたとか言ってしまうと迷惑だろうからその部分は伏せて。

[メイン] 星住 叶奈 : 「ん。ならその分、今日中で見つけるわよ」

[メイン] 星住 叶奈 : 先行していた叶奈は、ひらりと目をこちらに一瞬向け。
そしてまた前を向き、ずんずんと進んでいく。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…うん。星住さんもいつまでも家に帰れないのは困るしね」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : ずんずんと進む彼女に置いて行かれないようにしっかりとついて行く。

[メイン] 星住 叶奈 : 「家に帰れてないわけじゃないけど……
 ……まあいいわ、とにかく探しに行きましょう」

[メイン] GM : そうして、二人は一番キツイ起伏を越え頂上までたどり着いた。

[メイン] GM : では、裏山のマップを公開します。

[メイン] GM : この5×5のマス目が裏山全域を示していると思ってください。

[メイン] GM : 君たちは学園の裏、右列中央から移動して山頂にやってきました。
裏山はそこまで広くないとはいえ、こんな山中から鍵を探しだすのは至難の業だろう。

[メイン] GM : 君たちは2人がかりで、放課後から暗くなるまでの約3時間かけて、この25マスのうちの1ヵ所を探索することができます。

[メイン] GM : 探索マス決定後に、《目星》《サバイバル》《自然》いずれかの技能に成功すると、隈なく探せたという扱いにします。

[メイン] GM : もしそのマス目、場所に何かしらがあった場合、見つかるものがあるかもしれません。
技能ロールに失敗したとしても、後日同じマスを調べると宣言した場合、技能ロールなしで情報を得ることができます。何もない、という情報もあります。

[メイン] GM : では、麻中くんはどうしますか?

[メイン] GM : もちろん、探索前に、探索以外のことをしてもかまいません。
簡単な行動なら時間を掛けずにできるでしょう。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 星住さんがこの場で落としたと言ってるからまずは山頂を調べるべきかな
…一応星住さんが走ったルートも確認しておいた方がいいかもしれない

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 山頂まで来たものの、改めて辺りを見渡して

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…広いな」

[メイン] 星住 叶奈 : 「こんな広かったっけ……
 はぁ……でも、やるっきゃないわね」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「そうなんだけど…先に聞いておくけど、山頂で落としたんだよね?」
「俺が来たことに気付いて山道を降りる際に落とした可能性はあったりする?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……いや。……転んだ、何かに躓いて。
 場所はわかんないけど、走り始めてすぐじゃなかった気がする」

[メイン] 星住 叶奈 : 「起き上がってすぐ山を出た感じでもなかった……かな?
 真ん中くらい?山の中腹あたりで転んだかも」

[メイン] GM : 叶奈の言葉により、探索個所がグレーまで絞り込めました。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「転んだって…怪我とかはなかった?」
ジョーロくんが会った方、双子の姉の顔が思い浮かんで

[メイン] 星住 叶奈 : 「なに、心配してくれてるの?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「俺に驚いて逃げたんだから責任の一端はあるからね」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……そう。
 ……さっきのに答えとくと、怪我はなかったわよ。つまづいただけ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「そっか。それなら良かった」
まあ問題なく山を登ってたから大したことはなかったのはうなずけた。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「それじゃもう少し探す場所を絞り込もう」
「山道を降りた方向とか覚えてる?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「んなの覚えてないわよ。急に現れたし、びっくりしたし、必死だったし。余裕なかったし……」

[メイン] 星住 叶奈 : 「だから、家のほうに向かったわけじゃない。
 逃げれる方向に逃げただけだし……少なくとも、あんたが登ってきた方向には逃げてないわよ」

[メイン] GM : 叶奈の言葉により、探索個所がグレーまで絞り込めました。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「そっか」
ふむ。とひとり考え込んで

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : GMさん、俺は俺が星住さんを追いかけた方向を覚えてたりする?

[メイン] GM : ん~そうですね

[メイン] GM : 〈INT×5〉〈ナビゲート〉〈追跡〉
のいずれかに成功すれば、昨夜の状況を思い出していいです

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : それじゃ〈INT×5〉でやってみるよ

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : CCB<=70 INT×5 (1D100<=70) > 5 > 決定的成功/スペシャル

[メイン] GM :

[メイン] GM : ここで出るんだ……じゃあそうですね
あなたはペガサス学園高等部を背にして、制服姿の叶奈が右へ逃げたことを思い出していいでしょう

[メイン] GM : 麻中は記憶を思い出し、グレーの探索範囲に絞り込めました。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「星住さんが降りた方向は…たしか、こっちじゃないかな」
昨日の記憶を頼りにその方向に指を向けて
すぐに星住さんを見失ったけど、こっちの方向に降りたのははっきり覚えていた。

[メイン] 星住 叶奈 : 「へぇ、よく覚えてたのね。
 これなら見つけるのもだいぶ楽になりそうじゃない」

[メイン] 星住 叶奈 : 上機嫌になったのか、にこりと笑いそう麻中に目を向ける。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : …なんか機嫌がいいな。今朝の剣幕が嘘みたいだ。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「とりあえず絞り込めるのはこれが限界だと思うから、あとは足を使って頑張ろう!」

[メイン] 星住 叶奈 : 「ええ、それじゃあ別れるわよ!」

[メイン] GM : では、《目星》《サバイバル》《自然》のいずれかのロールを行ってください。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「了解!一応足下には気をつけてね」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : じゃあ《目星》で

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : CCB<=80 目星 (1D100<=80) > 19 > 成功

[メイン] GM : あ、どこを探索するか聞いてなかった🌈

[メイン] GM : どこにしますか?

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 無難に山頂マスからすぐ上のマスを探してみる

[メイン] GM : わかった

[メイン] GM : ではあなた達二人は懸命に、日が暮れるまでその場所をくまなく探索する。

[メイン] GM : しかし、何も見つけらなかった。

[メイン] 星住 叶奈 : 「あーーーもーーー!!疲れたーー!!」

[メイン] 星住 叶奈 : どっと尻もちをつき、額の汗を拭いながら彼女はそう言った。

[メイン] GM : すっかり辺りは夜一歩手前という風で、なんとか二人はお互いの姿を確認することができる。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…はぁ…結構探したんだけどなぁ」
落胆しつつも、疲れた様子の星住さんが目に入って

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 背中に背負っていた鞄の中からペットボトルの水と携帯食を手に取って

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「これ、よかったら」
そのまま星住さんにそれを差し出す。

[メイン] 星住 叶奈 : 「なにこれ。……もしかして、わざわざ準備してくれたの?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「まあ一応、時間がかかる可能性もあったから」

[メイン] 星住 叶奈 : しげしげと、麻中の持ってきたそれらを目にして。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 実際まだ見つかってないし。

[メイン] 星住 叶奈 : 「ふぅん…………じゃあ、ありがと」

[メイン] 星住 叶奈 : 持ってきた二つを受け取り、きゅぽっと口に付けて飲む。

[メイン] 星住 叶奈 : 「麻中くんって、結構人に付け込まれやすいタイプ?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「わざわざバイト休んでまで、こんなことに付き合ってるとことか」

[メイン] 星住 叶奈 : くぴくぴと口に含みながら、疲労感を紛らわしている。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「ブハッ…!?ゴホッ、ゴホッ…なっ、俺そんな風に思われてたの!?」
飲んでいた水を噴き出して咳き込みながら

[メイン] 星住 叶奈 : 「自分でも無茶振りだとは思ってたけど、なんだかんだ付いてきてくれたじゃない。なんとなく、そう思っただけよ」

[メイン] 星住 叶奈 : 付け込んでいるのが他ならぬ叶奈であることに気づいているのかいないのか。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「そりゃ俺だってバイトの方が大事だけどさ…星住さんと特別仲が良いってわけでもないし」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「でも、落としたのって大事な鍵なんでしょ?」
「鍵屋さんに新しいのを作って貰わないで、わざわざ探すほどなんだし」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……ええ。私にとっては、とても大事な鍵よ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…やっぱりね。それならなおさら手伝わないとって思っただけだよ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 落とした原因の一端が俺にあるのもそうだけど、女の子ひとりを山の中にほったらかすのも人としてダメだろうって思ってしまって。

[メイン] 星住 叶奈 : 「ふっ、なにそれ!……麻中くんて、なんていうか……お人好しなのね」

[メイン] 星住 叶奈 : 微かに笑うも、ペットボトルを麻中に投げ渡し。

[メイン] 星住 叶奈 : 「それじゃ、明日もね」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 投げられたボトルをパシッとキャッチして

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…了解」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 連日でバイト休むとなると、いよいよヤバい気がしてきた…。

[メイン] 星住 叶奈 : 「当然見つかるまで続けるわよ。じゃあ、また明日の放課後。
 ここの麓まで待ってるから」

[メイン] 星住 叶奈 : 麻中の心中を知ってか知らずか、彼女は手をひらひらとさせ、別れようとする。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「とにかく、明日こそは見つけないと…!俺のためにも…!」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「それじゃまた明日、学校で」
彼女に軽く手を振り返して、自宅の方角へ山道を降りていく。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : お人好しというか、厄介ごとに巻き込まれやすいってのは自覚してる。
この性格直さないと損しかしないかもなぁ…。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : そんなことを考えながら俺は帰路についた。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM : では、如月 雨露の放課後。

[メイン] GM : あなたは一旦帰宅しようと足を運ぼうとしている途中かもしれない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 同刻。俺の知らないラブコメが展開されていたとはいざ知らず。
知る由も無し、そんな道化師な俺が、一体何をしていたかというと、単純だ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「雨地の表札っと……あったあった」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そこは、もう既にヨモくんと叶奈が裏山デート中で、俺の目的である彼女はいないはずの家。

もちろん、そんなことも知らない、哀れな俺。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「いやぁ」

……クラスで、影が薄くて、特に何か特徴があるというわけでもないのに、いきなりさ、昨日あったから、また会いたくなって、なんて押しかけてくる男子がいたら、どうなんだろう。国語のテストでも出してみるか、この時の叶奈ちゃんの気持ちを答えろってな。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺ならこう書く。

勘違いさせてしまって申し訳が無いけれどもあしらうわけにもいかないので適当に追い払わなくちゃ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「とは言え、気になっちゃったもんは、しょうがねぇよな」

そう言いながら、インターホンを押す。

[メイン] GM : インターホンを押そうとすると、君の後ろから「おや、お客様かい?」と声がするだろう。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ん?」
振り返る。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 叶奈ちゃんの親御さんだろうか、いやすみませんね、味気ない男子が、大事な娘さんのところに尋ねるだなんて無礼を働いて、なんて思いながら。

[メイン] 老婆 : 「そこは雨地さんちの家だけど……もしかして何か御用でもあるのかい?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「はい、娘さんの、叶奈という方に少し用事がありまして……その、あなたは?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : どうやら、親御さんというわけではないようだ、ご近所の方だろうか。そして、俺に声を掛けるというのは、あれなのだろうか、声掛け運動の一環なのだろうか、それほどにまで俺は、不審者に見えたのだろうか。

[メイン] 老婆 : 袋に入れ、重そうな荷物を抱えた老婆が君に語り掛けてくるだろう。

[メイン] 老婆 : 「はは、私は星住美沙……」

[メイン] 老婆 : 「君が言った叶奈のお祖母ちゃんさ!
 ……それにしてもどんな関係なんだい?叶奈とは」

[メイン] 老婆 : 「もしかして……叶奈の男かい!?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : これは失礼だった。親御さんではなく、祖母さんだった。いやはや、声掛け運動の一環なのかなとか、そういう勘違いしちゃってすみませんね、マジで、早とちりでした。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「え゛っ!?い、いえいえ!?違いますよ!?」

[メイン] 老婆 : 老婆はまくしたてるように君に言葉を投げかける。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「まさか!本当に、僕なんかでは、叶奈ちゃんには釣り合いませんし…… ……おっと、立ち話させては申し訳ないですね、重たい荷物まで持って」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そう言い、ジョーロは老婆の傍まで寄ると。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「えっと、お荷物、お持ちしましょうか?」
見るからに重たそうだった、それに高齢だ、腕に結構来てるだろう、なら長話させては毒というもの、少し無理矢理だが、勘違いはここですっぱりと切らせてもらおう。

[メイン] 老婆 : 「あら~?いいのかい?結構重いわよ~?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「いえいえ、いいんですよ、当然のことですから」
綺麗事を並べる。綺麗事結構、コケコッコー。俺としてもまぁ、重そうだなぁって思ってたし。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そう言い、よいしょ、と老婆の荷物を受け取る。あ、結構重い、帰宅部育ちの俺の筋肉が早速悲鳴を上げている。まさか明日、筋肉痛になるとか、そんなヤワな身体じゃねぇよな俺の身体、なぁ?そうだと言ってくれ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ふぅ ………それと、本当に叶奈ちゃんと僕は、そういう関係ではありませんから」
にこりと、笑う。

[メイン] GM : それはずしりと重い。それは形や大きさ、感触から重箱のようなものと想像できる。
中に料理が入っていそうな重みも感じられるだろう。

[メイン] 老婆 : 「はっはっは、わかってるとも!
 ”そういうこと”にしておきたいんだろう? なにせ年頃の二人だもんねえ!」

[メイン] 老婆 : 快活に笑い、続けざまに。

[メイン] 老婆 : 「まぁ立ち話もなんだから、このまま上がっていきなさいな!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「え゛っ」
まずい、これはお年寄りあるあるの勘違いだ。これは、彼女にとっても不名誉の傷になるやつではないのか?大丈夫か?これがキッカケでなんか悪い方向に働いちゃったりしないか?

[メイン] 老婆 : と、彼女はインターホンを押した。

[メイン] GM : しばらくすると、鍵を開ける音がする。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あっ!は、はい、すみません……」
老婆に会釈しつつ。

[メイン] GM : 引き戸である扉が、わずかに横にスライドして開かれる。

[メイン] GM : 少し間があった。
その後、扉が大きく開き、星住叶奈が姿を現した。

[メイン] 星住 叶奈 : 「美沙おばあちゃん、こんにちは。あっ、昨日の……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「昨日振りですね」
にこりと笑って、叶奈にも会釈を一つ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「美沙さん、荷物はどちらまで運びましょうか?」

[メイン] 老婆 : 「叶奈、こちらクラスメイトのね……何君だっけ?
 やだやだ、美沙さんなんて呼ばなくても!美沙ちゃんって呼んでね!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あ、あはは」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「すみません申し遅れました、僕は如月 雨露、と申します」

[メイン] 星住 叶奈 : 「あ、持ってくれたんですか?
 それは玄関に置いてくれれば、私が片づけますよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「いえいえ、ちゃんと最後まで手伝いますよ、任せてください、こういうのは慣れてますから」

[メイン] 老婆 : 「いい名前じゃない!うんうん、叶奈、この子はねえ
私が重そうだからって持ってくれたのよ、優しくていい男じゃない!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : あ、俺の名誉のために言っておく。俺は別に、ヤンキーにパシられ経験があるからこういうのに慣れているとか、そういうわけではない、ただ単に、日ごろからこういう仕事を頼まれやすいから、そうしているってだけであって。
………ん?待てよ?これやっぱり、パシリじゃね?

[メイン] 星住 叶奈 : 「そう……ですか?
 では料理なので……台所に置いてもらえると助かります……!」

[メイン] 星住 叶奈 : 「あ、上がってもらっていいですよ!どうぞこちらに……!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「はい、わかりました、それではお邪魔しますね」
靴を揃えて、そのまま台所まで荷物を運んでいく。

[メイン] 星住 叶奈 : ぺこりとお辞儀し、美沙に体を向ける。

[メイン] 星住 叶奈 : 「美沙おばあちゃん、いつもごめんね。わざわざありがとう」

[メイン] 老婆 : 「いいんだよ、しっかり栄養摂らないと心配だからね」

[メイン] 老婆 : 「それにね、叶奈
 彼も荷物持ちで疲れてるんだ。お茶の一つでも出してあげなさいな」

[メイン] 老婆 : 「それじゃ!おばあちゃんは帰るわね~!
 あとは若い二人でごゆっくり~!ほっほっほっほっ~!」

[メイン] 老婆 : 星住美沙は鼻唄交りでご機嫌に、軽快な足取りで去っていく。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ………何サムブアップしてるのお婆ちゃんッッ!!!
めっちゃ気を遣っているんですけど!!! ……い、いやまぁ?確かに?叶奈ちゃんと、そういう関係になれたら、嬉しいな~~?とか、そういうの、確かに、思っちゃうことは、あるにはあるし?てか、あわよくば的な、そういうあれも、あるにはある、けど!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 意識するとめっちゃ脚が震えるんよ!

[メイン] 星住 叶奈 : 「あ、あははは……美沙おばあちゃんは、悪い人ではないんですけど……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あ、あはは……ですね、でも、気前のいいお婆さんで、僕は好きですよ」

[メイン] 星住 叶奈 : 苦笑いしながらも、如月と共に料理を並べていき。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 身内の悪口は言わない、てかもしも俺が知り合いに、お前の母ちゃんやべーなって言われたら、普通に傷つくし、そういうもんでしょ、人って。そういう配慮はしておくもんなんです。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「叶奈さん、料理っていつもご自分で?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「ふふ、それならよかった。
 せっかくですから……どうぞ部屋まで入ってください」

[メイン] GM : 君は廊下を通って和室①まで案内される。
机に椅子、化粧台、箪笥、本棚、ちゃぶ台などがある。綺麗に整頓されており、ところどころにぬいぐるみが飾られている。普段、星住叶奈が使っている部屋なのだろうか。

[メイン] 星住 叶奈 : 「あ……実は、体が弱くて外にもあんまり……買い出しに行けないんです。
 ですから、美沙おばあちゃんに頼んでいつも作ってもらってて」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……………え?」
目を丸くする。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……お、お身体が、弱いのですか!?そ、それは……気が付けず、申し訳ありません……いやはや、学校では明るく、元気に振る舞っていたように見えたものでしたから、気が付けず、配慮不足でしたね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : うーん、と考えて、やっぱり、なんとなく、学校で見る叶奈という人物と、ここで見て、聞く叶奈という人物像が、あんまり、一致しないように思えて、もしかしたらもう既に自分は、夢の中にいるのでは?とすら思ってしまいつつも。

[メイン] 星住 叶奈 : 「へっ!? えっ、あっ、く、クラスメイト……」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……アッハイ。ジツハソウナンデスヨー」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……ん?何その反応、ん?すごい棒読み、すっごいわざとらしいくらいの!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………………………………」
ジト目で。

[メイン] 星住 叶奈 : 目がわざとらしいくらいに泳ぎながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……ア~~ソウイエバ~~」
ならばこちらもと、棒読みで、演技ぶって。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「叶奈さんって~~学校では~~~彼氏が10人くらいいるって~~聞いたことがあるんですけど~~~」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「それって本当でしょうか~~~~」

[メイン] 星住 叶奈 : 「えええええ~~~!?!?!?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「か、叶奈ってそんな大胆なことしてるんですか?!?!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あなたでしょ?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : じ~~~~~~。

[メイン] 星住 叶奈 : ばんっ!と机に乗り出し、如月の一歩手前に来るも。

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………あ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………あはは、……や、やっぱり、わかっちゃい、ますよね……」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……あのっ!実は!私……叶奈のー……双子の姉で、星住、理奈って言うんです……」

[メイン] 星住 叶奈 : 「ご、ごめんなさいっ!騙したりして……とんだ失礼を……!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 雨鶴の顔が、意地悪なものから段々と、いつも通りの、人当たりのいい、優しく、それでいて、表情の緩んだものになって。

[メイン] 星住 叶奈 : 頭を何度も君に下げ、申し訳なさと恥ずかしさでいっぱいになっている。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あははは、いいんです、ていうか今回、それが気になって押しかけてきたのもありますし、むしろ本当のことを教えてくれて、感謝を伝えたいくらいです」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「僕には分かりませんが、隠したいくらい大きなものがきっと、理奈さんにはあった、ということなのでしょう?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 内心めっちゃビックリしてる。俺今冷静にしてるけど、ビックリしてる。
え、だって、すっごい見た目そっくりだし、あと栄子ちゃんからも、双子はいないって聞いてたもんだから、衝撃の真実過ぎて、ビックリしまくってる。

[メイン] 星住 叶奈 : 「あはは……そう言って下さると助かります。
 ……はい。色々と事情がありまして……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………僕にも、言えないくらいのもの、でしょうか?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「これは、お節介です、余計なという接頭辞がつくくらいの、ですが、正直こうして理奈さんと出会いまして、そして何か裏の事情があると、理奈さんもおっしゃられるくらいで、つまりは、困っていることがあると、僕は解釈したところでもありまして」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「なんと言いますか ……もしも、抱えているものがあるのでしたら」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「僕も、"共犯者"くらいにはなりますよ」
にこりと、笑った。

[メイン] 星住 理奈 : 「きょ、共犯者!? そ、そんな大層なものではないんです!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あははは、言葉の綾というやつですよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : いやごめんなさいね本当に、俺ってこういう言い回ししかできないんですよ、癖で、もっと普通に喋れって話ですよね、すんません、そこはマジで俺も思ってます、反省。

[メイン] 星住 理奈 : 「……ただ、困っているというなら、体が弱い事……でしょうか。
 姉が病気で休んでいるのに、妹は学校に行けている……
 そんなことを言ってあの子がいじめられても……嫌、ですから」

[メイン] 星住 理奈 : だから、叶奈には口止めしたんです、と付け加えつつ。

[メイン] 星住 理奈 : 「……あ、私ったら。
 すみません、お茶を持ってきますので少々お待ちください」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ああいえいえ」
立ち上がって。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「お茶汲みでしたら、僕が行きますよ、あはは、理奈さんはお身体が弱いのでしょう?それを聞いて、このまま理奈さんに無茶をさせる男は、この世にはいませんよ」
にこりと笑って。

[メイン] 星住 理奈 : 「えっ?それなら、ありがたいのですが……
 大丈夫ですか? お茶の場所とか……」

[メイン] 星住 理奈 : きょとんとした顔で尋ねるも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………………………」
実際、場所は分からないので、答えに淀む。どうにも、格好がつかないというものだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……すみません、それでは……一緒に、というのはどうでしょうか?」
困ったように笑う。これじゃあ、身体が弱いのに無茶はさせられないという大目的が果たされないじゃないか、本末転倒、格好良くはないけど、こうして突然現れた知らない男子に家中を探し回られても、そっちの方が迷惑というやつだろう。

[メイン] 星住 理奈 : 「ふふ、わかりました。では、一緒に……ということで」

[メイン] 星住 理奈 : にこりと微笑み、如月と共に立ち上がる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 理奈の歩行ペースに合わせて、台所まで向かう……途中。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ぐらりと、体勢を崩してしまう、哀れなDK。
「わぁっ!?」という情けない、もう主人公とは思えない、ひょっとしたら、モブかもしれん声を上げながらも、なんとか男の意地で態勢を立て直しつつも、よろめきは止まらない、非運動部の哀愁のまま。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ごんっ!と、家の角に膝をぶつけてしまい。
「い゛っ!?」と、はい、これまたなっさけない声を上げてしまう。じんわりと、膝からは少し、ほんの少しだけ血が見える。

[メイン] 星住 理奈 : 「えっ、如月さん!? 大丈夫ですか!?」

[メイン] 星住 理奈 : すぐに駆け寄り、彼の膝を見やる。

[メイン] 星住 理奈 : 「ち、血が……出てるじゃないですか!」

[メイン] GM : HPを1減らしておいてください

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「いつつつ……え?あっ、こ、これは……た、たはは、失礼しました、なんとも、これは……」
情けなく、眉を下げながら。

[メイン] system : [ 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) ] HP : 12 → 11

[メイン] 星住 理奈 : 「そんなこと、いいんです! 確か物置に手当道具があったので……今すぐ持ってきますね!」

[メイン] 星住 理奈 : そのまま彼女は物置へと、焦ったようにばたばたと走っていくだろう。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……あちゃぁ、無理させないように気張ったのに、結局理奈さんに、激しい動きさせるようなことしちゃったなぁ、はぁ、自己嫌悪、しょぼーん、情けなさすぎて、穴が入ったら今すぐにも入りたいし、そのままショベルカーで埋めてもらいたいよ……。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : はぁ、と大人しく座る、座って待つだけだと、もうなんかますます自分が惨めに思えてくる。時間だけが過ぎていくのが、苦痛に感じる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 女子の部屋。

……ま、まぁ、うん、心ときめかない男子は、そりゃ、いないよね。
軽くね?かるーく、見渡す程度なら、許されるよね?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そう思いながら、和室を見渡してみる。

[メイン] GM : 机に椅子、化粧台、箪笥、本棚、仏壇、ちゃぶ台などがある。綺麗に整頓されており、ところどころにぬいぐるみが飾られている。また、縁側の方を見ると、あちこち障子が破れている。男手が少ないからだろうか。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : あらら、障子が破れている。なんか分かるなー、俺も子どもの頃、婆ちゃんちでさ、障子を見つけたら指でちょっとつっついて、穴あけて遊んでたもん、いやぁ懐かしい……しみじみ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……机とか、箪笥とか、いやなんか、そこを開けるのは、ねぇ、さすがにね?やらないよ?うん。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : とは言え、まだ理奈さん帰ってきてないしなぁ……。

暇潰して、何かめぼしいものが無いか、見渡しても?

[メイン] GM : 目星どうぞ

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : CCB<=80 目星 (1D100<=80) > 87 > 失敗

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : はーいそんなもんでーす

[メイン] GM : はい。

[メイン] GM : では救急セットを持ってきた理奈が戻ってきます

[メイン] 星住 理奈 : 「ふぅ、ただいまです。
 ……傷口は浅そうですね、ちょっと染みるかもしれませんが……我慢してくださいね」

[メイン] 星住 理奈 : とんとん、とガーゼで血を拭き取りながら、絆創膏を貼る。

[メイン] GM : HPを1回復していいです

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「い゛ぎぃい~~!」
痛そうな悲鳴を上げながら、びくりと反応して。

[メイン] system : [ 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) ] HP : 11 → 12

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ふぅぅ~~……いやぁ本当にすみません、ありがとうございます理奈さん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「昨日とはこれじゃあもう、立場が逆転ですね」
困ったように笑って、冗談っぽく、肩を竦めながらそう言う。

[メイン] 星住 理奈 : 「あはは、昨日は私が怪我して……如月さんに負ぶってもらってましたもんね」

[メイン] 星住 理奈 : 「あれからちゃんと気を付けてますよ、私!」

[メイン] 星住 理奈 : ふふん、と少し気張るように笑って見せて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そんな様子に、双子のお姉さんってことで、おそらく自分よりも年上なのかなー?とか思っていたのだが、子どもっぽさが見えて、無邪気で、無害で、微笑ましくて、俺は不思議と、心が安らいでいた。洗われていた。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……ふふふ、お利口さんです、花丸でも上げちゃいましょうか?と言っても、ここで転んじゃう男に花丸貰っても、嬉しくはないか」

[メイン] 星住 理奈 : 「あはは、如月さんからくれるものなら私、なんでも嬉しいですよ?」

[メイン] 星住 理奈 : なにも疑わないような顔でにこりと笑いかけながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ちょっ、それ、めっちゃドキっと来るやつなんだが?
今その言葉で一体何人の男子を殺した?
めっちゃ勘違いさせてくるな?おい、え?めっちゃ本当にドキドキしたけど?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : あ、あはは、と冷や汗を浮かべながら、笑って。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「それでしたら、連絡先でも交換しましょうか、もし何か困りごとがありましたら、いつでも呼んでください、呼ばれなくても多分、お節介でまたここに来るかもですけど」

[メイン] 星住 理奈 : 「あ……連絡先ですか。ごめんなさい、私スマホを持ってなくって……」

[メイン] 星住 理奈 : 「あ、別に断るのが目的とかそういうのではないですよ!?」

[メイン] 星住 理奈 : 「本当に持たされなくて……!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ショック。断られた、と思ったら、マジで持っていないようだ。
え、マジか、この現代社会で、スマホを持っていない若者が、存在したのか……!?ガラパゴス諸島で新種の爬虫類を見つけた学者張りに、俺は驚いているのかもしれない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「そ、それでしたら……じゃあ……僕の携帯番号だけでも、教えておきますね」

[メイン] 星住 理奈 : 「わ、嬉しい……!ありがとうございます!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「何か書くものとかありますかね?」
キョロキョロと、紙とペンを探すために部屋を見渡す。

見渡すんですよ?GM、これはじっくり見渡してます、再目星を!

[メイン] 星住 理奈 : 「では……何かあったら、叶奈の携帯を借りてお電話させてたいだくかもしれません!」

[メイン] GM : お、ではもう一度振ってください

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : CCB<=80 目星 (1D100<=80) > 93 > 失敗

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : あのさぁ…………

[メイン] GM : 🌈

[メイン] GM : 如月くん、目が節穴だった!?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : あーこれ鈍感系主人公かってやかましいわ

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 叶奈ちゃん、着信履歴を見たら、知らない内に僕の着信履歴が並ぶことになっちゃうのかな……。これ、悪手かな、めっちゃ不審がられるよね、絶対不審がられるよね、大丈夫かな、叶奈ちゃんからの心象めっちゃ悪くなるよね、え、これ俺さ、学校にい続けらえるかな?イジメの対象とかにならないよね?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ではではこれでっと」
適当にあったメモ用紙とボールペンで、携帯番号を書いて、理奈に渡す。

[メイン] 星住 理奈 : これが如月さんの……!と言って、メモを受け取る。

[メイン] GM : そうやって話していればいつの間にか19時になっていた。すっかり辺りも暗くなった頃合いだろう。

[メイン] 星住 理奈 : 「あっ……如月さんとのお話が楽しくてこんな時間まで……!
 すみません、こんなに遅くまで付き合せちゃって……!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「おっと、これ以上お邪魔しちゃ悪いですね、すみませんね理奈さん、突然押し掛けちゃって、僕は楽しかったですけど、理奈さんは迷惑かもですし、そろそろこの辺で」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : にこりと笑って、会釈を一つ。

[メイン] 星住 理奈 : 「そ、そんなことは無いですから!!
 ……また、来て下さると嬉しいです」

[メイン] 星住 理奈 : 会釈に対して、彼女はまた。
昨夜のように手を振って返した。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 全くこの人は、人の心を掴んで離さない人だなぁ、そう言われちゃうと、また明日来たくなっちゃうじゃないか。
ていうか、まぁ、これは。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 行くしかないよね!!!!
フラグだよ!どう考えても!!ビンビンに聳え立っているフラグだもん!!!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ええ、ではまた明日、お邪魔しに来ちゃうかもです、それでは」
昨日と同じように、ジョーロも手を振って、雨地家を後にするのだった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : いやぁ、なんとも、昨日からなんだろうね、これは。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 歯車が、動き出しているような、俺の見当外れか、分からないけど。
今俺は、他の人が知らない真実を一つ、握ってしまっているというものだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : これは、高揚感がある。ある種の優越感のようなものだってある。
止まらないよね、こういう立場に立つと、ワクワク感が。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : とても楽しいよ、充実している。だからこそ、より充実させたいな。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : いやぁ

いい匂いだった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) :  

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) :  

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 今日は12月22日。もうすぐ冬休みの気配が迫ってきているが、まだ学生にとってはいつもと変わらない学校での日々だ。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : もちろん俺も例には漏れず、普段通り購買へと向かってスペシャルドッグを買っていた。
安くて美味くてボリュームがあるから学生には大助かりだ。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : そんな折、見知った姿を見つけて、ふと声をかける。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「あれ…?星住さん?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「ん? あっ、あんたは……麻中じゃない」

[メイン] 星住 叶奈 : 星住の手には一つの菓子パンが握られた。
同じく購買で買ってきたものだろう。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 星住さんの持つパンが目に入って
「へぇ…星住さんも購買派なんだ」
なんか親近感が湧いて変なことをつぶやいてしまったかもしれない。

[メイン] 星住 叶奈 : 「や、たまたまね」
ひらひらとパンを持ちながら。

[メイン] 星住 叶奈 : 「普段は……祖母が作ってくれるのよ、お弁当。
 でも今日は忘れちゃったから、仕方なしってわけ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「そういうあんたは……なにそれ。おいしいの?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「そっか…お祖母さんに」
「あっ、これ?スペシャルドッグって言うんだけど、うん、すごく美味いよ」
バンズからはみ出たソーセージや主張してくる卵を見せながら

[メイン] 星住 叶奈 : 「……これはまた、中々ボリューミーなのね」

[メイン] 星住 叶奈 : はみ出るレベルに主張したそれを見て、食べれるのかしら……といった目で見てくる。

[メイン] 星住 叶奈 : 「てっきりバイトしてるもんだから、豪勢に使ってるのかと思ったけど」

[メイン] 星住 叶奈 : 「節約してるのね。記憶違いじゃなかったらそれ、結構安い奴じゃなかった?」

[メイン] 星住 叶奈 : 壁に寄りかかり、髪を指でくるくるとしながら。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「うん、実際に安いから助かってる」
「節約っていうか、やりたいことがあるから貯金してるんだ」

[メイン] 星住 叶奈 : へえ、と目を向けて。

[メイン] 星住 叶奈 : 「やりたいこと?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : こくりと頷いて
「俺、早く自立したいって思ってるから、そのための貯金」

[メイン] 星住 叶奈 : 「あら、そうなの。自分で金貯めて自立しようだなんて、立派じゃない」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……じゃああんまり、手伝わせすぎるのも悪いわね」

[メイン] 星住 叶奈 : バツが悪そうに、指でくるくる、と髪をかき混ぜる。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…立派ってものでもないけどね…俺のワガママみたいなものだし」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「そっちは大丈夫だよ。手伝うって言ってしまった以上、最後までやり遂げるつもりだから」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……ま、何はともあれ私が無理強いしてるのは本当だし。
 私だって、あんたを巻き込んでる自覚がないわけじゃないのよ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「えー……そのー……なに?
 まあ、私が……あんたに出来ることがあれば……まあ、その……最低限やるわよ」

[メイン] 星住 叶奈 : 指でかき混ぜる感覚が多少早くなっている気がする。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : ………。
なんか意外だ。一昨日の夜に会ったとき、昨日の朝、放課後、そして今…彼女の違う顔が見えてくる。
つい最近まで星住さんのことなにも知らなかったのに。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…う~ん」
なにか…やってもらいたいことがすぐに思いつかない。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「とりあえず保留で。鍵を見つけてから改めて考えてもいいかな?」
「星住さんもそっちの方がやりやすいと思うし」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………適当なのでもいいから何か言いなさいよね!!!」

[メイン] 星住 叶奈 : 「あ~も~、やりやすいって何よ!
 ……はぁ、わかったわ…… あんたってばそういう奴よ……」

[メイン] 星住 叶奈 : フッ、とあきれ半分に笑い。「じゃあ、そういうことで」と手をひらひらさせた。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「うん、また放課後に」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : そう言うと俺は彼女に軽く手を振り返して、教室へと戻っていった。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : その日の俺は、一日中ニヤけてたと思う。
それに気が付いたのも、ホームルーム前に、俺の友人が「おい大丈夫かジョーロ?今日のお前めっちゃキモいぞ」って言われてからだった。
そうだった、今日の俺は不自然に頬が吊り上がっていた。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : いやぁ、だってねぇ、そりゃねぇ、花に寄りつくのが蜂の特性と言いますか、甘い蜜があれば、そりゃすり寄ってしまうのが、悲しい定めというか。
昨日はね、楽しかったですよ、ハッキリ言って。ええ。
今もなお、俺の心の中には溢れ返っているんですよ、ええ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「いやぁ、人生って捨てたものじゃないね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「そう思わない?栄子ちゃん」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「うーん、調子乗ってるね如月くん!」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「具体的には昨日は明らかに『もう俺なんて負け犬だ』って顔してたのに、今は『お前ら勝ち組になったことある?^^』って顔してるね!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あははは~!いやいや、まだ勝ち組になったかどうかは、分からないけどね~」
なんて言いながらも、ぶっちゃけそっち側に立っているも同然の気分ではある。もちろん経験上、ここから梯子を降ろされることはあるし、過去にそういうのがあったから、油断も隙もありやしないけど、それはそうと、ある種特別な関係の第一歩を踏み込めたことは、きっと確かなんだろう。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「それに栄子ちゃん~あのね~実はね~、まぁあれだったんだ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「叶奈ちゃんじゃなかったんだ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「僕が一昨日出会った、お淑やかで、丁寧で、腰も低くて、それでいて、庇護欲が掻き立てられるような、あの女性は」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「叶奈ちゃんのお姉さんだったんだ、双子のね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ニマニマしながら、ベラベラ話す雨露だった。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「ほほーう!詳しく詳しく!」
栄子はからかうクラスメイトBの顔から一点。
メモとペンを取りだし、新聞部の顔になる。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「ん?え、うっそ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「マジマジ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : いやそりゃあね、情報通たる栄子ちゃんすら知り得ていない情報なわけでね、嘘を疑うのも当然の話だ、こんな木っ端がなんでそれを最初に捥ぎ取ってんねんってね、きっと矜持に触ったとこもあるんだろうなと、なんとなく察するよ。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「昨日も言ったよね、叶奈には兄弟いないって」
訝しげに眉を顰める。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「うん、でもね、見た目は本当にそっくりでね、それで何よりなんだけど、本人が『双子の姉』って言ってたんだ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……ぷぷっ、今思い返しても、本当に可笑しくて……最初は、叶奈ちゃんを装ってたけど、すぐにボロが出ちゃってて、可愛かったなぁ」
完全な惚気話だろう、これは、傍から見れば、でも事実だもん。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「……あぁ」

[メイン] 日井崎 栄子 : ぽんぽん、と如月の肩を叩く。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……ん?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 何が?という顔で、栄子の方を向く。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ん?何その、テンションが少し引いたような感じは?

[メイン] 日井崎 栄子 : 「……そっか。
 如月……あんた、叶奈のことが好きすぎてついにイマジナリーの領域に達しちゃったわけね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「は?」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「まぁ、私は受け止めるけどさ……
 あんまりその……他の人の前で言わない方がいいよ?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「いや、いやいやいや、いやいやいや!ストーップ!」

[メイン] 日井崎 栄子 : 哀れみの目。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「やめて!その妄想でニマニマしてる男子を哀れむような目を!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「いや違うからね!?マジだから!マジ!電話番号だって教えたんだからね!?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「な、なんだったら、証拠のツーショットくらい撮ってくることくらい、やぶさかではないからな!?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : いや、確かにね!奇怪よ!実際ね!情報通の栄子ちゃんからしたらね、実在しない叶奈ちゃんの姉に恋する男子っていうことに今なってて、そうなるともう、青春謳歌系から反転し、陰鬱妄想世界引きこもり少年に見えちゃうっていうのも、まぁまぁ分かるけど!

[メイン] 日井崎 栄子 : 「え〜〜〜〜?
 大丈夫? 撮った写真が1人しかないないみたいなホラーとかになったりしない?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「いやいやいやないでしょ!さすがに!」

[メイン] 日井崎 栄子 : ふむ、と栄子は如月へと目を向ける。

[メイン] 日井崎 栄子 : S1D100<=75 (1D100<=75) > 51 > 成功

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………え?栄子ちゃん、ガチで疑ってる?どして?僕そんなに信用無い?」

[メイン] 日井崎 栄子 : すると、栄子は悩むような顔で、じっと如月を見つめる。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「いや。信用がないって言うより……
 ……有り得ないのよ」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「だって、あの事故で……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………え?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : あり得ない、その断言は、重々しく感じた。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「……っと、あーんー……」

[メイン] 日井崎 栄子 : なんとも言えない顔で、栄子は口ごもる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そして続く言葉に、血の気が引くような、この肌寒い季節の中、俺をさらに冷え込ませるような、そんな思いにさせた。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………………」

真剣な瞳で、真っ直ぐと、栄子を見て。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そして、その肩に手を乗せて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……お願いだ、話してくれ、頼む」

目を閉じ、そして頭を下げ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………話しにくいこと、なんだろうなっていうのは、今の栄子ちゃんの雰囲気で、なんとなく察した部分は、あるよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「それに……他人の事情だ、それも……事故ってワードが出るくらいだ、簡単にぺらぺら話せる内容でもないことは、僕にも伝わった、きっとここでの正解は、聞かなかったことにする、それが人と関わり合いながら、日々成長していく学生としての、模範解答になるんだろう」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………………でも、ごめん、俺、本気なんだ」

瞼の裏に、薄らと浮かぶ、あの笑顔で、健気な、理奈の姿が。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「気になった人がいて、そして、その人が抱えてるものが、あったとして、俺は……それを、どんな形であっても、支えていけるような、そんな男でありたい」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「いや、もちろん、僕は大した能力があるわけでもない、テレビドラマで観るような、イケメン俳優が演じる、スーパーヒーローみたいなことは、僕には決してできない、分相応のことしかできない」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「それでも、やれることはしたい、中途半端にしたくない、頼む、栄子ちゃん」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「んー…………」

[メイン] GM : では、説得系技能でロールどうぞ
+20でいいですよ

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : CCB<=85+20 説得 (1D100<=105) > 50 > 成功

[メイン] 日井崎 栄子 : 「……わかった。そこまで言うなら……ナイショだよ」

[メイン] 日井崎 栄子 : 日井崎は周囲に聞こえないよう、声のトーンを落とす。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……ありがとう、栄子ちゃん」
小さな声で、にこりと、笑った。

[メイン] 日井崎 栄子 : こくりと頷き。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「叶奈に親が今はいない……っていうのは前に言ったよね。
 ……三年前、中学二年生のとき。星住一家を乗せた車が、崖から落ちたんだ。運転していたのは父親、同乗していたのは母親と叶奈。両親は亡くなった。」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………………」

とても、気分の悪くなるような話だった。少なくとも、明るくなれるものじゃない。空腹感は、いつの間にか消えていた。
家族を失ってしまうというのは、子どもにとっては、情緒を育んでいく道中にある学生にとっては、とても辛く、重たいものだ。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「でも、叶奈は奇跡的に助かった。不幸な事故だった……ってことになってる。でも状況的に、別の可能性が噂されることになった」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「それはね、一家心中だよ。
 ……叶奈のこと中学から知ってる人は聞いたことあるんじゃないかな。」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺は、空いた目が、しばらく塞がらなかった。乾いていく感触を感じながらも、茫然とした。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「心、中……?」
冷や汗が、こめかみを伝って下がっていく。

[メイン] 日井崎 栄子 : 頷く。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……俺は、何も知らなかった。
高校から知った仲だ、いや、仲と呼べるものでもない。
遠くから、高嶺の花と見て、拝めていただけの、モブCだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……そんな辛い過去を背負っていたことを、知らなかったこと。
知らずに俺は、彼女をただ祭り上げていたことに、罪悪感を覚えた。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「あくまで噂だけどね。……私は事故だってことにしたい。
 だって、そんなの……嫌じゃん」

[メイン] 日井崎 栄子 : 腕を抱え、廊下の窓からぼおっと、裏山に目線を写しながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 無知は罪だ。もちろん、本人の口から語らぬことには、知る余地は無いだろう。だとしても、上辺だけの付き合いで、知らぬ間に他者を傷つけて、それが良しとされるなら、俺だけは許したくない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………うん、俺もそうしたい、そう信じる」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「それに、その部分を究明して、一体何になるんだ ……いたずらに、叶奈ちゃんの心を貪るだけだ、それは、あってはならないからね」

[メイン] 日井崎 栄子 : こくり、と頷いて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 例え真実だとしても、いいじゃないか、事故だったということで、そうしておいて、一体誰が迷惑を被るって話だ。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「実際……叶奈も、当時はひどかった。
 叶奈は中一の時からの付き合いだったけど、当時はかなり心配したよ」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「しばらく登校してなくて、やっと顔を見せたと思ったら……記憶喪失、してたんだ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「記憶喪失……」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「いや、あれは記憶喪失とはまた違ったのかな?記憶障害?とにかく変な感じだった。
 知ってることと目の前のものが上手く結びつかない、っていう感じかな」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「例えばー……私のことを見ても、誰?みたいな反応だったけど、名乗ったらすぐに思い出したというか……納得した様子だった。人以外も、机の位置とか持ち物とか、色々忘れてた」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「……そんな感じの、一時的な後遺症があった。あとはそうだね……大切な人をつくるのが怖くなったのかな…前よりちょっとさばさばしてる気がするけど、とにかく安心したのは覚えてる」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………………」

精神的なショックが、そうさせているのかもしれない。記憶を閉ざすことで、負荷をこれ以上掛けまいと、脳が自らシャットアウトをした、と捉えたら、自然だ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : それに、そんな出来事があれば、大切な人を作ることに怯えるのも……当然だ。

………一度、大切な人を失えば、また同じような、大切な人を作ることに、臆する。もう二度と、悲しい目に遭いたくない、人の心理だ。誰だって嫌だろう。一緒に笑い合って過ごしてきた人が、突然いなくなるのは、それをまたどこかで経験しなければいけなくなるのだとしたら、もういっそのこと作らない、そういう決断になるのだって、無理もない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「栄子ちゃん」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「……どうしたの?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ありがとう、俺に話してくれて、そして」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……辛いことを、きっと栄子ちゃん自身も話したくないことを、話させて」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ごめんね」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「礼はいいよ。辛いのは私じゃないからね。
 ……それにほら、好きな女のこと知りたいんだろ?」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「なら遠慮はいらん。
 その代わり、如月に好きな人がいることはクラスのみんなに伝えておく」

[メイン] 日井崎 栄子 : ニッ!と笑い、如月に笑いかける。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : その笑顔に、困ったように笑いながらも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : また、昨日のように、軽く頭を、ぽんぽんと叩いて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「付き合いが長いんだ、分かってるよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「嘘が上手いよ、相変わらず」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ありがとう、俺にも気を遣ってくれてるんだろう」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……今回の話は、俺が勝手に調べたことにする」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「栄子ちゃん経由じゃなく、ね」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「そ、ありがとね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : もう俺は、今気づいた、一人称「僕」を捨てていた。
礼節正しい、爽やかな青年は、消えていた。

まぁ、そんなの気にしてるような状況じゃないからね。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 知ったことか。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「……ただまあ、今の話で気になることはあったよ」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「もし、その双子が本当だっていうなら、まるで……事件の後から入れ替わったり、とか
 雰囲気が変わってたのも……そのせい、とか」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「……考えすぎか。私の部はオカルトじゃないからね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あり得ない話じゃないね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「どのみちだ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 踵を返して。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「この物語は、女の子だけで抱えていいものじゃない」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そう告げた。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 言ったでしょう、理奈さん。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺はね、なるんですよ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : "共犯者"にね。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 勝手に、すみませんね、ほんと。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] GM : では放課後。
変わらず裏山の山頂にて、星住叶奈は麻中を待っていた。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「それじゃ、今日もよろしく」
昨日は乗り気ではなかった顔をしていたが、今日ははつらつとした表情で山頂にやってくる。

[メイン] 星住 叶奈 : 「ん、今日も遅れなし……ね」

[メイン] 星住 叶奈 : 「よろしく」

[メイン] GM : 特に話すことがなければこのまま場所指定→ダイスでもいいですよ

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : わかった
なにか話すのはあとからでもできるから先に捜索をしよう

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : それじゃ昨日指定した位置の一マス左を今日は探してみるよ

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : CCB<=80 目星 (1D100<=80) > 3 > 決定的成功/スペシャル

[メイン] GM : こわい

[メイン] GM : ではあなたたちはその場所を念入りに探した……

[メイン] GM : 三時間かけ、あなた達はその場所には絶対に何もないということがわかった。

[メイン] GM : しかしそれと同時に確信するだろう。
残りの後一つが、鍵を落とした場所になるのであると。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : しっかり探した。昨日よりもより慎重に。
それでも見つからなかった。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……は~……つっかれた~~~~!!」

[メイン] 星住 叶奈 : 昨日のように声を上げるが、尻もちはつかずに。

[メイン] 星住 叶奈 : 「まぁ、とはいえ……明日で最後になりそうね」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「お疲れさま」
「うん。あと一カ所だから、そこになかったら流石にお手上げだけどね」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 今日は絶対見つけるぞ~!って意気込んでたんだけどなぁ…。

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………あるわよ。絶対。
 あれがなかったら……私……」

[メイン] 星住 叶奈 : 苦い顔になり、すっかり暗くなった裏山を見つつ。

[メイン] 星住 叶奈 : 「そういえば……あんたには言ってなかったわね
 あの鍵について」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「見つけないと俺がバイト首になりそうだしね」
とか冗談めかしつつ

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…?自宅の鍵じゃなかったの?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………。まあ嘘は言ってないけどね」

[メイン] 星住 叶奈 : 「理奈の話、したでしょ? 病に掛かってて、外に出られないって姉」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「うん。昨日聞いた」

[メイン] 星住 叶奈 : 「その鍵は理奈の病気を治すものなの」

[メイン] 星住 叶奈 : 腕組をして、溜め息をつくように。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「うん…?鍵で病気って治るものなの?」
俺が知らないだけでお姉さんの病気は珍しい病気なのか?

[メイン] 星住 叶奈 : 「直接的じゃない。……まあ、簡単に言えば手術室の鍵みたいなもの」

[メイン] 星住 叶奈 : 「フツーの病院では治せない位、理奈の病気は珍しいのよ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : なんでそんな大切なものを…と思ったけど、大切だから肌身離さず持っていたいって理由もわかる。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「……もし、なんだけどさ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「もし、鍵が見つからなかったら…星住さんのお姉さんは…病気の進行がヤバくなったりするの?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「死ぬよ、やがてね」

[メイン] 星住 叶奈 : 「どんな形であれ、結末はそれだけ」

[メイン] 星住 叶奈 : 遠く、ずっと遠く。裏山の遠く、空を見るようにしてそう言った。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「………」

[メイン] 星住 叶奈 : 「あっ……!別にあんたのせいで理奈が死ぬって言いたかったわけじゃないから!?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「これは私と理奈の問題で、そもそも鍵を落としたのは私だし……」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 巻き込まれないようにって距離を保ってたつもりだったけど、どうやらあの夜に会ったところでもう俺は引き返せないところにいたのかもしれない。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「俺の信条としてる言葉があるんだ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) :  

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「『誰かの人生に関わればその人はもう他人じゃない』」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) :  

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「そんなに大切なものなら、もっと早くそう言いなよ!」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……っ!?」

[メイン] 星住 叶奈 : 麻中の、今までにないほどの気圧に思わずたじろぎ。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「そう言ってくれれば、俺はもっと本腰入れて、昨日の夜だって帰らずに探してたのに」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……あんたにはあんたの生活があるでしょ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「三時間も付き合わせて、その上……だなんて、あんたに申し訳が立たないじゃない」

[メイン] 星住 叶奈 : バツが悪そうに、指で髪をくるくると。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「それを言うなら星住さんにだって自分の時間があるじゃん」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「いや、それだけじゃなくて、星住さんとお姉さんの時間だよ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「病気ならなおさらで、星住さんもお姉さんと一緒にいたいし、お姉さんだって星住さんと一緒にいたいんじゃないの?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………いいのよ。別に私が出来ることは、その鍵を見つけて、あの子を治すことだけだから」

[メイン] 星住 叶奈 : 「もし私があの子と一緒にいて、助からない。
 そんなことになったら……それこそ、本末転倒だもの」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…そんなことはないよ!」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「誰かがそばにいてくれるのって、結構気持ちが楽になるんだよ?」
「それが大切な存在だったら、なおさら」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…俺が代弁することじゃないかもしれないけどね」
「星住さんのお姉さんとだって、一昨日一度顔を見ただけだし」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「でもさ、星住さんが一番お姉さんのことをわかってるんじゃないの?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「………………」

[メイン] 星住 叶奈 : それを聞いて、叶奈は押し黙るように口を閉じて。

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………わかったわよ。
 それじゃあ、帰った後も……これからも」

[メイン] 星住 叶奈 : 「理奈と……一緒にいるようにするわ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「うん!」
ニコッと笑顔を見せて

[メイン] 星住 叶奈 : 「でも!」

[メイン] 星住 叶奈 : 「明日の鍵探しには絶対付き合うからね???」

[メイン] 星住 叶奈 : 「これはツケよ、あんたを巻き込んだ、あたしがせめてやれること!」

[メイン] 星住 叶奈 : 「わかった?」

[メイン] 星住 叶奈 : 一歩近づき、まくしたてるように彼女はそういう。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「了解!」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 任せて。と言ったようにもう一度笑顔を見せて

[メイン] 星住 叶奈 : 全くもう、と言って麻中を見る。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……やっぱりお人好しだわ、あんた。
 人の事情に首突っ込んで、それを解決しようとするなんて」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……それじゃあ、今日の所は解散。
 あんたは?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「そうだね…もう暗いし、俺も帰るよ」
そう言いながらも、足は昨日帰った方向とは別方向…あと一カ所の捜索場所へ向けていて

[メイン] 星住 叶奈 : それに気づかず。それじゃあまた明日ね、と言って叶奈は麻中と別れる。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「それじゃまた明日、学校で」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : ずんずんとそのままもう一カ所へと歩を進める。
俺のためだけじゃない、星住さん、そして彼女のお姉さんのためにも絶対に今日中に鍵を見つけてやる。

[メイン] GM : わかった

[メイン] GM : では……調査のダイスロールをどうぞ

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : CCB<=80 見つける (1D100<=80) > 41 > 成功

[メイン] GM : では、あなたは暗い夜の中、森の中を探していく。

[メイン] GM : 見つからない。見つからない。
夜ということもあり、君の目は普段の捜索以上に厳しいものであるだろう。

[メイン] GM : だが、麻中は何かに躓き転んでしまう。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 冬の夜だ。寒くて手がかじかむ、身体の動きも悪くなる。
それでも俺は構わず探し続ける。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…っと、うわぁ!?」
そう意気込んで探していたら何かに蹴躓いて

[メイン] GM : 衝撃に小さく呻き、倒れ伏た君はゆっくりと目を開ける。

[メイン] GM : すると、目の前には鍵のようなものが落ちていた。
大きな鍵と小さな鍵が、リング状のキーホルダーで繋がっている。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…っ!?…ぐ…うぅ…」

[メイン] GM : 小さな鍵は家の鍵よりも小型で、大きな鍵は幾何学模様の物体だった。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : いってぇ…。だけど、これくらいで!
立ち上がろうとすると、俺の眼前にそれは落ちていた。

[メイン] GM : また、君が躓いたモノを確認しようと足元を見ると、大きさは20cmほど、青白く神秘的で美しい鉱石のような結晶が落ちていた。

[メイン] GM : いや、その表現は正しくない。半分地面に埋まっている状態でそこにあった。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「これが…星住さんが探していた鍵…なのか?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 確かに言われてみれば鍵だけど…俺が知ってる鍵とはかなり違っていた。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 鍵を拾って後ろを振り返ると、きらりと光る鉱石のようなものが見えて

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…なんだこれ?埋まってるのか?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : ………。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : なんだか無性に気になり、スマホのカメラでカシャリと撮影して

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : GMさん、鉱石に触れてなにか変化とかあるかな?

[メイン] GM : なにも無い。
硬い宝石のようなもので変化はない。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : わかった、ありがとう。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…とりあえず、見つけはしたけど」
ぱんぱんと服についた泥を払いながら

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 俺星住さんの家知らないんだよな…。明日朝一で学校に来て、机の上に置いておけばいいかな…。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 先ほどの写真を確認するついでに時間も確認して
「……。母さんに怒られるな」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…帰るか」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : とぼとぼと帰路につく。
寒い、身体は痛い、服は泥だらけ。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : …だけど何故か気分は晴れ晴れとしていて

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 鍵が見つかったとなると、彼女はどんな顔をするんだろうか。
また見たことない表情を見せてくれるんだろうか。
そんなことを考えながら、俺は自宅へと戻った。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM : では時間は少し巻き戻り、如月 雨露。

[メイン] GM : あなたの放課後である。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : もちろん、今回の問題に関しては、引っ込んでろっていう意見もあるんだろうなと思う。
正しさの尺度で言うのなら、他所の家の事情に首突っ込む行為は、まぁ、余計なお世話っていうか、なんていうか。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : あまり常識的な行動とは言えないんだろうなと、俺は思う。

ただ、それでも、だ。

青春って、いいよな。なんて言葉に惑わされちゃ、だめかな。だめか。
あれだ。俺は今、理奈さんに夢中になっているところがある。だから、知らないことはたくさん知ろうと思っちまうし。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ………少し、何か、やっぱり引っかかるものが無いわけではないんだ。

『事故』によって、一家が、叶奈ちゃん以外亡くなってしまったのなら、じゃあ、双子の……理奈さんは、一体、って。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……別に、大したものでもないな。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺はただ、理奈さんに会いにいく、それだけで、いいだろ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そうして雨露は、雨地家へと足を運んでいき、昨日と同じ動作。インターホンを押した。

[メイン] GM : ではあなたがインターホンを押す前。
また声が掛かる。

[メイン] 星住美沙 : 「あら、如月くんじゃない!
 今日も会いに来てくれたのねえ~!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あ、美沙さ……じゃなく……えっと、み、美沙ちゃん……」
……そう呼んでほしいって言ってたから、そう呼んだ方がいい……んだよな……?そうだよな?これいいのか?大丈夫?

[メイン] 星住美沙 : 「は~い美沙ちゃんで~す!」

[メイン] 星住美沙 : にやりと笑い、その声に親指を立てながらも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : あ、あはは……この人は全く、元気な人だ………。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ………………。

ふと、雨露は、思ったことがあった。

……件の事故に関して。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺は、もちろん、聞くつもりだった。一緒に背負うつもりで、ここに来た。
ただ、迷いはあるし、言ってしまえば、大義があったもんじゃない。これは、個人の我儘によるものだからだ。もっと言えば、自己満足だ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………あの、一つ、よろしいでしょうか」

[メイン] 星住美沙 : 「うんうん、どうしたのかい?この老婆に聞きたい事があれば何でも教えておくれよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺はただ、当たり前のことを聞く、ただそれだけだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「叶奈さんと、理奈さんって」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「双子ですよね」

[メイン] 星住美沙 : 「…………?」

[メイン] 星住美沙 : 「叶奈はそうだが……理奈、っていうのは誰だい?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……………へ?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────は?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……いや、いやいや、美沙ちゃん美沙ちゃん、何言ってるんだ。え、これは、俺、試されてるとか、そういう?それともドッキリを仕掛けてるとか、そういう……。

[メイン] 星住美沙 : 「あの家は二人だけ。叶奈と、母方のお祖母さん……
 雨知和江さんしか住んでいないはずだよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「い、いや、だって、でも美沙さん、昨日、いたじゃないですか!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「理奈さんと一緒に!?」

[メイン] 星住美沙 : 「…………?」

[メイン] 星住美沙 : 「あの子が叶奈ちゃんだろう?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : からかうのも、いい加減にして─────。

─────は?

[メイン] 星住美沙 : 星住美沙は、眉をひそめて戸惑うような顔を君に向ける。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : なん、だ、この、ぞわっとする、感覚。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……分からない、全く、分からない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 美沙さんは、これ、間違いない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : "本当のこと"を、言っている。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 冗談でもなく、真剣に、当たり前のことを、向こうは喋っている、ただそれだけ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : だからこそ、乖離が起こる。歪んでいる、認知が。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺が見ている景色が、途端に、何もかもが信じられなくなってしまいそうな、そんな感情に、飲み込まれそうになっていく。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────す、すみません!また、そのっ!お邪魔させてもらっても、いいでしょうか!?」

[メイン] 星住美沙 : 「…………待った」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「っっ………!!!」

[メイン] 星住美沙 : 「如月くん。私は確かに理奈という子は知らない。
 ……だが、もしかすれば、君が抱えてる謎を解決するかもしれない……
 それを、私は知っているとすれば、どうする?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………………!」
その言葉に目を大きく見開き、そして、冷や汗が滲む。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ごくりと、大唾を飲みこむ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………何を、したらよろしいでしょうか?」

なんでもいい、藁でもいい、なんだったら小さな窪み程度でもいい、俺は突き止めたい、知りたい、この霧がかった、晴れない胸を、頭の中に着いた露を全部、拭いたい。

[メイン] 星住美沙 : 「……ありがとう。少し言いづらい話題だ、ちょっとだけ離れるよ」

[メイン] 星住美沙 : と言い、玄関から少し離れた空き地に移動しながら。

[メイン] 星住美沙 : 「君は……叶奈の父母がなくなった事故のことを知っているかい?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : その後に続く、真剣な面持ちで、そして、その道中で改めて、覚悟を切り替えて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………はい、すみません、勝手に……調べさせていただきました」

[メイン] 星住美沙 : 「いいのさ。気になる事なら止めはしないよ」

[メイン] 星住美沙 : 「さて、それなら話が早い。
 ……実は私、巌は事故を起こしたんじゃなく、自ら飛び降りたんじゃなかって……そう思ってる。あれは一家心中だったんじゃないか、ってね。」

[メイン] 星住美沙 : 美沙は振り向き、如月へと目を向ける。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 眉を顰める。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……何故、そう思うんです?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 気持ちのいい話題ではない、そして、根も葉もない、人の心の無い噂話だ、一家心中っていうのは。
それを、そう思うんだというからには、きっと、それ相応の根拠があるはずだ。

……俺は、美沙さんと、そこいらの噂好きの連中と一緒くたには、したくない。

[メイン] 星住美沙 : 「そうさね……親の勘だ、って言ったら君は笑うかい?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……………………」

………そうだ。そりゃ、そうだ。赤の他人なんかよりも、親の愛情の方が、大きい、それは誰にでも分かることだ。
親がそう感じるというのなら、俺に口出すすることは、何一つない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……笑いませんよ、僕は」

[メイン] 星住美沙 : 「巌……叶奈の父親だね。あの子が事故を起こした場所は、どう考えても自然に起きる場所じゃない。それも確証に至るものじゃないけどね」

[メイン] 星住美沙 : 「……ふふ、優しいね。君は」

[メイン] 星住美沙 : にこりと笑い。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : その言葉に、絆されたのか、雨露の表情も緩みつつ。

[メイン] 星住美沙 : 「なんで巌がそんなことをしたのか。理由に心当たりはない。でも、もし理由があるとしたら……それはあの家に眠っているかもしれない」

[メイン] 星住美沙 : 「ねえ、如月くん。もし雨地さんの家で、巌と静香さんの死の真相……その手掛かりを見つけたら、私に教えてほしい」

[メイン] 星住美沙 : 「巌が自ら命を絶ったということは、何かしらのメッセージが残されてるかもしれない……それがもし、持ち運べる形であったのなら……持ってきてほしいんだ」

[メイン] 星住美沙 : 「無茶なお願いなのはわかってる……でももし、見つけたら教えてくれないかい?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 目を閉じる。それは、その願いは、きっと─────美沙さんの、親としての、最後の願い。
自分の子どもが、何故死んでしまったのか、その理由が分からないことには、安眠することすらも敵わない。
悔いだ。無念だ。そして、呪いだ。今もなお、きっと美沙さんの精神にそれらは蝕み続けているんだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………分かりました、任せてください」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「それと、僕からも一つ、よろしいでしょうか」

[メイン] 星住美沙 : 「……まぁ。ふふ、ありがとうね。
 おばあちゃんに優しくする男はモテるよ!
 なにかな、如月くん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「まだ人生経験の甘い僕の、青臭い感想でしかありません」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : おばあちゃんに優しくする男はモテるよという言葉に、あはは……と、困り眉で、小さく笑いながらも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……自分の子どもと、ずっとこうして、別れも、向き合い続けている美沙さんは」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「いい母親なんだなって、そう思っただけです」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「そして、真相を知っても、美沙さんは……叶奈さんのことを、見守り続けてくれる、そういう人なんだなと、こうしてお話をして、勝手ながらも、分かりました」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……これからも、長生きしてくださいね」
にこりと、そう告げた。

[メイン] 星住美沙 : 「…………!」

[メイン] 星住美沙 : 「ふふふ、なんだい……!
 随分と嬉しいことを言ってくれるじゃないか!」

[メイン] 星住美沙 : 「まだまだ、君みたいな若い子がいるから人生って言うのは面白いねぇ〜!」

[メイン] 星住美沙 : バシバシと如月の方を叩きながらも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ぐえっ!ぐえっ!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 叩かれて音の鳴るターキー人形みたいになる。

[メイン] 星住美沙 : 「ああ、もちろん。
 君と……それと叶奈のことを見守るまでは死ねないからねぇ!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ふふ、そうこなくちゃ」
小さく、ジョーロは笑うのだった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 胸中は、温かかった。それで、十分だ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そして、美沙さんに礼を告げるために、頭を少し下げた後。
俺は、向かうのだった。曰く付きの、いや、そんなことを言ったら、可哀想だ。
……真相を探す、もちろん、それは約束だ。果たさなくちゃいけない。
それはそうと、俺は、別に、何か疑惑があるからって。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 理奈さんを疑うことは、予定にはないね。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 騙されやすい?結構じゃないか。
俺は、疑い合う人間関係よりも、信頼し合う関係の方が好きなんでね。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そして俺は、改めて、インターホンを押した。

[メイン] GM : 雨地の家のインターホンを鳴らすと、まもなくして扉を開錠する音が聞こえる。

[メイン] GM : まずは引き戸がわずかに開き、その後、大きく開かれた。
そこには、星住理奈が立っていた。

[メイン] 星住 理奈 : 「如月さん!こんにちは!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「遊びに来ちゃいました」
にこりと笑う。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「特に、何か大きな用事があるというわけでもないんだけど ……いいかな?」

[メイン] 星住 理奈 : 「はい!どうぞどうぞ!」

[メイン] 星住 理奈 : 理奈は快く君を迎え入れてくれる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : あはは、相変わらず毒気の無い人というか、本当に、心が洗われる人だ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : お邪魔しますと告げ、中に入って。

……少し、言いにくいなと思い、表情に、余計な力が入ってしまいながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……………」

……うん、言いにくい。とても、言いにくいよ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……理奈さん、その、先に、謝らなくちゃいけないことがあるんだ」

[メイン] 星住 理奈 : 理奈は鼻歌を歌いながら、如月を向かいれる。
昨日の、和室①に君を通すだろう。

[メイン] 星住 理奈 : 「えっ、謝らなきゃいけないこと……ですか?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 申し訳無さそうな顔で、まるで、罪人のような顔で、頷く。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………勝手に、調べちゃいました、理奈さんの、一家の、こと」
眉を下げて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……お線香、上げてもよろしいでしょうか」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「昨日は、できなかったので………」

[メイン] 星住 理奈 : 「あ…………」

[メイン] 星住 理奈 : 「……そうでしたか。……わかりました、如月さんがよろしければ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 本当に、すみません、勝手に。と、頭を深々と下げる。

[メイン] 星住 理奈 : 「……いえ。むしろ、そう言って下さるのは嬉しいです
 父も母もきっと、喜んでくれるでしょうから」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……………」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 正直言って、辛い。本当に。
……気を遣ってくれているのが、伝わる。もういっそのこと、罵られた方が、俺も気が晴れやかになるというものだ。

[メイン] 星住 理奈 : 仏壇の前を整理し、ふたつ並んだ座布団のひとつに座る。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : もう少し、いいやり方というか、賢いやり方というか、そういうのをちゃんと考えてからやればいいのに。俺の頭じゃ、スマートなものなんて、編み出されることはない。どんなに検討を重ねたって。検討を重ねたという行為が連なるだけなんだ。平々凡々な男ってのは、そんなものなんだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……失礼します」
隣の座布団に、正座をする。

[メイン] 星住 理奈 : 「……父と母はあまり交流が多い方ではありませんでした。
 こうして線香を上げに来る人もごく僅かで……」

[メイン] 星住 理奈 : 「だから……如月さんがどんな経緯であれ。
 事故について知って、こうして線香を上げに来てくれたのは……嬉しいんです」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……理奈さん……」

[メイン] 星住 理奈 : 「ふふ、本当ですよ?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……世辞でも、無いみたいだ。
本当に、この人というのは、無垢で、穢れも、何も知らなさそうで。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ………ああ、いいなぁ。

……素直に、俺は、そう思った。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : つられて、罪が許されたように、ジョーロもくすりと笑って。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……ありがとうございます、理奈さん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……そして、お父様、お母様、不躾ながらも、お邪魔させていただいております、如月 雨露、と言います ……どうか、安らかに、ご冥福をお祈り申し上げます」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : マッチを使い、火を点けると、仏壇に添えられてあった蝋燭にそれを渡す。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そして、線香を一つ手に取り、蝋燭の炎へそれ、その先が赤くなるまで、暫し付けたまま。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 白い煙が上がった頃に、息ではなく、手を使って、蝋燭の炎を消すと、香炉へと、そっと添えるように、立てる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 目を閉じ、そしてゆっくりと、手を合わせ、黙祷。

[メイン] 星住 理奈 : 「お父さん、お母さん。
 ……如月くんはとってもいい人で、こんな私の所に遊びに来てくれるんだよ。」

[メイン] 星住 理奈 : そうして、写真に写った二人に微笑みながら。
如月と同じ要領で黙祷を捧げる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……理奈さん……。

……うん、そうだよ。理奈さんは……ちゃんと、この一家の、一員だよ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 家族だよ。そして、双子の姉だよ。間違いない。
たとえ、世界が否定しようが、俺が認める。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 黙祷を終えると、ゆっくりと立ち上がり。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……ふふ、理奈さんだって、とてもいい人じゃないですか」
にこりと、微笑んだ。

[メイン] 星住 理奈 : 「そんなことありませんよ。
 私は何も知らないだけですから……っ」

[メイン] 星住 理奈 : 「……あの、すみません……ちょっと……」

[メイン] 星住 理奈 : にこやかに、笑顔で話していた理奈の顔色が悪くなり、和室①を後にする。

[メイン] 星住 理奈 : 廊下側の扉から出たので、君はお手洗いだと思うだろう。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「えっ?り、理奈さん……!?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 心配になり、声を掛けたが、体が弱いというのは、知っていたというのもあり、薬を取りに行ったという可能性もあり、止めるのは逆に、理奈さんの体に負担をかけることになると感じ、追うのを辞めた。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………ふぅ~む」
さて、俺はまたこの部屋に取り残されたわけで、そして、だ……。

……美沙さんに言われたこと、理奈さんの家族が、どうして……"事故"で、亡くならなければならなかったのか。
その手がかりを、俺は、探さなくちゃいけない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……気は滅入るけど、やるしかないか。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 重たい腰を起こして、ジョーロは行動に出ることにした。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : では三度目の正直です、改めて和室を目星しようと思います。

[メイン] GM : どうぞ

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : CCB<=80 目星 (1D100<=80) > 57 > 成功

[メイン] GM : では、君は家具の上にある写真立てが目に留まる。

[メイン] GM : それは、二枚の写真だった。
小さい頃の星住叶奈と思われる少女。
その少女と両親が写っている写真。そして、もう一枚は少女と星住美沙が写っている写真だった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「これは─────」

………叶奈さんが、幸せそうにしている写真。家族の愛の象徴。この先、ずっと消えることの無い、思い出。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : あれ………。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────そこには、理奈さんの姿が、無かった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………………………」
冷や汗がまた、滲んでいく。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ………そんなわけがない、だって、そうだろ。
亡くなった両親に対し、あれだけ、真摯に黙祷を捧げて……!
……そうだよ、ちゃんと、理奈さんは……娘だよ……この一家の……!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 現実は、ジョーロの考えを否定するばかりだった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………………」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 時間ばかりが、過ぎていく。室内に飾られている時計の針が進む音だけが、聞こえる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………り、理奈さん……遅いな、大丈夫……かな」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : まだ戻ってこない理奈を心配して、ジョーロは、少し罪悪感に気圧されながらも、和室①の扉を開けて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「理奈さ~~~~ん……?大丈夫ですか~~~~?」
声を掛けてみる。

[メイン] GM : 返事がない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……………………」

これは、いよいよ、心配が勝ってきた。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : もしかしたら、どこかで倒れているのかもしれない。
そう思った俺は、もう、礼儀だとか、常識だとかは、かなぐり捨てることにした。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 体が勝手に動いていた、というのが正しい。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「り、理奈さん……!?」
まず、和室①のすぐ近くにある、WCの扉をノックする。

[メイン] GM : 「っ……だいじょうぶ、ですから……」

[メイン] GM : という声が聞こえる。

[メイン] GM : 君は聞き耳を振ってもいい。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!111

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : それ変態じゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

[メイン] GM : 振らなくてもいいよ

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 勝手に聞き耳を1/2にしていいですか?

[メイン] GM : いっすよ

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : やらなくてもいいっぽいので、やりません、やらない

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「す、すみません……!!!え、えっと、えっと……もしも何かありましたら、すぐに言ってくださいね!?!?ど、どうしよう、あっ!く、薬とか、必要でしたら、言ってください!すぐに取りに行きますから!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そう言い、せかせかとジョーロは、WCの扉から離れて行った。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : これ以上は、理奈さんの尊厳を守るためにも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そして、待っているだけというのも、自分が許せない、そう思ってしまうのが、ジョーロという少年の性というものでもあり。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 何かあった際の、応急措置のようなものがあればと、家の中を移動するのだった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : まずは、次に廊下を進んで見つかった扉、洗面所の扉を開く。

[メイン] GM : いたって普通の洗面所だ。
タオルや洗い場など、各種必要なものが置かれている。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : タオルだけ持っていく。理奈さんに何かあった際に、必要になるかもしれないから。もちろん持って帰ることはしない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あとは……他には……!?」
廊下を駆けて、今度は、物置の扉を開く。

[メイン] GM : 衣装ケース、調度品、籠、日本人形等、様々な物が目に入る。
障子紙等、障子の張替えに必要な道具もある。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : いっけ~!目星!

[メイン] GM : どうぞ

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : CCB<=80 目星 (1D100<=80) > 95 > 失敗

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : GM、助けて

[メイン] GM : 🌈

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : シナリオが進まなくなるぞぉ~~~~~~!!!!!!!

[メイン] GM : まぁここは仕方ない

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : うわ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

[メイン] GM : 写真たてのところ、あそこは何度も見たので
あの時の目星成功分をこちらにするということで

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ありがたいだろありがたいだろありがたいだろありがたいだろありがたいだろ

[メイン] GM : では……

[メイン] GM : 如月は「母さんへ」と書かれた遺書を見つける。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────っ!!!」

[メイン] GM : ではここで、アイデアロールどうぞ

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : CCB<=55 アイデア (1D100<=55) > 74 > 失敗

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 平均値ステこのやろ~~~~

[メイン] GM : はい。何も気づきません

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : マジでなんもできねぇな俺、だからヒロインとのフラグがいつもバキバキに折れていくんだ

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……これは、美沙さんが、探していた…… ……もしかしたら、あの事故…… ………いや……これ、は」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ………遺書。これは、遺書と捉えるべき手紙。
ジョーロは、そう感じるとものが、あった。
直感や、霊感や、そういったものに長けているというわけではない、が。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : この手紙には、自分の母親へ告げる、最後の、想いが詰まっている。
……そう、感じざるを得なかった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : もちろん、中身は見ていないし、この場で見る気も起きない。
………美沙さんに渡してからではないと。
これを一番に読まなくてはいけないのは、部外者である俺じゃ、ダメなんだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………心中……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 本当に、この一家は、心中に手を出したのだろうか。

……それを裏付けるものが現れて、ジョーロの心は素直に沈みこんでいた。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 遺書を、丁重に、自分のポケットへと入れる。皴の一つも許さないように。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そしてジョーロは、他の部屋にも向かい、水や、応急手当キットに、患部を冷やすためのアイス等を用意し、元の部屋で、理奈を待つこととした。

[メイン] GM : ではあなたがちょうど、用意しようとしたところで理奈とばったり出会う。

[メイン] 星住 理奈 : ふらふらとした足取りだったが、先ほどまでの顔色の悪さはない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────!!理奈さん!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : すぐに駆け寄って。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「大丈夫ですか!?すみません、家の中を少し漁ってしまいましたが、こちら水です……!それと、汗を拭くためのタオルも……!」

[メイン] 星住 理奈 : 「あ……ありがとうございます!
 でも、大丈夫です!ちょっとフラッとしただけで……もう落ち着きました。」

[メイン] 星住 理奈 : とはいえ……水を受け取り、くぴり、と口に付けながらも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ふぅ……それなら、良かったです…… ……その、本当に辛かったら、僕のこと、頼ってくださいね?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……僕、これでも、その理奈さんの…… ……友達に、なれていると、そう思っているので、そして、友達というのは……助け合うもの、そうですよね?」

[メイン] 星住 理奈 : 「…………! ……如月さん……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────ああ、ヘタレな俺だ。
ええい、ここで、理奈さんのことが気になっているんですくらい言えたらどれだけ良かったことやら、もう今こうして振り返っても、後の祭りだ、ワッショイワッショイだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : トホホ、でも、友達なのは、きっと本当のこと、俺は、そうであってほしいな。

[メイン] 星住 理奈 : 友だち、という言葉に……目を見開いて。
嬉しそうに微笑みながらも、どこかぎこちなく。

[メイン] 星住 理奈 : 「……それじゃあ。……変な事……聞いても、いいですか?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────?変なこと、ですか?」
小首を傾げながらも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あはは、全然いいですよ?今ならもう僕、理奈さんのことだったら、なんだって答えちゃうかもしれませんよ、なんだったら、銀行の暗証番号まで」
気休めに、場を和ませるための冗談を交えながら。

[メイン] 星住 理奈 : こくりと頷いて。

[メイン] 星住 理奈 : 「も、もう……!そんなこと言って……使っちゃいますよ!」

[メイン] 星住 理奈 : といい、微笑むも。
如月の顔をしっかりと見据えて、目をじっと見つめる。

[メイン] 星住 理奈 : 「……如月さん。もし、もしもの話です」

[メイン] 星住 理奈 : 「如月さんが、どうしようもない呪いにかかったとします」

[メイン] 星住 理奈 : 「自分が生きている限り、その呪いは……周りの人たちの命を奪っていく」

[メイン] 星住 理奈 : 「……次々と、自分のせいで死んでしまう。
 ……もし、そうなったら如月さんは、どうしますか?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……………なんだか、嫌な呪い、ですね」
困ったような顔で。

[メイン] 星住 理奈 : 彼女の言葉は、冗談を言っている風には聞こえないだろう。

[メイン] 星住 理奈 : こくりと。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「う~~ん、そうですね…… ……いやぁ、とても、難しい問いですよ、それ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………自分のせいで、周りを不幸にさせていってしまう、もう、そんな状況になっちゃったら、僕は、少なくとも正気ではいられないですし」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「何よりも、自己嫌悪が、さらに増しちゃうことでしょうね」
困ったように笑って、肩を竦めながらも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……おっと、これは、感想ですね、なので、理奈さんの質問の答えにはなってない ……なので、そうですね……」

[メイン] 星住 理奈 : 「…………」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「僕がもしも、不幸を振り撒く存在になってしまって、僕が死んだ方が、周りが幸せになるのだとしたら」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────命を絶つべきか、否か、ということですね?」

[メイン] 星住 理奈 : どこか、何かを諦めたかのような。
ぼぉっと、火の点らない瞳を向ける。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「嫌に決まってるでしょ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「いや、普通に考えて」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「死にたくないでしょ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「僕は、僕のことがそんなに好きじゃないですけど」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「でも、自分の命を簡単に手放すくらい、世に絶望なんか、しちゃいませんし」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「なので、僕がやることは」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────その呪いを解く方法を、死ぬまで、たとえ世界に恨まれようとも」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「藻掻いて、足掻いて」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「探し出す、必ず」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………なんて、これ、答えになってますかね……?」

[メイン] 星住 理奈 : 「…………自分のせいで、家族や、友人が……死んでいく羽目になっても、ですか?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 気難しそうに、頭を掻き、眉を顰めながらも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「違います」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「"自分"のせいなんかじゃありません」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「それは」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────"呪い"のせいです」
ハッキリと、そう断言した。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「第一、僕はそんな、性格悪そうな人間が考えた、悪い神様が考えたようなお遊戯に付き合いたくないですね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「そんなものに振り回されるくらいなら」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「僕は神の頬をブン殴りにでも行きますね」

[メイン] 星住 理奈 : 「………………」

[メイン] 星住 理奈 : ふっ、と微かに笑う。

[メイン] 星住 理奈 : 「……如月さんは、強いんですね。
 私には出来そうにないことを、平然と口に出せる」

[メイン] 星住 理奈 : 「でも、私には……できないんです。だから」

[メイン] 星住 理奈 : 如月の手を取り、両手で握る。

[メイン] 星住 理奈 : 「その時は、どうか────」

[メイン] 星住 理奈 :  

[メイン] 星住 理奈 : 「私を殺してください」

[メイン] 星住 理奈 :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「断ります」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺は、そう返した。即答した。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 真っ直ぐな瞳で、理奈さんを見つめて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 理奈さんの手を、強く握り返して。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 離れさせないように、しっかりと、握って。

[メイン] 星住 理奈 : 「…………如月、さん……」

[メイン] 星住 理奈 : ハッと、理奈はその言葉に我に返ったかのように。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………理奈さん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「僕は、なんていうか、その、出来た人間じゃ、ないんです」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ヒーローでも、なんでもないんです」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「割り切れませんよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……こんなにも、優しくて、誰よりも、健気で、頑張り屋さんで、一生懸命で」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……そんな理奈さんが、破滅で終わる物語が、もしもあるんだとしたら」

俺は、なんだかおかしい、熱がこもっている。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 頑固になっている。意固地になっている。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「気分が悪くなります」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「一生寝込みます」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………それに、理奈さん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……理奈さんは─────」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………死にたいのですか?」

その瞳を、覗き込むように。

[メイン] 星住 理奈 : 「……………」

[メイン] 星住 理奈 : 「…………どう、でしょう、ね……」

[メイン] 星住 理奈 : きゅっと唇を結び、どちらとも言えない答えを零す。
彼女の生きたいという問いに対する答えは、それだった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────選ばせるのは、酷だ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そう感じた。俺の中にいる俺が、そう囁いた。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : だから、俺がやった行動は、これだった。

[メイン] 星住 理奈 : 「……ご、ごめんなさい……変な事を聞いてしまって……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : その言葉に、首を振って。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そして、徐々に、その頭を下げた。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……………では、こうします」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「理奈さん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────死なないでください」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「お願いします」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺のせいにしろ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : もしも、呪いでも、なんでも、周りを苦しめる何かを、もしも持っているんだとするなら。

だとするんだったら、それは全部、理奈さんが背負うものなんかじゃない。

俺のせいにしろ。

[メイン] 星住 理奈 : 「如月さん────……」

[メイン] 星住 理奈 : 「……ごめんなさい。やっぱり、すぐには答えられないかもしれません。
 でも……」

[メイン] 星住 理奈 : 「……考えて、みます」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 顔を、ゆっくりと上げて、今の俺は、一体、どんな顔をしているんだろう。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……きっと、かっこつけようとして、でも、気分が今、すげえ悪くなってて、多分、情けない顔に、なってるんだろうなぁ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………ありがとうございます、理奈さん」

にこりと、微笑んだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……理奈さんは、とても、優しい方ですから」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「やっぱり、俺なんかじゃ、もしかしたら、釣り合わないかもしれませんね、でも、これだけは、言わせてください」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────"事故"で家族を亡くされても、姉妹でここまで生き続けて、そして、絶望にへこたれず、真っ直ぐと、前を向き続けようとしていて」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「本当に」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ここまで………よく、頑張りましたね」

にこりと、微笑んだ。表情筋に、無駄に力が入ったまま。

[メイン] 星住 理奈 : 「……っ……!!」

[メイン] 星住 理奈 : じわりと、奥からこみ上げるものを必死に抑えて。

[メイン] 星住 理奈 : 「……ありがとう、ございま、ず……っ……!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ああ、やばいな、俺も、なんか、視界がさ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ぼやけて、きてるんだわ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 誤魔化すように、目を閉じて、微笑んで。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 理奈さんの頭を、撫でた。きざったらしいね、本当にね。
それで誤魔化さないといけないくらい、ちょっと今、情でさ、ぐっと来ちゃって。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺には、何の事情もさ、分からないけどさ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ………俺の想像を超えるような、大きいものを、理奈さんはさ、背負ってきたんだ。いくら鈍感な俺でも、分かるよ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : じゃあさ、それならさ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 誰かが、労わってあげないと。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : だめじゃん。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……理奈さん、今くらい、いいんですよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「もう、いっぱい、泣いちゃいましょ」
鼻声で、そう提案した。俺のことがバレちゃわないように。

[メイン] 星住 理奈 : 「……ぅ、ぅう…………うあ、ひっ、ぐっ……!!」

[メイン] 星住 理奈 : 「ぅ、ぁああ…………!ひっ、っく……あ、ぁああぁっ………!!!」

[メイン] 星住 理奈 : 「うぅああああ……!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……今なら、抱き締めても、いいかな?

いいよね、だって、そうしたくなっちゃったんだもん。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ぎゅっと、理奈さんを抱擁した。強すぎず、包み込むように。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 背中を、とん、とん、と叩いて。あやすように。

[メイン] 星住 理奈 : 「……っ…………」

[メイン] 星住 理奈 : 「暖かい、です……とっても…………」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────理奈さんも、ですよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「同じ、血の通っている、人間です」

[メイン] 星住 理奈 : じんわりと、体の底から。そして、表まで。
ずっと、温まる心地がする。

[メイン] 星住 理奈 : 「……そう、ですね……言われたら、そのはずなのに」

[メイン] 星住 理奈 : 「……不思議と、今は……それが、心地いいです……」

[メイン] 星住 理奈 : ずっ、ずっ、と……涙声になりながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………ふふ、僕もです」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……気が済むまで、存分に、ね、今日は、甘えちゃいましょう」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「僕も役得なので」
涙を誤魔化すように、冗談を一つ交えて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 鼻が、ツーンって、来るなぁ、ほんと。

[メイン] 星住 理奈 : 「あは、はっ…………ふふ、それなら……私も……同じ、ですっ……」

[メイン] 星住 理奈 : 涙で顔がぐずぐずになりながらも、如月に笑いかけて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────ああ、やっぱり、可愛いなぁ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 素直に、心から、そう思う、ジョーロだった。

男は、女の涙に、とーっても、弱いのだ。

[メイン] GM : 君たちは、お互いの熱を確かめあった。
きっとそれは、明日になっても明後日になっても、いつまでも残るものであると。

[メイン] GM : そう思いながら、時間は過ぎていく。

[メイン] GM :

[メイン] GM :

[メイン] GM :

[メイン] GM : 如月雨露は人気のない道に出た。日はとっくに落ちている。

[メイン] GM : 暗く、寒い、静かな12月の夜。

[メイン] GM : 故に、その音は自然と耳に入ってきた。

[メイン] GM : 風で枝葉が揺れ、擦れる音。それにしては大きい。

[メイン] GM : いや、そもそも風は吹いていなかった。
これは何かが、草木をかき分ける音だ。

[メイン] GM : 視線を感じる。
身の毛立つ、嫌な視線。うしろ。
それらは全て、背後から感じ取れる感覚だった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────っ……!?」
ぞわりと、悪寒を抱き、すぐに振り向く。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : もう、すぐ後ろにいるかのような錯覚を覚えるくらいの、気持ち悪さを感じた。

[メイン] GM : 振り向くとそこには。巨大な蜘蛛がいた。

[メイン] GM : 紫色を帯びた黒い体、光沢は緑色を呈し、シルエットが不気味に浮かび上がる。
膨らんだ腹部が蠢き、朱色の複眼は確実に君たちを捉えていた。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「なっ……!?あ……な……なん、だ……こ、れっ………」

[メイン] GM : そのグロテスクな怪物の大きさは人と同程度。

[メイン] GM : しかし、君の恐怖心を煽っているモノの正体は、その外観だけではなかった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 特撮、か、何か、か、い、や、質感、やばい、めっちゃ、リアル。

[メイン] GM : 狡知。
目の前の異形は『人気のない道を選び、障害なく獲物をしとめる』という才知がある。

[メイン] GM : それを現状が物語っていた。
明確な殺意が、節足動物独特の動きで迫ってくる。

[メイン] GM : カサカサカカサ、と、忍び寄ってくる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ひっっ!?!?!」

[メイン] GM : 【正気度ロール:0/1d3】

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 1D100<=55 正気度ロール (1D100<=55) > 17 > 成功

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : やばい、やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────死にたくない。

いや、ここで、死んで、たまるか。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺の精神を蝕んだ狂気はオーバーフローし、逆に落ち着かせた。
別に俺は、少年漫画の主人公みたいに、逆境に対し燃えるマゾ魂を持ってるわけでなければ、守りたい者を守るために奮起する立派な精神を持っているわけでもない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ただ単に、死にたくない。

……理奈さんのこともある、ここでくたばったら、何もかもがおしまい。
理奈さんを独りぼっちにさせることが、恐ろしく思うし。
あとやっぱ、普通に、死にたくないし!

[メイン] GM : 戦闘開始です

[メイン] 蜘蛛の怪物 : S1d100<=40 噛みつき (1D100<=40) > 51 > 失敗

[メイン] 蜘蛛の怪物 : 蜘蛛は君めがけて大きく近づき、口を大きく開いたが────
それが届くことはなかった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ひぃいいぃっ!?!く、食われてたまるかよ!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 逃げまーーーーーす!

[メイン] GM : では怪物とのDEX対抗です

[メイン] GM : 1d100振ってください

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 1d100 (1D100) > 76

[メイン] GM : 失敗ですね

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ぎゃー

[メイン] GM : 如月は足を走らせ、怪物から逃れようともがく。

[メイン] GM : しかし化物はその抵抗をあざ笑うかのように、ピタリと後ろに張り付いている。

[メイン] GM : 2ターン目

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「く、くそっっ!!くそくそくそぉおおっ!?!」

どこに逃げても、逃げても逃げても、あのでっけぇ脚で、すぐに追いつかれる……!!?!

[メイン] 蜘蛛の怪物 : S1d100<=40 噛みつき (1D100<=40) > 35 > 成功

[メイン] GM : 如月は回避を振ってください

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : CCB<=20 回避 (1D100<=20) > 56 > 失敗

[メイン] GM : 2度目はない、といわんばかりだった。

[メイン] GM : 蜘蛛は捉えた獲物へと再度近づき。持ち手の触手が鋭く飛ぶ。

[メイン] GM : 1d3 ダメージ (1D3) > 2

[メイン] system : [ 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) ] HP : 12 → 10

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ぎゃああッッ!?!」

服が裂かれ、腹部が斬られる。真っ赤な血が、道路の、アスファルトに飛び散る。
激痛信号が脳に巡らされる。痛ぇ、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 脂汗がとにかく滲み出まくる。

[メイン] GM : 如月の手番です。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺は足掻くぞ

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : まず、スマホをだな、めっちゃ明るくするぞ、んで、後方に放り投げるぞ!目くらましにも、囮にもなるだろう!?

[メイン] GM : ぴくりと反応しますが、まっすぐ君の方へと向かってきています。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : さらに!今着ている上着も脱ぎ捨ててだな!アイツの目元にブン投げる!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 逃走判定のボーナスくれ!!!!

[メイン] GM : いいでしょう
では+20の補正を掛けておきます

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : よーーーーーーし!!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 1d100 おらぁあ!! (1D100) > 56

[メイン] GM : 追いつかれますね……

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ぎゃ~~~~!!

[メイン] GM : 蜘蛛は、まだまだ近い。

[メイン] GM : 3ターン目

[メイン] 蜘蛛の怪物 : S1d100<=40 噛みつき (1D100<=40) > 4 > 成功

[メイン] GM : ええ?

[メイン] GM : え~

[メイン] GM : まあ、必中にしておこうか……

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : こわい

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺とことんツイてないな????

[メイン] GM : クリティカルが出たので、君は躱せません

[メイン] GM : 1d3 (1D3) > 1

[メイン] system : [ 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) ] HP : 10 → 9

[メイン] 蜘蛛の怪物 : 血の匂いが怪物を引き付けるのだろうか。
2度、傷が刻まれる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ぐっっっ……!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : いっでぇえッッ……!!!なんだよっ、これッ!!こんの……!!!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : よしじゃあGM!!!俺はな!!狭い道を通るぞ!!アイツは図体がでかい!!!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 逃走ボーナス入るだろう!?

[メイン] GM : いいよ

[メイン] GM : +20ボーナスを付ける

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 1d100 どりゃああああああああ!!! (1D100) > 96

[メイン] GM : 🌈

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : マジで腐ってんなぁあ!!

[メイン] GM : じゃあ……回避不可と、ダメージ2倍
どっちがいいですか?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺の回避は死んでるから回避不可でいい!!

[メイン] GM : わかった

[メイン] GM : では4ターン目

[メイン] 蜘蛛の怪物 : 隙間を縫おうとする如月に向けて、刃がまたも飛んでくる。

[メイン] 蜘蛛の怪物 : 1d3 (1D3) > 3

[メイン] 蜘蛛の怪物 :

[メイン] system : [ 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) ] HP : 9 → 6

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : やべ~~~ロストが見える~~~!!

[メイン] GM : では如月の手番

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 逃げる!!!なんかじゃあ!!狭い道も通るし!あともう公園の草木がある場所があったらそこにも突っ込む!俺の匂いを消すためにな!!!

[メイン] GM : +20で……

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 1d100 おらあああ!!! (1D100) > 22

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : どうだ!

[メイン] GM :

[メイン] GM : え~では

[メイン] GM : 如月は、体をズタボロにしながら、自らの匂いを消そうと走る。
何度も何度も身を削り、音がしなくなったことに気づいた頃には、君を追いかける怪物はいなくなったことに気づくだろう。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ぜぇえええぇぇえ!!……ぜええぇええぇえぇっ……!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 汗だく状態、血もひどい、筋肉も悲鳴上げている、頭もガンガンする、持ち物もすっげぇ落としていったし、あとちょっとこうして倒れて、汗が冷えて寒くなったし、なんやかんやで化け物に追われてたってことでもう、精神の方もおかしくなりそうだし。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「なんだよ………これ…………!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 今すぐにでもここから逃げ出した方がいいのは分かっちゃいるが、もう限界だ、体力も底尽きていやがる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 気絶するように、俺は、そこで眠った。寝るじゃねぇ、もうこれは気絶だ。限界だ。平々凡々な男子高生にヒーロー紛いなことをやらせたところで、奇跡の一つや二つ起こるもんじゃない。むしろ、生還できたこと自体が奇跡の産物まであるわ。

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM : 時間は流れていく。
12月23日、今日も変わらずの日常だ。

[メイン] GM : ただ一つ変わったことと言えば、クラスメイトの如月が欠席していることだろう。

[メイン] GM : 彼の友人は心配するかもしれないが、あまり関りのない者はそれぞれの昼休みを謳歌している。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 4限目が終わり昼休み。
各々が食事を摂ったり友人と話したりいろいろやっている。
一方俺はというと…。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : すっげー眠い…。
昨日帰るのが遅くて母ちゃんに怒られて、そのあと所用を済ませていたらもう明け方だった。
見つけた鍵を朝一で星住さんに渡すつもりが、遅刻ギリギリで登校してきて、休み時間は眠くて動けなくて…結局今の時間になってしまった。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…まあいいや。星住さんは…っと」
周囲を見回して彼女の姿を探す。

[メイン] 星住 叶奈 : 日井崎ら仲良し女子グループと共に、いつも通り話をしている。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : ……。
お取り込み中みたいだ。
…そういえば俺と星住さんの関係って噂されてるだけで実際はなにもないんだけど、こういうときに話しかけづらいな…。

[メイン] 日井崎 栄子 : 話の中、日井崎が立ち往生する君の姿を見つけるだろう。

[メイン] 日井崎 栄子 : 彼女はニヤリ、と笑うと。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「ははぁ〜ん? はいはいなるほどね
 ほらほら叶奈、あなたに話ありそうな男子がいるってさ〜?」

[メイン] 日井崎 栄子 : と叶奈の背中を押し、麻中の方へと。

[メイン] 星住 叶奈 : 「ちょっ、急に何!? 私に話があるって誰……」

[メイン] 星住 叶奈 : 「!? あ、麻中くん……こ、こんにちは」

[メイン] 星住 叶奈 : 予想外だったのか、髪の先をくるくると指で回しながら。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : こんにちはって、こんな畏まる人だったっけ?
ぷっ…っと吹き出しそうになるのを堪えながら

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「あっ、うん。こんにちは」
「日井崎さんの言うとおり、ちょっと星住さんに話があって…今いい?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「ん……いいけど、なんの用?」

[メイン] 星住 叶奈 : 叶奈は君の方を向き、何か用なんてあったかな、といった顔で不思議そうにしている。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…これ、昨日帰りに見つけたから」
そう言って布にくるんだ鍵を手渡す。重みで中身がなにかわかる…よな?

[メイン] 星住 叶奈 : 「何よ、こんなに隠して……!?
 えっ、これっ……!」

[メイン] 星住 叶奈 : 「ちょっ!? あんたこれ、どこで手に入れたの!?」

[メイン] 星住 叶奈 : 目を丸くして、驚いている。
当然と言えば当然かもしれない。今日の放課後見つけるはずのそれが、今ここにあったのだから。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…どこでって、いつもの場所でだけど」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : スマホで撮影した不思議な石の写真も見せて
「近くでこんな石も見つけたから、星住さんが転んだって言ってた場所のはず」

[メイン] 星住 叶奈 : そのスマホを見て、こめかみに手を当てる。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……確かに間違いない、間違いないけどさ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「それ、昨日見つからなくって……予定なら今日見つけるはずのヤツよね。
 ……ってことは、あんた……」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……昨日、残ってまでそんなことしてたの?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…いや、普通に帰ってたんだけど、暗かったから俺も石に躓いてさ…その先でたまたま鍵を見つけただけだよ」
嘘は言ってない。降りる方向が違っただけだし。

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……それにしては、やけに今日は眠そうだったじゃない」
ぼそり。小声で呟きつつも。

[メイン] 星住 叶奈 : 「まぁ、その……なに、ありがとね」
鍵をしっかりと握りしめながらも、ちらり。恥ずかしいような、そんな顔で。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : …バレないようにしてたつもりなんだけど…ちょっと気を遣わせてしまったかもしれないな。と思いつつ

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「うん。昨日事情は聞いたからさ、見つかるなら少しでも早い方がいいからね」

[メイン] 星住 叶奈 : 「ふふっ、あんたってば……本当、お人好しだわ」

[メイン] 星住 叶奈 : 薄く微笑みながらも、渡された鍵を強く握り締めて。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「よく言われる」
そう冗談をいいながら、ニコリと笑顔で返して

[メイン] 星住 叶奈 : それにニヤリと笑いながらも……一転。
まっすぐと、麻中を見つめる。

[メイン] 星住 叶奈 : 「そんなお人好しの麻中に聞いておきたいことがあるの」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…?なんでしょうか」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……私は、理奈を助ける。それが例えどんな手段であっても。
 ……あなたは、手伝ってくれるのかしら」

[メイン] 星住 叶奈 : あなたにそう問いかける叶奈の顔は、今までに見た事がないものだろう。
まっすぐ、何かを覚悟するような。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…なんか含みがある言葉に聞こえるけど」
「いいよ。乗りかかった船だし、星住さんが手伝ってくれって言うのなら、俺は手伝うよ」
真っ直ぐに星住さんの方を見つめて

[メイン] 星住 叶奈 : 「……そう。なら、今夜……学校の裏山に来て。
 時間は……21時くらいに」

[メイン] 星住 叶奈 : その目を向けられ、少し顔を背けながらも。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…あっ、でもひとつだけ約束してもらっていい?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……ん、約束? まぁ……聞くだけ聞くわよ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「約束って言うか、言質を取りたいだけなんだけど…手伝うのは構わないけど、それで星住さんが後悔したり、辛い目に遭ったりはしないよね?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………」

[メイン] 星住 叶奈 : 少し、間が空いたが。

[メイン] 星住 叶奈 : 「ええ。そんなこと、起きやしないわ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 今の態度もだけど、昨日の放課後の彼女の様子も少し気になっていた。
だからついそんな言葉が口をついて出てしまったのかもしれない。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「………。わかった」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 今は彼女を信じることにした。

[メイン] 星住 叶奈 : 「ん。……それじゃあ、今日の夜ね」

[メイン] 星住 叶奈 : そう言って、彼女は席に戻っていった。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「うん。それじゃまた今夜」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : そのまま俺も自分の席に戻ろうとしたところ、ふと違和感を覚えた。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : いつも静かに座っている彼の姿が見えない。
如月 雨露…ジョーロくんの姿がないのだ。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : そういえば朝からずっと見てないような気がする。
ジョーロくんが学校に来てないのって珍しいって言うか、初めてでは?

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「あれ?ジョーロくん?今日は来てないの?」
俺はまだ近くにいた日井崎さんに尋ねていた。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「【速報】誰にも隙を見せない星住叶奈の想い相手はなんと意外な……!」
「ん、うん? え~、如月のこと?」

[メイン] 日井崎 栄子 : 日井崎は二人の様子を見て何かを書いていたようだが、パッと懐にしまい君に向き直る。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 待った。今なにを書こうとしてた?…と、のぞき見ようとしたが隠されて見る事ができず。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「……そういや、あいつ来てないね?
 先生も不思議がってたし……なんか、あいつの身に起きてたりして。
 ……縁起でもないか」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「麻中こそなんか聞いてないの?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「うん。ジョーロくん皆勤賞して当然って感じの人なのに…」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「いや、俺はまったくなにも…情報通の日井崎さんの方こそなにか聞いてないの?」

[メイン] 日井崎 栄子 : 首を横に振り。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「……病気にしては連絡が無いし。本当に何してんのかね」

[メイン] 日井崎 栄子 : 少し眉をひそめながらも。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 日井崎さんも知らないとか…よっぽどのことなんだろうか
あの普通を絵に描いたようなジョーロくんだから余計に不安になってくる。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : …と不安になっても、今ジョーロくんがどこでなにをしてるか俺にはわからない。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「日井崎さん、なにかジョーロくんの情報を得たなら俺にも教えてもらっていい?俺もジョーロくん見かけたらなにしてたか聞いてみるからさ」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「またそんな……私だって何もかも知ってるわけじゃないからあんまり期待しないでね?
 まー、善処は尽くしてみせるけどね」

[メイン] 日井崎 栄子 : 手をヒラヒラとさせて。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「うん。ありがとう」
日井崎さんにお礼を言って別れ、今度こそ自分の席へと戻る。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 少しだけ、ほんの少しだけの変化。
星住さんとのこと、姿を現さないジョーロくん…それだけなのに、胸がざわつく。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : ……大丈夫、だよな?
昼休みが終わるまで仮眠をとろうと、不安を紛らわすように机に突っ伏して

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : ぜんぜん眠れないまま、昼休みを終えるチャイムが鳴り響くのだった。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : えー、俺です。如月 雨露です。ただの男子高校生です。
ひょんなことで、異能を持ったヒロインと出会うとか、トラック事故に巻き込まれて、異世界転生を果たし、そして生還してきたとか、そんな経歴こそないんですけど。

死に掛けました。てか、今も俺は、あの時の出来事が、夢なんじゃねぇのかなって思ってたりするんですけど。横腹の激痛が、物語ってるんですよ。あれは、夢でもなんでもない、現実に起こったものなんだと。

俺は冒頭で願った。何か、起こらないかなって。

そんなの、学生が誰しもが思うことじゃないか。そうだろ?退屈な日常を抜け出してさ、刺激的な日々に巻き込まれ、そんな中で、苦難を乗り越え、まるで主人公のように、誰しもが目を向けるような、そんな存在になりたいって。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : だけど、現実はそんなことは起こらないんだ。
テロリストが学校に襲来してきて、反抗の意志を少しでも見せたら、即射殺がオチだ。1人くらいなら締め落とせるかななんて、そんな甘い考えは通用しないんだ。

俺は、ちっぽけな、非力な、ガキなんだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………はぁ……」

今もなお、ジンジンと痛む横腹を擦りながら、俺は今、白いベッドの上にいた。
あれから俺は、近隣住民の通報によって、近くの病院へ搬送された。
落としたスマホやら何やらも、無事俺の手元に戻ってきた。治安の良い日本に生まれて、心から良かったと思えた瞬間でもあった。

それはそうと、俺は、安全な場所にいるものなんだと思っていた。無敵だと思っていた。
……それがさ、まさかさ、あんなことに、なるなんてな。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ………一体、何がどうなっているんだ?

悪い考えばかりが、俺の頭の中に浮かび上がっていく。
根拠なんてものは何も無い、それでもバイアスは生まれるってもんなんだ。

…………理奈さんの話を、俺は再び、脳裏に過らせた。
生きているだけで、周りに不幸を呼ぶとしたら、という話だ。

…………………なるほど、もしも、万が一それが本当だとしたら。

これは………。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :

怖い。


[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺は、素直に、そう思った。

怖くて、怖くて、仕方ない。今も手が少し、震えてる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………………………」

怖いな、死にたくないな、いや、あの時も言ったけど、普通に、死ぬとか、嫌だし。

……けどさ、いや、けどさ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────見たくねぇよな、理奈さんの、悲しむ顔は。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : この件は、内緒にしとこ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺が入院したことを知っているのは、両親だけだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : この病室にはもう、あの二人しか訪れることもない。
よほどの情報通でなければな。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……今はただ、体力を取り戻そう、自然治癒能力を高めるためには、寝るっきゃないもんな、眠くないけど、さっきまで気絶するように寝てたからな……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 目を閉じ、ぶつぶつと呟いていると─────。

病室の扉の向こうから、歩いてくる音が聞こえる。

両親とは、もう既に面会済みだ、なんか、忘れもんでもあったのかな。

ふと、なんとなしに、そちらへ目を向ける。

[メイン] GM : ノックが数回される。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「母さん?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そう呼びかける。体は起こさないまま。痛いし。

[メイン] GM : そして「はっはっは!デートをしに来たんだよ、如月くん!」と快活な声が聞こえてくるだろう。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「!?!?!?」

その声には、聞き覚えがあったッ!!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ガバッ! 痛みに反して、少年の半身は起き上がった。
あまりにも驚き過ぎて、身体が無条件に反応してしまったのだろう。
ベルを鳴らしたらヨダレが垂れてしまうように調教された犬の如く。いや、あれとは違うか。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ま、まさか……!?」

[メイン] GM : その声と共に、ガチャリと扉が開いて。

[メイン] 星住美沙 : 「そのまさかだよ、如月くん!」

[メイン] 星住美沙 : と、星住美沙が現れる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「み、み、美沙さん~~~~~~~~~~~~~~~!?!?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ビックリしすぎて、目が飛び出てしまいそうだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………あ、あはは、まさか、はは……お見舞いに、来てくださったなんて」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「もしかして……始めに僕を見つけてくださったの、美沙さん……だったり?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 近隣住民による通報で、搬送された、ということは知っている。
でも、その人が誰なのかまでは知らない。
その人は命の恩人だ。礼を告げられていないことに、俺は正直、靄がかかっていたのだが。

[メイン] 星住美沙 : 「ふっふっふ、どうだろうねえ。
 呼んだのは誰であれ、意識あるのは君が持ちこたえたからだからね」

[メイン] 星住美沙 : 何て笑いながらも「入ってもいいかい?」と尋ねる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………はは、本当に、フランクな方ですよ、全く」
自然と、笑みが漏れながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ええ、どうぞ、どうぞ、何も無いところですけど」

[メイン] GM : 如月は目星をどうぞ

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「お茶の一つも用意できてなくて、すみませんね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : CCB<=80 目星 (1D100<=80) > 57 > 成功

[メイン] GM : では……あなたは美沙が開いた扉の先から、病室の外が見えることでしょう。

[メイン] GM : 病室近くの休憩室、あるいは病室の壁。
そこにいたのは黒服でサングラスの男女だった。
彼らは何をするでもなく、それぞれに腰かけていたり、背を壁に預けている姿が見える。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────? ……何あの、洋画劇場に出てきそうな、もしくは、逃○中に出てきそうな人達は……?
病院の関係者かな?警備員とか、いや、違うか、ボディーガード的な?
いや、それも、違う? ……え、めっちゃ、ミスマッチ……。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 昨日、ジョーロは常軌を逸した出来事に見舞われた。
そして今は、安寧の場所へと、身を置くことができた。
安堵している。ホッとしている。

しかし、その目にはまた『違和感』が映し出される。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 狂っている、歪んでいく、歯車。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : もう

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : もしかしたら

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 日常は

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────既に、崩壊しているのかもしれない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : なんてな。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : なわけあるか。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「どうもどうも美沙さん、いやぁ本当に、ここまで足を運んでくださり、ありがとうございます」
ぺこぺこと、座ったまま、頭を下げて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「椅子、こちらを使ってください」
近くにある椅子へ腕を伸ばし、引いてくる。

[メイン] 星住美沙 : 「ほほ、ありがとうね」
と言い、椅子に腰掛けながら。

[メイン] 星住美沙 : 「……傷の具合は大丈夫かい? 随分酷そうに見えるんだが……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あはは、大丈夫ですよ、ご覧の通り……イデデデデ!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 腕を回そうとするも、普通に痛かった。

[メイン] 星住美沙 : 「あらあら……あんまり無理しないでね?」

[メイン] 星住美沙 : 「そんな傷じゃ立つのもせいぜいに見えるよ」

[メイン] 星住美沙 : 心配そうに如月の方へと目を向けつつ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「いやぁ……あはは……情けないものです、全く……」
困った顔で、それでも気を負わせないように、へらへらと笑いながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………ちょうどいいです、美沙さん、僕は」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あなたと、会いたかった」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 表情を変える。場を和ませる表情ではなく、真剣に。
真っ直ぐと、美沙の顔を見据えて。背筋も伸ばし。

[メイン] 星住美沙 : 「私に? ……どうやら、デートのお誘いって訳でもなさそうだね。
 なんの用かな、如月くん」

[メイン] 星住美沙 : 真剣な顔で、ちらりと目を向ける。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あはは、デートももちろん、したいんですけどね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………美沙さん、頼まれていたものです」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そう言い、近くにあったリュックサックへ手を伸ばし、中を開け
そして、クリアファイルの中に、丁寧に閉まってある『手紙』を取り出す。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 皴一つ無し。

あの場でも、俺は、これだけは、死守した。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………美沙さんの、ご家族の……『生きた』、言葉です」

[メイン] 星住美沙 : 「これは……!」

[メイン] 星住美沙 : 美沙の閉じている眼が、ぴくりと反応して。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ゆっくりと、頷く。

[メイン] 星住美沙 : 「悪いね、如月くん。こんなことをさせてしまって……でも、ありがとう」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 眉を顰めたまま。深刻に、そして、辛そうに。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………いえ……僕も、どうか、この無念だけは、放っておけなくて」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………………すみません、美沙さん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………勝手なことを言います、礼儀知らずです、人には、踏み込んでほしくない領域がある、それは、僕も理解しています。その上で……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……僕は、理奈さん…… ……あ、いえ…… ……えっと、叶奈さんのことを、知りたいんです 知らないままでいては、一生僕は……」
理奈の言葉を、思い起こす。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 目を閉じ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………支えることなんて、できない、その資格が無い、そう、思うんです」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「不躾ながら、僕にも、背負わせてください、どうか、お願いします」

頭を下げる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────『遺書』の内容を、僕にも、お見せいただけませんでしょうか?」

[メイン] 星住美沙 : 如月の覚悟を聞き、何度か頷いた後に。

[メイン] 星住美沙 : 「……ああ、君なら構わないよ。
 もしかすれば……君のこの怪我も、これを取るために出来てしまったものなのかもしれない。そう思えば……断る理由なんかないさ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………美沙さん……」

[メイン] 星住美沙 : そう言い、如月から封書を受け取りながら。

[メイン] 星住美沙 : 「これは……巌の字。間違いなく……あの子のものだね」

[メイン] 星住美沙 : そして、封筒を開く。
如月にも読めるように、中に入っていた手紙を広げる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 失礼します、と前置きをし、その手紙に目を向ける。

[メイン] GM : 『母さんへ。先立つ不孝をお許しください。今までありがとう。叶奈をお願いします。』

[メイン] 星住美沙 : 手紙を開いた美沙の頬に、一筋の涙が伝う。

[メイン] 星住美沙 : 「本当に……親不孝者だよ、あんたは……そんなこと、言われなくてもわかってるさ……」

[メイン] GM : 美沙は涙を拭う。その瞬間、はらりと一枚の紙が机の上に落ちた。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………っ……」

胸が、ずきりと、痛んだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……自分の、息子が、先立ってしまう、その辛さ。
自分は、まだその年齢にも達していなければ、経験も無い。

それでもなお、もしも、俺が、美沙さんの立場にあったら……。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ………やるせない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : どうして、こんなことになってしまったのか。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………美沙さん」

深く同情し、その背を、優しく擦る。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 顔の筋肉の歪みが生じる。
気持ちのいいものではない。ただひたすら、辛い。

[メイン] 星住美沙 : 背が微かに震えているのがわかるだろう。

[メイン] GM : 封筒には二通の手紙が入っていたようだ。
その片方を如月は目にする。

[メイン] GM : 地図だった。君はそれが学園の裏山の地図であり、印がついていることもわかるだろう。地図の端には「SB」と書かれている。

[メイン] GM : 知識ロールをどうぞ

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : CCB<=50 知識 (1D100<=50) > 69 > 失敗

[メイン] GM : 何も思いつくことはなかった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ああ。俺は、そこには目がいかない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ………余計だ。ノイズだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺のすぐ目の前には、こうして、非業の死を遂げた息子との、『再会』を果たした母の姿がある。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……美沙さんは、強い人だ。豪胆で、年齢を感じさせない、アグレッシブさを感じる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : それでも、血が通い、心を持つ人間だ。

別れが辛くない人間なんて、いないんだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………息子さんも、きっと」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「何も、親不孝ばかりな方じゃ、無い、僕は、そう思いました……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……美沙さんのことを、忘れていない、ずっと、心にあった、だから、この手紙を、遺したのだと、思います」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……いいご家族ですね」
にこりと、静かな声で、そう告げた。

[メイン] 星住美沙 : 「ふふ、ありがとうね……」
ぽつぽつと言葉を漏らしながらも、遺書を再度見て。

[メイン] 星住美沙 : 「……巌は叶奈が助かる可能性があると、そう思っていたのかもしれないね
 でもこれだけじゃ、あんな馬鹿なことをした理由がわからない」

[メイン] 星住美沙 : 「だから、事の真相はこの地図が指し示す場所にあるんだと思う」

[メイン] 星住美沙 : もう一枚の地図を拾いあげて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : こくりと、頷く。

[メイン] 星住美沙 : 「あの家に置けない理由があるもの……つまり、和江さんにも、静香さんにも……そして、叶奈にも知られたくない何かが。」

[メイン] 星住美沙 : 「私宛の封筒に入ってた地図だ。
 ここにあるものは、私に見つけてほしいはずなんだ」

[メイン] 星住美沙 : そして美沙は、さて、と言って立ち上がる。

[メイン] 星住美沙 : 「ここまでこんなおいぼれに協力してくれてありがとうね、如月くん」

[メイン] 星住美沙 : 「これからは、私に付き合わなくても大丈夫だ」

[メイン] 星住美沙 : 「ここに眠っているモノによっては、君は日常に戻ることができなくなるかもしれない。なにより……その怪我だろう」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………………………………」

その言葉に、眉を顰めたまま、俯き、無言。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………………美沙さん……」

[メイン] 星住美沙 : ちらりと、まだ痛んでいそうな如月の身体をもう一度見つめて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 布団を、握り締める。

鮮明に、痛みの記憶が、蘇る。恐ろしい、人の命など、安全など、どこに保証されていない、あの地獄を。

[メイン] 星住美沙 : 「君は優しい子だ。
 荷物も持ってくれたし、こうやって手紙も届けてくれた。叶奈とも仲良くしてくれてる。君になら、叶奈を任せられる」

[メイン] 星住美沙 : 「そんな子には、穏やかな人生を送ってほしい。
 だから、ここから先は私に任せて。しっかり休んで、叶奈に会いに行ってあげな」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そう告げ、踵を返す、美沙さんの背を、俺は、追って、追って。

………………声が、詰まる。

怖いんだ。ああ、怖い。とても、怖い。

怖くて、怖くて、怖くて、怖くて、たまらない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 事実なんだ、これ以上踏み込めば、危ない。

俺の、生物的本能が、警鐘を鳴らしている。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 行くなと、脳が命令している。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ハァッ………ハァッ………ハァッ………」

汗が滲み出る。心臓の鼓動が、激しくなる。

胸を、ぎゅっと抑える。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────馬鹿野郎。如月 雨露………。

[メイン] 星住美沙 : 「……! ……やはり、無理はするんじゃないよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ここで、終わって、いいのか?

どうなんだ、答えて、みろ。

[メイン] 星住美沙 : 深刻そうに、皺が一つ刻まれる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 答えろ、さもなくば、俺は、俺を。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 絶対に、許さない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────いえ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 顔を上げ、そして、美沙さんを、じっと見つめる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………ええ、そうです、美沙さん、その通りです」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「この件は、もしかしたら……只事では、無いかもしれません」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「美沙さんにとっては、なんだそれと言いたくなるかもしれませんが」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「僕は、巨大蜘蛛に襲われました、だから、ここにいます」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………さらに踏み込めば、今度はもう、助からないかもしれません」

[メイン] 星住美沙 : 「巨大蜘蛛、だって……!?」
ごくりと息を飲みながらも、如月の言葉を待つ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : こくりと、頷く。嘘偽りなどない。冗談なんかでもない。脅しでもない。

[メイン] 星住美沙 : 「なら……猶更、君には日常に戻る権利があるはずだろう?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────ええ、そうです、戻る権利もあり、そして」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 痛みに堪え、ゆっくりと、ベッドから降りて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「危険区域だと分かった上で、踏み出そうとするレディを止める権利も」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あるんですよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「言ったはずです」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「美沙さん、僕は……あなたには」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────長生きしてほしいんです」

[メイン] 星住美沙 : 「…………!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そして、踏み出し、足を動かし、歩み寄り。

[メイン] 星住美沙 : 踏み込む如月へと、目を向けたまま。

[メイン] 星住美沙 : 「……これから、君の想像を超える非日常が待ち受けているかもしれない。
 知らないほうが幸せな世界を、垣間見るかもしれない。
 今の君に、戻れなくなるかもしれない」

[メイン] 星住美沙 : 「……如月くん。君に、改めて問おう。
 その覚悟が……あるのかい?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 手が、震える。汗が、滲み出る。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────はい」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「僕は、必ず」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────見つけ出してみせます、美沙さんの、息子さんの遺した……"真実"を」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………怖いです、もちろん、知らなくていいことがあることくらい、僕も、肌に感じているものです」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「だからって、ここで……放り出して、逃げ出してしまえば」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────美沙さんにも、お孫さんにも、顔向けできない」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「怖いんです」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「失いたくありません ─────皆さんとの、『繋がり』を」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 雄弁に、少年は、言葉を紡ぐ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「僕に、続けさせてください」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「やります」

断言した。

[メイン] 星住美沙 : 「……いい返事だ。そう思うだろ!?あんたたち!!」

[メイン] 星住美沙 : 星住美沙がそう言い、病室の扉を開く。
すると先ほど見かけた黒い服装の男女が集まっており、拍手をし始める。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────へっ?」
ぽかんと、口を開ける。

[メイン] 星住美沙 : 「君の『繋がり』を失いたくない覚悟……しかと聞きとめたよ」

[メイン] 星住美沙 : 美沙が片手をあげた瞬間、拍手はぴたりと止まった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : な、え、な……え?……なん……?

[メイン] 星住美沙 : 「試すような真似をして悪かったね。
 さて、如月くん、少し昔話をしよう。……私の息子、叶奈の父親の話だ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 美沙、さん─────?雰囲気が、さっきと、違う……
それ、に、入る時に、目についた、いかつい人らも………。

なん、だ、これ?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺は、今、どこにいるんだ?

何が、起こるんだ?

まるで、映画、でも映画のように、筋書きなんてものは、俺には、渡されちゃいない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────……!!!」

[メイン] 星住美沙 : 「巌はある組織の構成員だった。今周りにいる連中が所属してる組織さ」
ちらりと周りの黒服たちへと目を配る。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : は?????????? そ、組織ぃ……!?!なんだよそれ!?どういうことだよ!?!?

[メイン] 星住美沙 : 「巌は組織の研究員で、私はそこの元私兵だ。腕を買われてか、私は今でも時折いいように使われているがね」
ぐっ、と手に力を籠め。

[メイン] 星住美沙 : 「くっくっく、100点満点のリアクションじゃないか、ええ?」
如月の顔を見て、さぞ楽しそうに笑いながらも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ぁ……え、や……… ………えっ………?」

言葉が上手く紡げずに、ただ、パクパクと、口を動かすだけ。

[メイン] 星住美沙 : 「ま、老いぼれの話はどうでもいい。
 ……巌はかなりの知識に加え、兵器の開発に長けていた。
 我らが神に仇なす存在を、効率よく始末する武器のね。」

[メイン] 星住美沙 : 「やや物騒な仕事をしていたが、家族はとても大切にする子だった。
 穏やかな旦那で、優しい父親だったと思う。そんなあの子が、突然死んだ。私に何も話さずに」

[メイン] 星住美沙 : 「つまり……話せない理由があった。
 恐らく向こうの家絡みでね……私はそう思ってる」

[メイン] 星住美沙 : 遺書を再度手を取り、それをじっと見つめ。

[メイン] 星住美沙 : 「だから、真実を知りたい。巌が墓まで持っていった……事件の真相を。
 この子たち……”SB”を連れてきたのは、場合によっては荒事になる可能性があったからさ」

[メイン] 星住美沙 : 「雨地和江が巌の死に関係してて……叶奈にとってよくない存在だとわかった場合、だね。それも結局、現状では判断がつかないわけだけど」

[メイン] 星住美沙 : 「……いずれにせよ。巌が残した地図の場所にいけば、何かがわかるはず」

[メイン] 星住美沙 : 「あの子に叶奈を頼まれた。それに…私はこれ以上、家族を失いたくない。だから、私はここに一人でも行くつもりだった」

[メイン] 星住美沙 : 「だが、ねえ?」
口角を上げ、如月へと目を向ける。

[メイン] 星住美沙 : 「佐竹さん。」

[メイン] GM : 「はっ!」

[メイン] GM : 佐竹と呼ばれた女性は短くそう返事をすると、星住美沙に何かを手渡した。

[メイン] 星住美沙 : 「私と彼の二人で向かう。お前たちはポイントAで待機」

[メイン] GM : 美沙がそう言うと、黒服たちは速やかに移動し外に出て行った。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 茫然と、その光景を見届けている。

[メイン] 星住美沙 : 「さて、これで邪魔は入らない。
 デートの続きをしようか、如月くん」

[メイン] 星住美沙 : 髪をかき上げ、その奥から如月をじっと見つめる。
開いていなかった瞳は、しっかりと君を捉えていた。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……………………ハッ」

冷や汗を浮かべ、短く笑う。肩を竦めて。

まだ頭の中は、何も整理なんかされちゃいない。

いないが、分かったことなら、ある。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : にやりと、笑って。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「なんだ、ビックリさせて」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「"変わらないじゃないか"」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────美沙さん、アンタは、俺が思っていた通り」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺も、見繕わない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「"家族思い"の、いい人だ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「いきなり、洋画劇場でも生で見せられてんのかってくらいの光景を出されて、普通に今も、困惑してるけどよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「要はさ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────アンタも、ムシャクシャしてんだろ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「許せねぇんだろ、不条理を、不合理を」

[メイン] 星住美沙 : 「ははっ、君も変わらないね
 変わらず────いい顔をしている」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ニヤリと、ニヒルに口角を上げる。

[メイン] 星住美沙 : 「許せないから、殺しに行くのさ
 私はそれを何十年と続けてきたんだ」

[メイン] 星住美沙 : ひらりと、身を翻し。

[メイン] 星住美沙 : 「それじゃあ、着いてきな」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────ああ」

痛みなど、もう知らねぇ。

やるっきゃねぇんだよ、もう。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : それによ、風、吹いてるじゃねぇの。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺、ぶっちゃけると、算段なんて無かったよ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : またあの巨大蜘蛛に襲われたらどうすっか、対処のしようがねぇ。
お先真っ暗だった、もしかしたら、今年が俺の命日だったかもしれねぇ。
そう、覚悟はしていた。 ……覚悟なんて、仰々しいものじゃない。

悲観していた。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : だけどよ、この物語はどうやら、もっと大きいもので渦巻いている。

なら、見極めるんだよ。

何が敵で

何が味方か。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「美沙さん、レディには先に行かせないもんだぜ」

横に並び、肩を揃える。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ビターエンドで終わるラノベなんざ、もう古い、そんなものを現実世界に求める奴なんてもんもいねぇんだ、いたとしても性格が悪い」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「破滅で終わるなんてつまんねぇ筋書き」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「壊そうぜ」

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM : ────学校の裏山。
まだ放課後になってからすぐということもあり、人はまばらだ。

[メイン] 星住美沙 : 「本当に、この裏山には縁があるねえ……」

[メイン] 星住美沙 : 裏山に入って間もなく、美沙は独り言のようにそう言った。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「へぇ、美沙さん、何度も来たことが?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺は無い、虫でいっぱいだし。服も汚れるし。野生動物とか現れたら怖いし。

[メイン] 星住美沙 : 「いんや。私の仕事の一つに、この街に飛来する敵性存在を撃ち落すってのがあるんだけどね」

[メイン] 星住美沙 : 「あの子たちからの特殊な弾丸のテストも兼ねてるのさ。
 そん時の獲物はこの裏山に墜ちるようコントロールしてるのさ。
 街中に墜としたらパニックになるだろう?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………………」
本当にこれ、リアルのお話?SF作品とかじゃなくて、マジ?って思っちまう俺なんだが、まぁ、マジなんだろうな。あの巨大蜘蛛がいるんだ、もうそれなら、何があっても、もう驚くだけ無駄だ。

[メイン] 星住美沙 : 「つい最近も何か墜としたよ、三日前くらいだったかね。
 その前だと……三年前か。アレもここに墜としたね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : …………………いやでもすげぇな?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……銃の腕、すごいんだ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : めっちゃすげぇ。てか、かっけぇ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 見た目お婆さんなのに、選りすぐりのエリートエージェントってことじゃん。
やば、かっけぇ。なにこれ、惚れちゃうやつじゃん。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あとで見せてもらっても?」
好奇心。

[メイン] 星住美沙 : 「ふふ、如月くんも男の子だねえ
 なぁに、時が来ればおのずと見せることになるさ」

[メイン] 星住美沙 : くるくる、と指だけで銃を回すような仕草をしながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「はは、じゃあその時を楽しみにしておきますよ ……ただ俺的には、何も秀でたものもない男子高校生なもんで」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : その仕草に、ひぇ~かっけぇ~と素直に思いながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「何事も無く、終わってほしいってのは、ありますねぇ~」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………ちなみに、これから向かう先の、えーと」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「"SB"って、なんです?」

[メイン] 星住美沙 : 「SBは場所のことじゃない。いわばあれは……マークのようなものだね」

[メイン] 星住美沙 : 「SB、”シルバーバレット”。
 裏に詳しい奴なら知ってるかもしれないが、ちょっとした暴力団組織さ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺は裏に詳しくもないんで、当然知らない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………暴力団って聞くと、ヤー公さんとかが思い浮かぶんすけど、でも多分」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「そういうのじゃない、すよね?」

[メイン] 星住美沙 : 「表向きは似たような物さ。だが、私たちの実態は……
 ……簡単に言えば、この街を侵略しようとする宇宙生物を対峙するのさ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「宇宙生物」
単語だけ聞くなら、なんかそういう、UMA的な、アレなんだろうなっていうのが、想像つくけど。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 実際、どうなんだろ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……俺を襲った巨大蜘蛛とかも、それです?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 美沙さんが知ってるかどうかは分からないけど、でもまぁ、なんか、知ってそうな雰囲気ありそうだしで、尋ねてみる。

[メイン] 星住美沙 : 「蜘蛛、か……聞いたことはないね。
 だが、巌は私よりも研究肌だ。もしかすればこの先に……おっと、そろそろだね」

[メイン] GM : 君達は僅かに地面の様子が異なる場所を見つける。

[メイン] GM : 何かを埋めた形跡のように思えるだろう。
二人がかりなら道具がなくとも、そう時間もかからず見つけることができる。
ビニール袋に入った手記だ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………巌さんのノート、ですかね」
丁寧に、ビニール袋を手にして。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「中身、見てみましょうか」
そう言い、丁寧に封を開け、手記を手に取り、ぺらりと、捲っていく。

[メイン] 星住美沙 : 頷き、如月の手元へと目を向ける。

[メイン] GM : そこにはこう書かれていた。

[メイン] GM : 母さん、あなたがこれを見ているということはもう僕はこの世にいないでしょう。
静香と叶奈を過酷な運命から救い出すには死しかありませんでした。
愛する二人を失った世界では生きられない、身勝手で弱い僕をお許しください。

[メイン] GM : 雨地は呪われた血族です。いずれ正気を失い、人を喰らう蜘蛛の怪物となる定めを背負っています。
加えて、自らの意思で血を絶やすこともできない呪いに苦しめられています。

[メイン] GM : 静香はもう限界です。
数年前から少しずつおかしくなっていきました。
庭に頭部のない虫やネズミなどの死骸が散見されるようになったのが始まりでした。
衝動的に、あるいは無意識に小さな生物の頭部だけを捕食していたのです。発作的に身体の変貌が起こることもありました。

[メイン] GM : この頃から静香は雨地和江の介護をするという名目で、人前に出ることがほぼなくなりました。やがて症状が進行し、虚ろな目で夜の街を徘徊。身元不明者を地下に連れ込み、雨地和江とともに人を喰うようになりました。
静香は自らの死を望みました。
何度も何度も、殺してくれと懇願されました。

[メイン] GM : 僕は静香を、いずれそうなる叶奈を、二人を救う手段を探していました。
雨地和江はもはや巨大な蜘蛛です。元は人の形をしていたようですが、齢を重ねるごとに蜘蛛の血が濃くなり、悍ましい怪物になり果ててしまったらしいです。

[メイン] GM : 雨地の血族は自身の血を子孫に注ぐ習わしがあります。抗体のような作用を期待した、蜘蛛化の進行を抑制するために必要な処置のようです。
静香と叶奈はそれを信じ、その風習を長い間続けていました。僕は疑念を抱いています。その行為は本当に必要なことなのだろうか、と。

[メイン] GM : しかし、静香と叶奈、特に妻は雨地和江を狂信していました。今はあのような姿でも、静香にとっては母親です。彼女の前で雨地和江を否定することはできず、探るような真似を見せるわけにはいきませんでした。
家族の目に触れずに雨地和江を調査するために、彼女の部屋の隣に研究室を拵えました。

[メイン] GM : けれども、科学的に蜘蛛化の機序を解明するまでには至りませんでした。
しかし、地下通路で僅かな魔力の滞留を検知しました。波長を解析すると、それは雨地和江から発された暗示のような魔術の形跡だとわかりました。
無意識に他人に意図を伝達させる、何かしらの魔術の行使が疑われます。雨地和江の排除は静香や叶奈の蜘蛛化を止める術を永遠に失う可能性があります。
僕にはどうすることもできませんでした。

[メイン] GM : 母さんに話せなかった理由はもう察せたでしょう。
僕は大いなる神への忠誠より、妻と娘を守ることを選びました。どのみち母さんを裏切ったことには変わりありません。
本当にごめんなさい。

[メイン] GM : 自分も妻も娘もこの世を去っていたのなら、どうか雨地和江の正体を暴き、雨地和江が僕たちを欺いていたことがわかった時は、仇を取ってください。
それを可能にする対神性兵器を添付しておきます。
必要があれば使ってください。

[メイン] GM : 呪われた運命が、あるいは静香が、叶奈が生き残ることを望んだのなら、あの子は今でも独り暗闇の中を歩んでいるかもしれません。

[メイン] GM : 叶奈を、頼みます。

[メイン] GM : 手記の背面には銀の銃弾が一つテープで貼り付けてある。

[メイン] 星住美沙 : 「……巌、バカだよアンタ。私が静香さんと叶奈を、家族をそう易々と手にかけるわけないだろう」

[メイン] 星住美沙 : 「組織に告げ口なんてしないさ。打ち明けてくれれば、こんなことにならずに済んだかもしれないのに……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………………ああぁあああぁぁああッッ………!!クソッ!!」

憤り、近くの木へ、拳をぶつける。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 遺された手記の内容は、ちっぽけな俺の想像もつかない、遥かに凌駕した世界での出来事であり、そして。

大切な家族を守ろうと、懸命に、一人孤独に戦ってきた戦士の、言葉だった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : やるせねぇ、気分が悪い、なんだコイツは、苛立つ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「なんっっっでよ……!!!素直に幸せにさせちゃくれねぇんだ?神様ってのはよ!!」

[メイン] 星住美沙 : 「…………」

[メイン] 星住美沙 : 涙を堪えるように。
如月の怒りを感じるように、目を閉じて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : はぁッ……はぁッ……と、途切れ途切れの呼吸。
運動慣れしていない男子高生の身体。
拳からも、ジンジンと痛みが走る。

[メイン] 星住美沙 : 「……君の怒りはもっともだ」

[メイン] 星住美沙 : そうして、如月の姿を見つめ。美沙は口を開く。

[メイン] 星住美沙 : 「これから……私は巌の意志を継ぐ。
 雨地の家に強行、必要があれば……雨地和江を始末する。
 ……そのつもりだ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………………………………………」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 顔を歪める。

始末する。それはつまり、命を絶つ、殺す、そういうことだ。
生命を奪い、この世に、意思を繋ぐ術を、消す。そういうことだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……………わかってます、それが、美沙さんの………役目、なのは……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……わかってますっ………けど……!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「なんっだよッ!!!呪いって!!なんなんだよッッ………!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「俺はなんも知らねぇド素人だけどよ………!!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「そんなもんが無ければ!!!和江さんも!!静香さんも!!!叶奈さんも!!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「巌さんも!!!美沙さんもッッ!!!!みんな、平穏に!!あったかな!退屈でも!!愛おしい!!日常ってやつを、謳歌できてたはずなんじゃねぇのか……!!?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「くっだらねぇよ!!!!あーーーくっだらねぇ!!!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「親族同士で殺し合いなんざよ!!!!時代遅れも甚だしいんだよ!!!!!クソが!!!!!!!」

[メイン] 星住美沙 : 「……君は……やはり優しい」

[メイン] 星住美沙 : 「だからこそ、君に言わなくてはならない
 私は雨地和江を殺すかもしれないし、場合によっては」

[メイン] 星住美沙 : 「叶奈を殺すかもしれない」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────させねぇよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 怒りに震え、拳を握り。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……させねえ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「美沙さんに、そんなことは、させねぇ、絶対に」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「映画みてぇにな、仕方ないからって、家族を殺すような、カッコイイエージェントなんてもんはな、現実世界じゃ、通用しねぇんだよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あったけぇ家族を守ってこそが、人間ってもんじゃねぇか」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「簡単に命なんてもんは、奪われていいものじゃねぇ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「美沙さん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「俺も調べる、足掻く、このクソッタレな運命に」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────あの時、俺を襲った巨大蜘蛛は、和江さんだったかもしれない。
もう、人の姿を持っちゃいない。怪物そのもの。
対話なども、通用しない。ただ本能のままに、人を喰らい続ける、そんな存在に成り果てて、不可逆な存在なのかもしれない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : こえーよ、死にたくねぇし。
でもそれはそれ、これはこれだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………雨地家に、そして、地下通路に、何か手掛かりがあるかもしれないなら、行く、調べる、とことん調べる」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺は理奈さんに言ったんだ。
たとえどんな運命が立ち塞がろうと。

味方になると。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : だから、なるんだよ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「美沙さん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────どうか、手伝ってください、俺一人じゃ、何もできない」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「お願いします」

頭を下げた。

[メイン] 星住美沙 : 「…………まったく」

[メイン] 星住美沙 : 白い頭を掻き、如月の方へと目を向けながら。

[メイン] 星住美沙 : 「危険だ、やめておけ……と言っても、君は聞かないんだろうね」

[メイン] 星住美沙 : 「だが、私は手伝うだけだ。
 あの子を、真の意味で……地獄から救ってやれるのは」

[メイン] 星住美沙 : 「君だけだ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 強く、そして静かに、頷く。

[メイン] 星住美沙 : 「……弾だけでどうしようってんだい……もってきな」

[メイン] 星住美沙 : そう言って、美沙は拳銃をPC2に手渡す。

[メイン] 星住美沙 : ずしりと、重たい鉄の感触。現代日本で生きていれば、まず触れることのないようなそれ。

[メイン] 星住美沙 : 「撃ったことはあるかい?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 重かった。片手で持ち続けるには、重かった。

金属の塊。銃弾に込められた火薬へ、トリガーによって引火を押し、発砲。

その威力に堪えられるように、硬く設計された、銃。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………いえ」

眉を顰めて、首を横に振る。

[メイン] 星住美沙 : 「なら、教えとこう。……これを使わざるをえない状況にならないといいんだけどね」

[メイン] 星住美沙 : 美沙は「銀の弾丸」を装填する方法や撃ち方を軽く教えてくれる。

[メイン] 星住美沙 : 「……君は、命なんて簡単に奪われていいものではないと言った。
 だが、それは……君も同じだ」

[メイン] 星住美沙 : 「……如月くん。私にとって、君はすでに家族みたいなもんだ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : その言葉に、くしゃりと、微笑む。

[メイン] 星住美沙 : 「この老いぼれを……これ以上悲しませないでおくれ。だから、死ぬな」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : こくりと、頷く。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……ええ、ありがとうございます、美沙さん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「約束しましょう、俺も、死にたくないんで、将来可愛い彼女を作って、キャッキャウフフしたいんで」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : なんて、軽口を叩いて、笑う。

[メイン] 星住美沙 : 「ははは、そりゃあいい!若者の特権さね!」

[メイン] 星住美沙 : はっはっは、と盛大に笑い。

[メイン] 星住美沙 : 「行け、少年。行って……救ってこい!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 美沙さんの真似をし、銃をくるくる回してみる。回転速度は遅い。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そしてそのまま、ダサく、ポケットに銃を仕舞う。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 会釈をし、そして踵を返す。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────行ってきます」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 創作に、こんな言葉がある。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 『チェーホフの銃』。
ストーリーに登場するものには、必然性が無ければならないというものだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : この銀の弾丸があるということは、それは使われるべくして、そこにあるということだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : なんて、そんなものは。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 映画、漫画だけの世界の話だろ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : んなもんに付き合う気はないんでね。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 銃のな、役目っていうのはな。

引き金を引き、弾丸を撃つ、そんなもんじゃねぇんだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 使われないことなんだよ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM : がさり、がさり、がさり。

[メイン] GM : ────如月が走り、裏山には一人だけ。

[メイン] GM : しかし、自然のモノとは思えない大きな音がひとつ、ふたつ、みっつ。
いや、それ以上。

[メイン] 星住美沙 : 「……さて、出てきたらどうだい?」

[メイン] GM : どこかに潜んでいたのか。
星住美沙の前に5体の蜘蛛の怪物が姿を現した。

[メイン] 星住美沙 : 「つけていたってことかい。……ふん、あの子を護りながら山をおりる。そうなったら骨が折れると思ったが」

[メイン] 星住美沙 : 「都合がいいことに、あの子は一人で行った」

[メイン] 星住美沙 : 「……さあて、久しぶりの運動だ。
 虫けらども、人間の美しさを知らないお前たちに教えてやるがね」

[メイン] 星住美沙 :  

[メイン] 星住美沙 : 「ヒロインを助けるヒーローに、邪魔なんていらないんだよ」

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM : 時刻は、21時。

[メイン] GM : 麻中蓬、星住叶奈。時間を共にした裏山にて、君達は約束をしていた。

[メイン] GM : 彼女はいつも通り山頂にて、君が来るのを待っていた。
前に見た腕組をする様子もなく、ただじっと待っていた。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「こんばんは。星住さん」
自分もいつもと変わらない様子で山頂へと登ってくる。
視界の先には星住さんがいた…ちょっとしおらしく見えるかも?

[メイン] 星住 叶奈 : 「……ん。時間ピッタリね」

[メイン] GM : 彼女はただ、ぼぉっとしていた。気の強い様子もなく、ただ、空を見ていた。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…もしかして結構待ってた?」
バイトを終えてすぐに向かったものの、21時ギリギリだったのでちょっと焦っていた…顔には出さないけど。

[メイン] 星住 叶奈 : 「別に。私にも考え事があったから……空を見てたの」

[メイン] 星住 叶奈 : 星住叶奈は背を向ける。

[メイン] 星住 叶奈 : わずかな沈黙の後、彼女は振り向きこう言った。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……ねぇ、麻中くん」

[メイン] 星住 叶奈 : 「私、実は宇宙人なんだ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「って、言ったら、信じてくれる?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「へぇ…空を…」
と、彼女と同じように空を見つめて

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「………へ?」
なんかおかしな言葉が聞こえた気がしたけど

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「えーっと、もう一回いいかな?俺の聞き間違えかもしれないから」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 宇宙人って聞こえたけど…違うよな?

[メイン] 星住 叶奈 : 「三年前。私は偵察のため、地球にやってきた」

[メイン] 星住 叶奈 : その問いに返すことはなく、彼女はぽつぽつと話し始める。

[メイン] 星住 叶奈 : 「この街の上空に浮かんでいた。そこで致命傷を負った。……何が起こったのか、まるでわからなかった」

[メイン] 星住 叶奈 : 「学校の裏山に落下した私は、そこで死ぬはずだった」

[メイン] 星住 叶奈 : 「でも、そこにあの子がやってきた。
 理奈が……いや、本物の星住叶奈が。あの子は私に命を分け与えてくれた」

[メイン] 星住 叶奈 : 「元来ある能力も性質も、私の中から急速に失われていっていた。体を維持することすらままならなかった」

[メイン] 星住 叶奈 : 「命を吸った相手の姿に変化する能力、私はこれに全てを賭けた。
 私を構成するあらゆる要素の崩壊を感じる中、別存在になることで命を繋ごうとした」

[メイン] 星住 叶奈 : 「結果、それは上手くいった。
 私の中からほとんどの能力が失われ、元の姿に戻ることすらできなくなった。人間となることで、あの子のコピーとなることで生き延びた」

[メイン] 星住 叶奈 : 「自分が自分でなくなるよりも、生きている意味を失うよりも、私はただ…………死ぬのが怖かった。
 私たちは何もかも反対だった。死にたがりのあの子と、私は」

[メイン] 星住 叶奈 : 「救いを求めていたという点では……同じだったかもしれない。
 私はあの時、彼女の願いを叶えることができなかった。でも……あの子は、そんな私の手を取った。優しく微笑んでくれた。私の命を救ってくれた。」

[メイン] 星住 叶奈 : 「だから私は……あの子の『本当の望み』を叶えるために、今度は私が……あの子の命を救うために、ここにいる」

[メイン] 星住 叶奈 : 「そして、何より私は叶奈が好き。あの子が助かるなら何だってやる。どんな手段もいとわない」

[メイン] 星住 叶奈 : 「それに、私はまもなく死ぬ。殺される。私はそれを……受け入れようと思ってる」

[メイン] 星住 叶奈 : それは一気に、せき止めていた何かを崩すように、流してきた。
星住叶奈をとどめていたものを全て吐き出すように、零して。

[メイン] 星住 叶奈 : そこまで言って、彼女の言葉は止まった。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「……俺はやだよ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 急にわけがわかんない言葉を浴びせられて混乱してたけど、その一言が口をついて出ていた。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「星住さんにとってはそうかもしれないけど、俺やクラスのみんなにとっては星住さん、君が“星住 叶奈”だから」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「だから死ぬのを受け入れるとか、そんなことを言われても…少なくとも俺はやだよってしか言えない」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……嫌だって言っても、どうにかなるものでもないの
 同胞に……任務を放棄した裏切者に見えたのよ、きっと」

[メイン] 星住 叶奈 : 「でも、これは私が悪い。
 失敗した上に罪を犯した。だから罰せられるのは当たり前なの
 裏切り者の私は……大罪人なんだ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「どうせ消える命なら、あの子を助けるために使いたいの」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「……それ、本気で言ってるの?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「本気よ」

[メイン] 星住 叶奈 : 叶奈は空を見上げながら。

[メイン] 星住 叶奈 : 「私たちは強い。人間が束になっても敵わない相手なんだ。
 そんな相手に、何ができるっていうのよ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「……そうじゃなくてさ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「お姉さんは星住さんに生きてもらいたいから命を分け与えてくれたんでしょ?」
「それって星住さんに生きてもらいたかったってことじゃん」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「それをさ…捨ててもいいって言うのは、勝手じゃない?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 自分もまた同じように空を見上げて

[メイン] 星住 叶奈 : 「……貰った命を、あの子に返すだけよ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「それに……あの子が分け与えた理由は別にある。
 ……あの子はね、呪いのせいでずっと悩んでた。……でも、私には呪いがなかった」

[メイン] 星住 叶奈 : 「だから、私を『星住叶奈』として仕立て上げれば、『星住叶奈』はずっと生き続ける。呪いもなにもなく、普通の人として……
 理奈……いや、星住叶奈はそう考えた」

[メイン] 星住 叶奈 : 「分け与えたんじゃない。あの子は、『星住叶奈』という存在も与えたのよ
 ……いずれ怪物になって、大切な人を傷つけてしまう……
 そんな呪いは、あの子を狂わせた」

[メイン] 星住 叶奈 : 「でも、あの子の『本当の願い』は違う。
 死ぬことでも、『星住叶奈』の保存じゃない。
 それを私は……果たすだけのことだもの」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…俺は違うと思う。俺はお姉さんじゃないし、呪いのことも知らないけど」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…でも、人間になった君…“星住 叶奈”なら、彼女の願いを、想いを、一番理解できてるのは、他でもない星住さん自身だと思うから」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「だからちゃんと、“星住 叶奈”として、本当はどうしたいか考え直してみない?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……っ……!」

[メイン] 星住 叶奈 : 叶奈から見た麻中の瞳はまっすぐだった。
あの星空のように、青く透き通っている、叶奈を信じている目。

[メイン] 星住 叶奈 : 「それじゃあ、あの子を見捨てて生きろって言うわけ!?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「………あ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……ごめん、なさい
 あんたに当たるなんて。……馬鹿だ、私」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「ううん。俺もずけずけ言いすぎてるし、怒るのももっともだと思う」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「星住さんとお姉さんの関係に勝手に口を出してるわけだしね」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「……でもさ、そういう関係だからこそなんだ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「俺が昨日言ったこと、まだ覚えてる?」
「『誰かの人生に関わればその人はもう他人じゃない』ってやつ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………ええ、覚えてる」

[メイン] 星住 叶奈 : ぐしぐしと頭を抱えながらも、麻中の言葉を聞きながら。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「昨日は俺がもう無関係じゃないってことだったけど…」
「星住さんもお姉さんと関わったのなら、もう他人じゃなくてその一部なんだよ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「だから宇宙人だとか関係なくて、本当に姉妹みたいなものだと思うから…だからもし星住さんがいなくなったら、それが自分のためだったとしても、お姉さんは悲しむんじゃないかな」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………」

[メイン] 星住 叶奈 : 「私と……理奈が、姉妹、ね……」

[メイン] 星住 叶奈 : くす、と笑いながらも

[メイン] 星住 叶奈 : 「……どうやら、あんたを口で言い負かすの無理みたいね」

[メイン] 星住 叶奈 : 「でも、現実と理想は違う。
 刺客はやってくるし、理奈は呪いで蜘蛛になる」

[メイン] 星住 叶奈 : 「そして……それに打つ手がない、ってこともきっと分かるわ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「だから、付いてきて。
 私が研究してきた成果が雨地家の地下にある」

[メイン] 星住 叶奈 : 「それを見れば、きっと考えも変わるから」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…俺は考えを変えないよ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「星住さんが生きるのを諦めてる間はね」

[メイン] 星住 叶奈 : 「お人好し」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「分からず屋」

[メイン] 星住 叶奈 : ふん、と言葉を返し。
叶奈は君に背中を向けて、一人で裏山を下っていく。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : その後ろ姿を見失わないようについて行く。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 打つ手がないか…。正直宇宙人だと告白されてもさっぱりわかってないんだけど…。どう見たって普通の女の子だし。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : でも、彼女の言葉から嘘は感じられなかった。
本当に死ぬ覚悟もあるんだと思う。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : …だからどうしたって話だけど。
まだ俺は星住さんのことをなにも知らない、好きな食べ物とかもだけど…これまでどんな思いで生きてきたのかも。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : なにも知らないままでお別れなんて…俺はいやだ。
だから助けられるなら助ける。できなくても絶対に見つけてみせる。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : お姉さんにも、星住さんにも、悲しい思いはさせない…!
二人が笑って生きていける道を探すんだ!

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM : 巻き戻って、18時頃。

[メイン] GM : 君────如月は雨地の家を訪れるだろう。

[メイン] GM : 君はいつものようにインターホンを押そうとするだろう。

[メイン] GM : だが、君は気づく。

[メイン] GM : 玄関の鍵が開いている。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────っ……!?」

この家の鍵を開けられるのは、美沙さんに、推定、理奈さんに、そして……叶奈さん。
……いずれにしても、開けたとしても、中へ入ったのなら、三人とも締めるはずだ。
少なくとも、連日訪れていた経験則からして、ちゃんとセキュリティを守っている、そういう家だった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 嫌な予感が拭えなかった。

……もちろん、鍵の閉め忘れだって、あるだろう。
少し俺は、知らなくてもいいものを見すぎて、悲観的になりすぎているのかもしれない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 頼む、勘違いであってくれ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────お、お邪魔します~!」

俺は、そう声を放ち、扉を開ける。

[メイン] GM : 家の中に入っても、理奈が姿を見せることはなかった。

[メイン] GM : しかし、カシャカシャカシャと、何かが擦れあう音が聞こえてくる。
どこかで聞いたことある音だ。

[メイン] GM : カシャカシャカシャ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ッッッ………!!?!」

[メイン] GM : 君の脳裏をかすめるのは、暗闇から浮かび上がったあのシルエットだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : こ、この、音、はっ………!?

[メイン] GM : 巨大な節足動物、蜘蛛の怪物。耳障りな音はトイレから響いていることに気づくだろう。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 生命の本能が告げる。

逃げろ、逃げろ、逃げろ、と。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 黙れ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「理奈さん!!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺は駆け出した、音の聞こえる、トイレの方へと、走る。

そして、扉を開く。

[メイン] GM : 近づくと、それには少女の呻き声も混じっていた。

[メイン] GM : 星住理奈の声だ。

[メイン] GM : ガチャリ、と扉には鍵がかかっている。

[メイン] GM : 「……ッ!?如月さん……!?どうして、いやっ……ダメですっ!
 逃げて、逃げて……逃げてくださいッ……!!開かないで、くださいっ……!!」

[メイン] GM : 「お願い、お願いします……!見ないで、見ないで……ください……」

[メイン] GM : 少女の声で、そう帰ってくる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「理奈さん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ………あの、手記の、通りだった。

酷く、落胆した。呪いは、本当にあった。


………ふざけるな。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「開けてください」

[メイン] GM : 「い、やっ……! 見て……ほしくない、です…………」

[メイン] GM : 「お願いします……逃げてください、逃げて……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ドアを壊します。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 拳判定、よろしいでしょうか

[メイン] GM : どうぞ

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : CCB<=50 こぶし (1D100<=50) > 98 > 致命的失敗

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 当然だ、運動神経が得意な学生でもないんだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 増してや、機動隊でもなんでもない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺の拳に響くは、鈍い痛み。骨の奥まで届く。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺へのダメージはいくつですか?

[メイン] GM : 1ダメージ

[メイン] system : [ 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) ] HP : 12 → 11

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ぽたり、ぽたりと、血が床を汚す。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : いってぇな、超いてぇよ。

だが、そんなのにな、気にしてばっかじゃよ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 何もかもが、手遅れになっちまうんだよ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : こぶし判定だ

[メイン] GM : どうぞ

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : CCB<=50 こぶし (1D100<=50) > 30 > 成功

[メイン] GM : 何度も無謀だと分かりながらも、殴りつけたお陰だろうか。

[メイン] GM : 扉はギチリと音を立て、ヒビが入る。

[メイン] GM : この穴をこじ開ければ、扉を破壊することが出来そうだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : こじ開ける。

[メイン] GM : では、あなたは扉を先にいる星住理奈を目撃する。

[メイン] GM : 星住理奈の首は、頸部郭清のように開けれ、顎部を裂いて口腔まで及んでいた。

[メイン] GM : そこから細かな触角と鋏角がひしめき、まるで大きな口のようだった。

[メイン] GM : 服の下からは大きな蜘蛛のような肢がいくつも伸びており、その先はかぎ爪のように鋭く湾曲していた。

[メイン] GM : 【正気度ロール:1/1d6】

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 1D100<=55 正気度ロール (1D100<=55) > 2 > 成功

[メイン] system : [ 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) ] SAN : 55 → 54

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 近寄る。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 星住理奈さんに。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────大丈夫です、理奈さん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 抱擁する。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「落ち着いてください……大丈夫です、理奈さん、僕は、あなたの今の姿を見ても、軽蔑することなんて、ありません」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「約束したではないですか」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「世界があなたの敵になったとしても、僕は、あなたの味方でい続けると」

[メイン] 星住 理奈 : そこにいる怪物は、あなたをぼぉっと見つめる。

[メイン] GM : 戦闘開始です。

[メイン] 星住 理奈 : 「………にげ、て……」

[メイン] 星住 理奈 : 星住理奈は、その行動を取った貴方に何もしない。
自らの衝動に対抗しているかのようで、手が何度か伸びようとする。

[メイン] GM : 次、如月の手番

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 理奈さんの腕を掴み、引っ張り出します。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そして、家内を見渡しましょう。

この家のどこかに、"隠し通路"らしきものはないか。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 手番は、目星を使う

[メイン] GM : どうぞ

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : CCB<=80 目星 (1D100<=80) > 40 > 成功

[メイン] GM : 見渡した限りではそのようなものはない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「理奈さん、僕は……あなたの、お父さんの手記を、見ました」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……勝手に調べて、本当に、申し訳ありません」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「そして、その上で僕は」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────理奈さんと共に、生きて、歩む道を探したい」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「そのために、ここへ来ました」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────和江さん。理奈さんの、母方のお祖母さんが、この家に住んでいたことも、知りました」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「理奈さん、何でもいいんです、何か、知っていることがあれば、教えてください」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「どうか、お願いします」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────僕は、最期まで、この手を、離さないつもりですから」

[メイン] GM : 2ターン目。

[メイン] GM : 彼女は君に対して、言葉を返すことがない。
向けられる手が段々と、君の体に迫っていく。

[メイン] 星住 理奈 : 「……殺して」

[メイン] GM : それだけ言って、彼女は何もしてこない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「断ります」

[メイン] 星住 理奈 : 「………ころして……………ころして……」

[メイン] 星住 理奈 : うめき声のように何度も繰り返す。

[メイン] GM : 如月の手番。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : まず和室②へと理奈を引っ張っていく、内装はどうなっている?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 軽く見る程度だ、目星は使わない。

[メイン] GM : 机に椅子、化粧台、箪笥、本棚などがある。あまり片づけられていないが、機能的にも見えなくもない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……ここが、和江さんの部屋、だろうか。
この隣に、研究室があると、書かれていた……だけど、どこにあるかまでは、分からない。
………クソッ、時間がねぇ、一体どうしたら─────。

……分からないことだらけなら、可能性を、少しでも、潰していくしかない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : この部屋内を目星する

[メイン] GM : どうぞ

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : CCB<=80 目星 (1D100<=80) > 31 > 成功

[メイン] GM : あなたは今役に立ちそうな物を見つけることは出来なかった。

[メイン] GM : 3ターン目

[メイン] 星住 理奈 : 「殺して……逃げて…………殺して………」

[メイン] 星住 理奈 : 理奈が押さえつけていた衝動が、止められなくなる。

[メイン] 星住 理奈 : S1d100<=70 (1D100<=70) > 32 > 成功

[メイン] 星住 理奈 : 成功

[メイン] 星住 理奈 : 1d6+1d4 (1D6+1D4) > 2[2]+4[4] > 6

[メイン] GM : 回避ロールどうぞ

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : CCB<=20 回避 (1D100<=20) > 51 > 失敗

[メイン] system : [ 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) ] HP : 11 → 5

[メイン] GM : HPを一度に半分減少したので、CON×5で判定をしてください。失敗すれば気絶します

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : CCB<=55 CON×5 (1D100<=55) > 89 > 失敗

[メイン] GM : はい、では

[メイン] GM : あなたの体を目掛け、理奈の腕が振り下ろされる。
鋭利なそれは、あなたの体を、奥深くまでえぐり取ろうとする。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ぐッ………!?あ……か、はッ………!?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 真っ赤な血が飛び散る。激痛が、腹部を渡る。
人外なる者の一撃で、雨露の意識は、いとも簡単にショックへと落とす。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……く、そっ…………」

意識が薄れる中でも、理奈の腕を、離さず。最後の最後まで。

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………さて」

[メイン] 星住 叶奈 : 「着いたわよ、ここが私の家
 ……そういや、あんたは来たことなかったわね」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「趣のある家だね」
勝手にマンションとかに住んでると思ってた。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「うん。放課後山で鍵探したあとすぐ別れてたしね」

[メイン] 星住 叶奈 : 「それってどういう意味よ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……まあいいわ。理奈~? 一人着いてきたけど気にしない……
 あれ……鍵が開いてる?」

[メイン] 星住 叶奈 : 訝しげにしていた叶奈は、ハッとしていた顔で顔を上げ。
麻中をほおって、走って駆けていく。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…!?ちょっ、待って…!…お邪魔しまーす!」
その背中を急いで追いかける。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……っ!」

[メイン] GM : そこには気絶するように倒れた星住理奈と、血まみれの如月の姿があった。

[メイン] 星住 叶奈 : 「理奈……!! それに、こいつ……如月!?
 なんでこいつが……!?ああ、もう……!」

[メイン] 星住 叶奈 : すぐに物置に入り、戻ってくる。
物置からは救急セットを取り出し、倒れたままの如月を手当しようとする。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「えっ!?ジョーロくん!?」
星住さんに追いついて、その眼前の血だらけのジョーロくんの姿に驚き、『どうして?』という言葉よりも先に息があるのか確認して

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────気絶している。しかし、口を、ゆっくりと、開く。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………りな……さ……ん………か……ら」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 虫の息、というわけではない。
しかし、失血によるショックが、思考回路を阻害する。
目を閉じ、血塗れの中。それでも、ジョーロは、意志で、意地で。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 近くにいる誰かに、助けを、求めるように、そう告げた。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…なにがあったかわかんないけど、ジョーロくん、お姉さんを守ってたのかな」
しっかりと繋がれた両者の手を見ながら

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………そう。あんた、理奈が"ああ"なっても何もしなかったのね
 理奈も……必死に堪えようとしたみたいね」

[メイン] 星住 理奈 : 理奈もまた、額に血が流れていた。
まるで何かに抗うために、自らを傷つけたような跡だった。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……かも、しれないわね」

[メイン] GM : 麻中に言葉を返しながらも、叶奈は手当を二人に行う。

[メイン] GM : 1d3 (1D3) > 2

[メイン] GM : 如月はHP2回復していいですよ。
あと気絶状態から回復していいです

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 叶奈の迅速な応急処置により、失血は止まる。
また、台所より持ち運ばれた水を口にし、脱水も収まり
徐々に、徐々に意識が、戻っていく。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ぐらりと来る。焦点も合わない。目の前が真っ白なのやら、真っ黒なのやら、靄がが掛かっている。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────っ……あ、れ………俺………」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………死んだ……?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「生きてるよ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……運は良かったみたいね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………!?………え……あれ、なんで、ヨモくんがここに………?…………あ……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : まだ思考が纏まっていない中、学校の噂話が、ぽつりと、記憶から蘇る。

[メイン] 星住 理奈 : すぅ、すぅ……と寝息を立てている。しかしまだ顔色が青い。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………あー……そっか……… ……ごめん、二人の邪魔、しちゃって」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「それはこっちのセリフだよ…それにしても、本当に生きててよかった」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…ってなにを言ってるんだ!?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : あ~~~~~~~……?あーーー、あーー?そっか。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺がここにいる方が、おかしいのか、そっか。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……………いやぁ、なんて説明したらいいものか………はは」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……手当は、ヨモくんに、叶奈さんが……?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「そんな軽口言えるなら……頭もおかしくないみたいね」
はぁ〜、と息を付きつつも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ちらりと、隣に、静かに寝息を立てる理奈を見つけ、微笑みながら。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「俺は見てただけ、ほとんど星住さんがやってくれたよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「そっか……… ………ごめん、それと、ありがとう、叶奈さん」

[メイン] 星住 叶奈 : 「麻中くんがあんたが生きてるか見てくれたわ。
 ……あれは理奈がやったことでしょう。なら……代わりに謝っておくわ。……ごめんなさい」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────ごとりと、ポケットから、銃が落ちる。

それは。

ヨモにも、そして叶奈にも、伝わるもの。

如月 雨露という男が……。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : "事情"を知るものだという、証。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ジョーロは、それに気を留められるほど、まだ快調ではない。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「………!?」
ジョーロくんのポケットから落ちたものを見て、一瞬だけぎょっとするも

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……………いや、理奈さんのやったことでは、ありませんよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「違う……僕は、断言します」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : なんて、言いながらも。はぁ、と溜息を吐き、自らの額に、手の甲を添えて。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「……深くは聞かないけど、ジョーロくんが学校を休むくらいだから大変な目に遭ってたみたいだね」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………」
如月の落としたものに目を見開きつつも。
少なくとも……「何も知らない一般人」ではない、ということは理解したようで。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……………………あはは、ラノベの主人公みたいでしょ」
乾いた笑いと、そして。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………何も、できなかった」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 乾いた、自分に呆れた、自分に対する、失望の声。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…でも、なにもしなかった、ってわけじゃないんでしょ?」
「だからそんなもの持ってるんだし」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………おっと」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ヨモの言葉に、やっと銃の存在に気付いて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………まぁ、そうだけどね……はは、ヨモくんってば、なんだか、すごいな、参っちゃったや、全部見透かされているみたいだ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………………これは、お守り。"絶対に使わない"っていう、ね」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 平々凡々なジョーロくんが血まみれで倒れていて銃まで持ってたら流石に俺でも察するというか…。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…なるほど。なんかジョーロくんらしいね」
非日常においても、それでも平凡でい続けるという意志を感じて

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 肩を竦める。あ、痛っ、くっそ痛ぇ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そう言いながらも、体に鞭を打つ。
このまま二人に、倒れっ放しで喋るのも、失礼だ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「つつつつ……… ………ていうか、叶奈さんはまぁ、分かるとして」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────ヨモくんも」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ジョーロの、円らな、平々凡々な瞳が、ヨモへと向けられて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………知ってるんだ?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : さっきは、あれかな、二人のデートかなって、邪魔しちゃったなぁ、あーあって思ってたけど。
なんか、違う、いや、多分違くはないんだろうけど。
俺の言う違うっていうのは……。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────非日常側に、いるな?っていう、直感。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「う~ん…半分はそうかな」
そもそもジョーロくんが銃持ってる理由とか知らないし。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「もう半分は知りに来たんだ。これからどうすればいいのかって」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 頭を掻きながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………………………」

そして、ヨモの隣に立つ、叶奈の姿を、再確認し。
改めて、ヨモの目を、真っ直ぐと見て。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………ご覧の通り、僕みたいな、何も特徴の無い、力も無い、人徳も無い、財力も無い、主人公補正も無い、な~んにも無い人間が、果敢に立ち向かった結果が、この有様って言う、どうしようもない、ありきたりな、現実らしい悲劇にさ、僕らはさ、俺らはさ、いてさ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「聞くまでもないかな」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………ヨモくんも、"行く"んだね?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 聞くまでもないと言っておきながら、尋ねる。
なんていうか、ヨモくんはね、あの朝会った時から、なんか、違うなってね、思っててね。
俺と同じ、普通に男子高校生やってるってのは、そこは間違いないんだろうけどさ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺は、もうダサい真似をした。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : じゃあ、もう、どこまでダサくなっても、下がるものも、もう無い。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…うん。だからここについてきた」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 本来は星住さんに考えを改めてもらうため…だったけど、ジョーロくんも関わっているとなると、さらに事態は深刻になってるみたいで…かなり不安だけど。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : …………だよな。だから、いるんだもんな、ここに。

いやぁ、普通さ、こんな、血塗れな中でさ、もし俺が急に出くわしたら、もう一目散に逃げ帰っちまうかもしれねぇわけでさ。
命、一応、これでも、惜しくてね。
本当だよ、さっきはさ、あんなことしたけど、本当だ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : でもヨモくんは、まだここにいるんだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : やっぱ、違ぇなって、思った。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………………ならさ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 普通の人って思ってたジョーロくんが学校にも来ず血まみれでこんなところにいる。絶対にヤバいことだってわかる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「なんていうか、なんか………あれ………」

どう、伝えようかな、どう、しよっかな。あーー。もう、血が足りねぇし、それに、時間だって、ねぇ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……………力を貸してほしい」

……こうだよな。プライドはもう、地に落ちてんだ、こちとら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「俺一人でどうにかできるもんだとは思っちゃいなかったが」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………俺だけじゃ、無理だった」

歯痒そうに、眉を顰めて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……違う」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「力を貸してほしい、そんなじゃない」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────二人は、きっと、もう既に、道を見つけている。

俺は、ドン詰まりだ。この家の中のどっかに、研究室ってのがあるらしいのを掴んだはいいが、俺は探偵でも、なんでもないんだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………俺を、仲間に加えてほしい、頼む」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 真剣な眼差しで、そう告げた。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「………」
ジョーロくんの手を取って、ゆっくりと立ち上がらせて

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「……受け売りだけど、力は貸すものじゃなくて、合わせるものだって聞いた」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「だからお願いするのはこっちの方でもあるわけで…」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「コホンッ!…仲間とかじゃなくて、友人として…ジョーロくん、星住さんとお姉さんを助ける手伝いをして欲しい」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………………あは、ははは……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : もう、笑いしか、出てこなかった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ヨモの手を、入らない力で、掴んだまま、立ち上がるジョーロ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : なんていうか。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 良い子だなぁ。
そう思った。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………なら、気兼ねなく、手伝っちゃうわ」
素直になれねぇ、主人公になれねぇ俺は、ニヒルに笑うしかなかった。
笑ってんのは、ヨモくんに対してじゃねぇ。

自分に対しての、嘲笑だよ。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「ありがとう」
ニッと笑って

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………」
照れ臭そうに、少し耳元を赤くし、頭を掻きながら、目線を逸らして。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………ごめん、叶奈さん、少し、話し込んじゃった」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「もう、本当に、タイムリミット近いっていうのに、申し訳がない」

清き、礼節正しき俺を繕う必要も、ここじゃ、いらないな。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そんなペルソナ被る方が、失礼だ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「だから、俺の知る情報を全て話す」

[メイン] 星住 叶奈 : 如月の、普段との態度に少し面食らいながらも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────そして、ジョーロは、これまでの経緯を全て話した。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……なるほど、星住巌、星住美沙……ね」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : ジョーロくんなんかこの数日ですごい大冒険してる…!?

[メイン] 星住 叶奈 : 「星住巌の研究室をずっと使っていて思ったわ
 雨地和江への対抗策がない。でも……そんな所にあったなんてね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「俺もビックリだよ、何せ宇宙生物に対抗する組織があるだなんてね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「SFじゃあるまいっていうのに、あはは、でもまぁ、真実なんだ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : …話を聞いてると、星住さんが撃ち落とされたのって…。

[メイン] 星住 叶奈 : 如月に頷き。
叶奈は、考えるようにぶつぶつと一人で喋りながら。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……まあ、私だってSFみたいなものだから
 それに、あんたもあんたで色々してたみたいね」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……あんた、そんな血まみれでボロボロでも……止まる気、ないのよね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : その問いには、肩を竦める。洋画劇場に出てくる俳優のように。そして、笑うと。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 倒れ、静かに眠る理奈のもとへと歩み、そして起こさないように、優しく、丁寧に背負う。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「助けたいんだ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…星住さんの方はどう?少しは光明が見えた?」

[メイン] 星住 理奈 : 「……ぅ……きさ、らぎ……さん……」

[メイン] 星住 理奈 : 魘されているように顔色が悪かったが、抱き上げられた事で気持ち明るくなったように。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : その無事に安堵すると同時に、自分の無責任な行動によって、理奈さんを苦しめたことに、酷く胸を、痛める。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………本当に、ごめん……」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……雨地和江への対抗策はある、ってことは知れたわね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………………………」

和江への対抗策、という言葉の意味。

シルバーバレット、それを指しているのだろう。

ジョーロは、理解をした。愚かではない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……………叶奈さんは」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……………」
残酷な、問い。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : どう、言葉を選んだらいいのか。紡いだら、いいのか。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………"そのつもり"が、あるということなのか?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「私にとっては、理奈が助かればそれでいい」

[メイン] 星住 叶奈 : 「理奈以外の全てを捧げても。
 私にとっては、雨知和江も他人だから。
 ……例え、化物だ老が人であろうが、必要なら……ためらわないわ」

[メイン] 星住 叶奈 : ギリッ、と決意を改めるように、拳を握り締めつつ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「本気?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……あーあ、俺、性格悪。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : やめろ、マジで、この中でさ、その選択をするの、辛いのは誰かってのは、分かってんだろ、俺。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………いや、俺も、分かる、叶奈さん、そうだよ理奈さんは、必ず助けよう」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「でもさ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……………正義があるから、大義があるから、そうしなくちゃいけない理由があるから、そんな理由で、身内を、親族を、手に掛けるようなことは、俺は……させたくない」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「しちゃいけない、あっちゃいけない」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「時代錯誤もいいところだ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………………気分が、悪い」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 眉を顰めて、そう告げた、そして。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「だから、叶奈さん、君だけは、やっちゃいけない」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「やるなら………もしも、それしかないなら……………………」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : はぁっ。はぁっ。はぁっ。はぁっ。はぁっ。はぁっ。はぁっ。

………人を、殺す?

……………俺、が?

手記には、もう、巨大蜘蛛になっていると、そう書かれていた。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : だから、もう人じゃないですよってか………?

………撃っても、問題ないですよってか……?

元々、ちゃんと、俺達と同じ姿をしていた、人間なのに………?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……俺が、やる、それでいいか?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「───いや、俺がやるよ」
割って入るように口を出して

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 目を丸くし、ヨモへと視線を移す。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……如月くん、麻中くん……!?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「ジョーロくんはお祖母さんと約束したんでしょ?使わないって」
「家族が殺し合うのは俺もいやだし、だったら俺がやるしかないじゃん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………………………………………………」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ………はぁ。

自己嫌悪。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……嘘だと思うだろ?ああ、告白するよ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ホッとしている俺がいる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : なんだそりゃって話だよな。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………………検討、するよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「この銃は、俺が、美沙さんから託されたものだからね」
でも、ありがとう。とヨモに告げて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ポッケにしまった、命を奪う道具の重みを、改めて感じ取った。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…俺は本当に構わないから」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………真実がどうかはわからない。
 案外、あんたが悩まなくてもいいのかもしれない」

[メイン] 星住 叶奈 : 「それを確かめるためにも……行きましょう
 どうせ、元より時間がないんだしね」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……地下への扉は、庭にあるわ。ついてきて」

[メイン] GM : そうしてあなた達は叶奈に連れられ、庭へと向かう。

[メイン] 星住 叶奈 : 「あそこ。上手く隠されているけど、地面にハッチのような扉がある」

[メイン] GM : 叶奈は少し離れた庭の地面を指さす。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ここが……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……ヨモくん、お願いできるかな?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 叶奈さんに開けさせるのは、男として面目が立たない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 本当は、俺が開けりゃいい。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ただ、理奈さんを背負っている都合上、ヨモくんに頼むしかない。

[メイン] GM : 縁側であるここからでは一見わからないだろう。
君たちが、そちらを確かめようと一歩踏み出した瞬間。

[メイン] GM : 草木をかき分ける音が、何かが擦れあう音が、四方八方から、この敷地を取り囲むように聞こえてくる。

[メイン] GM : 夜の庭に、無数のシルエットが浮かび上がってくる。
それはあの夜に見た、巨大な蜘蛛の群集だった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────っ……!?!しま……!?」

[メイン] GM : 【正気度ロール:0/1d3】

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 1D100<=54 正気度ロール (1D100<=54) > 39 > 成功

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : くっ……そ!!こんな、時に…………!!!!

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 1D100<=70 正気度ロール (1D100<=70) > 32 > 成功

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────叶奈さん!!ヨモくん!!!すぐに地下に!!!」
発生。瞬時に。

[メイン] GM : 垣根を、塀を超えて庭に入ってくるものもいれば、どこに潜んでいたのか、君たちの背後から迫ってくるものもいる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : かの存在には、夜にも見た、故に、その脅威度は、身体で知っていた。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 指示は、速かった。

[メイン] 星住 叶奈 : 「雨地和江の目!なんでこんな……!?
 ……ッ、わかってる!」

[メイン] GM : DEX14との対抗ロールを振ってください。

[メイン] GM : 如月は星住理奈を抱えているので自動失敗です。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 蜘蛛…!?と一瞬だけ気をとられるも、ジョーロくんの声にはっとなって

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : GM

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺はゴネるぜ

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 理奈さんだけは入れさせてくれ

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 対抗ロールさせてくれ、俺は成功しても入れなくていいから

[メイン] GM : いいでしょう

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : RES(10-14) こうだったっけな (1d100<=30) > 6 > スペシャル

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : よし

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : res(11-14) (1d100<=35) > 97 > 失敗

[メイン] GM : 星住叶奈は素早く行動したため、自動成功とします

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「叶奈さん!!理奈さんを!!!」

[メイン] 星住 叶奈 : 「ッ!……わかった!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 背負った理奈を、叶奈のもとへと、渡す様にし。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そして自らは、しんがりと務めるように。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ヨ、ヨモくんも!!早く!!!」

[メイン] 星住 叶奈 : 「あんたたちは────……くッ!」
理奈を受け止め、二人を呼びかけるも……応戦すれば、蜘蛛が危ない。
迷った末に、叶奈はハッチへと入っていく。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「わ、わかった…っとおお!?」
夜の闇の中、家の敷地内といっても他人の家で、蜘蛛に注意を取られていたためその場にすっ転んでしまう。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あっ……!?ちょっ、ヨ、ヨモくん……!?……くそっ……!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 咄嗟に駆け出し、ヨモのもとへと急ぐ、走る。

[メイン] GM : 麻中は……ファンブル文HP-1で

[メイン] system : [ 麻中 蓬(あさなか よもぎ) ] HP : 11 → 10

[メイン] GM : そしてその隙を縫うように。
蜘蛛の怪物は一斉に、君たち目がけて飛び掛かってくる。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「いってぇ…」
かっこつかないな、クソ。

[メイン] GM : 切り裂かれる寸前、その刹那。

[メイン] GM : 複数の銃声が響くと同時に、目の前の怪物は黒い煙となり霧散した。

[メイン] GM : 君達が開けた視界の先には、拳銃を構えた星住美沙と、黒服たちが立っていた。

[メイン] 星住美沙 : 「佐竹さん、結界は?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────ッッ!?!?!」

[メイン] GM : 「展開済みです。
 今なら家ごと吹き飛ばしても、ご近所さんは食後のテレビを楽しめます。」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : クソッタレ、その言葉で、俺の胸に使っていた感情は、解放された。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「えっ…?誰…?」
って言うか銃声!?ここ日本だよな!?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : はは、あはは、なんだよ、全く………!!はははは!!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────本当に、最高だよ!!!アンタは!!!

[メイン] 星住美沙 : 「そいつは重畳。さあ、行きなさい!如月くん!!」

[メイン] 星住美沙 : 如月に目を向け、にやりと笑う。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「おうよ!!美沙さんッッ!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : サムズアップし、ニヒルに、ニヤリと笑う。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「全部終わったら、今度は、キチンとした」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「えっ、あれがお祖母さんなの!?」
って言うかジョーロくんキャラ変わってない!?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「デートでも、しようぜ!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 倒れ伏すヨモに、あはは!と笑いながらも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : その腕を、ガシッと掴む。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「そうだぜ、いい女だろ」

[メイン] 星住美沙 : 如月の言葉にかっかっか、と高らかに笑いながらも、向かう蜘蛛を霧へと変えていく。

[メイン] 星住 叶奈 : 「二人とも!こっちに!」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「えっ…う、うん」
立ち上がりながら、迫力に圧倒されて頷くしかない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ヨモの腕を、ぐいっと引っ張り、叶奈の声が聞こえる方へと、突っ走る。

[メイン] 星住 叶奈 : ハッチから顔を出し、二人が入ったのを確認し────閉じる。

[メイン] 星住 叶奈 : しかし、叶奈がハッチを閉ざす寸前、怪物が二体、滑り込むように扉の内側に入ってきた。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ッ……!!悪いッ!入るのが遅れた……!!」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「ごめんっ!俺が遅れたばっかりに…!」

[メイン] 星住 叶奈 : 「────ッ……しつこい!!
 ……反省は、アイツらを倒してからにしましょう!」

[メイン] GM : 戦闘開始です。

[メイン] 蜘蛛の怪物 : S1d100<=40 噛みつき (1D100<=40) > 97 > 失敗

[メイン] 蜘蛛の怪物 : ファンブル~🌈

[メイン] 蜘蛛の怪物 : 回避不可で

[メイン] 蜘蛛の怪物(1) : S1d100<=40 噛みつき (1D100<=40) > 45 > 失敗

[メイン] 蜘蛛の怪物(1) : 失敗

[メイン] GM : 星住の手番。

[メイン] 星住 叶奈 : 「如月くん!理奈をお願い!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ああ!!!」

[メイン] 星住 叶奈 : 押し付けるようにして、理奈の身体を如月に渡す。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 理奈を背負う、しっかりと。

[メイン] GM : 次、麻中の手番

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : わかった
回避不可の方にパンチしてみる

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : CCB<=50 こぶし (1D100<=50) > 24 > 成功

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 1D3++0 こぶし (1D3+0) > 2[2]+0 > 2

[メイン] GM : ギチギチッ!と、緑色の液体をまき散らし、怪物は怯む。
しかしまだまだ倒れそうにない。

[メイン] GM : 2ターン目

[メイン] 蜘蛛の怪物 : S1d100<=40 噛みつき (1D100<=40) > 32 > 成功

[メイン] 蜘蛛の怪物 : choice 叶奈 如月 麻中 (choice 叶奈 如月 麻中) > 麻中

[メイン] 蜘蛛の怪物 : 回避ロールどうぞ

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : CCB<=52 回避 (1D100<=52) > 22 > 成功

[メイン] 蜘蛛の怪物 : ちょっと待て早すぎだろ……

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : バスケしてるから…

[メイン] 蜘蛛の怪物 : 蜘蛛の怪物は、あなたへと手を伸ばすが────それは空振りに終わる。

[メイン] 蜘蛛の怪物 : S1d100<=40 噛みつき (1D100<=40) > 60 > 失敗

[メイン] 蜘蛛の怪物(1) : 失敗

[メイン] 星住 叶奈 : 叶奈の手番。

[メイン] 星住 叶奈 : 叶奈は片腕を上げ、それを怪物の方に向けた。

[メイン] 星住 叶奈 : 狙いを定めるように指を立てる。

[メイン] 星住 叶奈 : 大気が圧縮され、軋むような感覚の後、閃光。

[メイン] 星住 叶奈 : 1d6 (1D6) > 1

[メイン] 星住 叶奈 : そして、指先から放たれた光の奔流が怪物の脚を数本抉り取った。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「え、ええっ……?……んんん?え?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………ん????」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…今の、なに?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……これで信じてもらえた?私が宇宙人だって」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : え、何?今の、どういうこと?

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…あー、うん」
流石に頷くしかなかった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「は????????????????????????????」

向き合う叶奈と、ヨモの顔の双方を見やっている。

[メイン] 星住 叶奈 : 「如月くんに言うのは初めてだったわね。私、宇宙人だから。よろしく」
あっけらかんと言いながらも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ????????? え、いや、なんか、今の、え?
SF作品じゃあるまいしって言ったけど、え、これ、ラノベだった?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「!?!?!?!!??!!?!?!??!」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「俺もつい数時間前に知ったけど、そういうことらしいんだ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 目ん玉飛び出ちゃいそう。

[メイン] 星住 叶奈 : 「まぁ……残っている力も、前とは比べ物にならないくらい弱体化してるけど。
 私に残っている力は二つだけ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「頭おかしくなりそう」

[メイン] 星住 叶奈 : 「一つ目は、今さっき見たでしょ。
 精神力をエネルギーの噴流に変換して放つことができる。リスクが大きい割に、威力はお粗末だけど」

[メイン] 星住 叶奈 : 「でも、一つだけ取柄がある。必中。絶対に当たるってとこね。」

[メイン] 星住 叶奈 : 「多用すると廃人になる。取り回しは正直悪い。精神力は基本的には回復しないから、そもそも大した数撃てないけどね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ………なるほど?なんか、やっぱり、ラノベみたいな設定が、ズラズラと流れてくるわけだけど。
もう、俺は、これを疑えるような、そんな世界には、来ちゃいないわけで。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ………宇宙生物って、やつなのか?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : え????????????????????????

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 叶奈さんって、宇宙生物だったん???????????????

[メイン] 星住 叶奈 : 「……もう一つは……ああもう、終わってから話しましょうか!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「エ、ア、ハイ!!!!!!!!!!!」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「それがいいよ!」

[メイン] 星住 叶奈 : 「驚いてる暇はないわよ!ほら、麻中くん!」

[メイン] GM : 麻中の手番。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「任せて!」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : さっきと同じ相手にパンチ

[メイン] GM : どうぞ

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : CCB<=50 こぶし (1D100<=50) > 27 > 成功

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 1D3++0 こぶし (1D3+0) > 1[1]+0 > 1

[メイン] 蜘蛛の怪物 : S1D100<=28 (1D100<=28) > 60 > 失敗

[メイン] 蜘蛛の怪物 : くらいます

[メイン] GM : 3ターン目。

[メイン] 蜘蛛の怪物 : S1d100<=40 噛みつき (1D100<=40) > 78 > 失敗

[メイン] 蜘蛛の怪物 : 失敗

[メイン] 蜘蛛の怪物(1) : S1d100<=40 噛みつき (1D100<=40) > 37 > 成功

[メイン] 蜘蛛の怪物(1) : choice 叶奈 麻中 如月 (choice 叶奈 麻中 如月) > 麻中

[メイン] 蜘蛛の怪物(1) : 回避ロールどうぞ

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : なんか俺ばっか来てない!?

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : CCB<=52 回避 (1D100<=52) > 26 > 成功

[メイン] GM : 回避タンクで確定

[メイン] 星住 叶奈 : 叶奈の手番

[メイン] 星住 叶奈 : POWを消費して【劣化】エネルギー・ブラスト

[メイン] 星住 叶奈 : 1d6 (1D6) > 2

[メイン] GM : 次、麻中君

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 弱ってる方にパンチ

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : CCB<=50 こぶし (1D100<=50) > 5 > 決定的成功/スペシャル

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 1D3++0 こぶし (1D3+0) > 3[3]+0 > 3

[メイン] GM : おお

[メイン] GM : ダメージ2倍と回避不可どっちがいい?

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 手堅く回避不可で

[メイン] GM : わかった。ということはHP3の方かな

[メイン] 蜘蛛の怪物 : 蜘蛛の一匹は、ヴジュルと音を立て、影へと散っていった。

[メイン] GM : 4ターン目。

[メイン] 蜘蛛の怪物(1) : S1d100<=40 噛みつき (1D100<=40) > 79 > 失敗

[メイン] 蜘蛛の怪物(1) : しっぱい

[メイン] 星住 叶奈 : エネルギーブラスト

[メイン] 星住 叶奈 : 1d6 (1D6) > 1

[メイン] 星住 叶奈 : なんで???

[メイン] GM : え~ま~

[メイン] GM : 麻中くんどうぞ

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : パンチ

[メイン] GM : どうぞ

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : CCB<=50 こぶし (1D100<=50) > 72 > 失敗

[メイン] GM : 失敗。

[メイン] GM : 5ターン目

[メイン] 蜘蛛の怪物(1) : S1d100<=40 噛みつき (1D100<=40) > 89 > 失敗

[メイン] 蜘蛛の怪物(1) : しっぱい

[メイン] 星住 叶奈 : いい加減いいのでろ!

[メイン] 星住 叶奈 : 1d6 (1D6) > 6

[メイン] 星住 叶奈 :

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : !!

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : !!!

[メイン] GM : では麻中の手番

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : パンチ

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : CCB<=50 こぶし (1D100<=50) > 74 > 失敗

[メイン] GM : はい

[メイン] GM : 6ターン目

[メイン] 蜘蛛の怪物(1) : S1d100<=40 噛みつき (1D100<=40) > 64 > 失敗

[メイン] 蜘蛛の怪物(1) : 失敗

[メイン] 星住 叶奈 : 「……ッ、はあ、はぁっ……あんたも、男なんだから頑張りなさいよね……!」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「これでもっ、必死に、やってるんだけど!?」

[メイン] 星住 叶奈 : 叶奈は先ほどよりも顔色が優れないようにも見える。
だが、指を蜘蛛へと向ける。

[メイン] 星住 叶奈 : 1d6 (1D6) > 5

[メイン] GM : 衝撃により、蜘蛛は散った。

[メイン] GM : 戦闘終了です。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………っ………叶奈さん!ヨモくん!無事か!?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「俺は傷ひとつないから大丈夫…だけど」
星住さんの方に向き直って

[メイン] 星住 叶奈 : 「……は~……はあ~……なんとか、ね……」

[メイン] 星住 叶奈 : 頭を押さえ、ふらりと二人の方へと向きながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………………」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : なんとなく、察する。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「さっきのやつ、精神力を消耗するって言ってたけど、大丈夫?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………ヨモくん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「俺は、理奈さんを背負ってるんだ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「だから、ね?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「うん」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「うん?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 肩を竦め、ニヒルに笑う。そして顎を、くいっと。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……大丈夫かで言うなら、良いとは言えないわね」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……なによ、その目は」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : へへへ、と笑いながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……おっと、俺は理奈さんを安全な場所に運ばなくちゃだから、この辺で~」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 気を利かしてるつもりで、二人から距離を少し取る。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「………」
おずおずと星住さんの近くまで歩いて行き

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「あの…必要なら、肩…貸そうか?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「………………」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………まあ、お願い」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : なんか一瞬だったけどめまぐるしく表情変わったな…。とか思いつつ、星住さんの腕を自分の肩に回すように促して

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…しょっと」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……ん、んん……」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……楽に……なったわ、ありがと」

[メイン] 星住 叶奈 : それ以上言葉が続かず、口を閉じたままになり。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…それなら良かった。行こっか」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 自分も黙ってしまう。別に肩を貸すくらい普通のことって意識だったんだけど。

[メイン] 星住 叶奈 : 「………………」

[メイン] 星住 叶奈 : 「そ、そういえば!その!……さっきの話の続きね!」

[メイン] 星住 叶奈 : 「私には、他者から精神力を提供してもらえる力があるの!
 これは相手に提供する意思がないと受け取れない。……まあ、かつては一方的に奪う力だったんだけどね、弱りに弱ってこの様なの」

[メイン] 星住 叶奈 : 「使うかどうかはわからないけどね……
 ……そういえば、如月くん」

[メイン] 星住 叶奈 : 肩を貸してもらいながら向き直る。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ニヤニヤしてる。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……理沙はきっと、自分の素性を明かさなかったでしょう
 私が宇宙人……それも、吸血鬼だってはな……し……」

[メイン] 星住 叶奈 : 「何笑ってんのよ!!!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ひゃ~~~~~~~!!怖い~~~~~~!!」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 真横で怒鳴られて耳がきーんってなる。

[メイン] 星住 叶奈 : 麻中の肩から離れて、にやけてる如月を殴ろうとする。

[メイン] 星住 叶奈 : が、当然無理なのでじたばたする。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ちょっ!ヨモくん!制して!!お願い!!!」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「お、落ち着こう!喧嘩より先にやることがあるんでしょ!」

[メイン] 星住 叶奈 : 「いい事を思いついたわ。アイツに弾丸を打てば口うるさいのも止まるでしょうねえ……!」
と言いかけたが、麻中の言葉に我に返り。

[メイン] 星住 叶奈 : ……こほん、と咳払い。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……鶴の一声ならぬ、彼ピッピの一声?」
余計な追加発言。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : なんか凄まじく勘違いされてる気がする。

[メイン] 星住 叶奈 : 「はぁ~~~~!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「まぁまぁまぁまぁまぁまぁまぁまぁ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……理奈、アイツに騙されてんじゃないの……
 勝手に風呂とか覗いてないでしょうね~~!?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「それで、精神力がなんだって?」
ニヤニヤニヤ。

[メイン] 星住 叶奈 : すげえイラついた顔で如月を見つつ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あ、風呂はまだ覗いてないです」
ちょこんと手を挙げてる。

[メイン] 星住 叶奈 : 「とにかく、私は────」
と、麻中に話した正体を明かす。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ………これまた脳のキャパがオーバーしそうな情報だ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……つまり、理奈さんが、本当に叶奈ちゃんでっていう……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「いや、でもちょっと、分からなくて」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「宇宙人叶奈さんが、真・叶奈さんのことを……ああいいや、理奈さんの方が、呼びやすいし、そうするとして」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「理奈さんを助けたいと願っているのは、すっごく理解したし、俺も協力したいんだけど」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「二つくらい、どういうこと?っていうのが、あるんだ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「まず……叶奈さん、君は、自分を犠牲にして、理奈さんを助けようとしているけど、まぁ、これは、ぶっちゃけ俺もそうなんだけど、でも、"違う"」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「まるで、確証があるみたいな言い方だ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………そうね」

[メイン] 星住 叶奈 : 「それに関しては、研究室の実物を見てもらう方が早いわ。それで、次は?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ん、わかったよ、と頷いて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……時間が無いっていうのも、どういう意味なんだろうな?って」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あまり、踏み込んじゃいけない質問だったり、するかな……?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 叶奈さんは、どうやら、もう残された時間がないとのことだけど。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 別に、巨大蜘蛛の呪いが掛かっているだとか、そういうような気は、しない。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……あんまり詳しく言ってなかったわね」

[メイン] 星住 叶奈 : 「時間がないっていうのは、宇宙の同胞に、よ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「再三の帰還命令を無視して、人間に手を貸してる。任務を放棄した裏切者に見えたんだろうね」

[メイン] 星住 叶奈 : 「見たでしょ?さっきの蜘蛛の怪物
 あれが十匹いても一撃で消し飛ばすような力を、”私たち”は持ってる」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………………厳しい、世界にいたんだね」

[メイン] 星住 叶奈 : 「裏切者の末路なんて、人間の世界だって同じよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 情によって、この地に留まっている。
向こうの事情は、検討もつかないが……楽観的に考えるよりは、悲観的に見た方が、いいんだろうね。
………なんていうか、本当に、世知辛いもんだ。

[メイン] 星住 叶奈 : 遠い目を、向けながらも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………まぁ、ね…… ………一番、恐ろしい敵、それは」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「強大な物理的力を持っているものでも、多くの軍勢を抱えるカリスマ力を持つものでも、人を簡単に騙せる知能を有するものでもなく」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「"自分達の情報"を握っている者……だからね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : …………とは、言え、だ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : こうして、事情を知っちゃったわけで、それに、はいそうですか、お気の毒になんて、さらっと流せる気もしない。うんざりするような話だ。どこの世界にいっても、理不尽は付き物。全く、現実逃避したくなるオタクが多いのも納得だ。俺も最高に、気分が悪いってもんだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : が…………まぁ、慰めの言葉は。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ちらりと、ヨモの方を見やる。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : はぁっとため息を吐いて
「分からず屋の同胞も分からず屋ってことかぁ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 彼ピッピの一声。キレ味あるな。

[メイン] 星住 叶奈 : 「はぁ〜〜!?!?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「あんたんとこだって同じでしょうが!
 そこの如月も自分の身ばっか削るお人好し!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : お、痴話喧嘩の気配。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「俺はいいんだよ!今は星住さんの話だし!」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「こほんっ!…で、話を戻すけど、星住さんはもう元の宇宙人には戻れないんでしょ?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : おお……ヨモくんが、こう、大きな声で主張するの、始めて見た。貴重な瞬間見ちゃったかも。

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………。 そうね」

[メイン] 星住 叶奈 : 「力を吸収して元の姿から離れすぎた以上、戻るのは難しいわね」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「だったら宇宙人の同胞に事情を話して、こっちで人間として生きていくってわけにはいかないの?」
「元に戻れないから帰れないのに、命令を聞かないから処分するって、そんなのおかしいじゃん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : さっすがヨモくんだ。俺が思ってたのと、同じこと思ってた。

まぁ俺達からすりゃ、向こうの文化を知らないわけだし、クリティカルなことは、何一つとして言えないわけだけどさ。

でも、可能性ってのは、捨てきるのも、いただけないよな。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 今回だってそうだ、俺達は、諦めないために、ここにいるんだ。

なら、ここでもそうだろう。はいそうですか仕方ないことですねで受け入れられるほど、少なくとも俺は、大人にはなりきれちゃいない。

[メイン] 星住 叶奈 : 「まだ連絡出来たなら……そうだったかもね
 でも、一度仕向けられた刺客はどんな理由があっても使命を果たさなければならない」

[メイン] 星住 叶奈 : 「果たせなかったら、次に処刑されるのは当の刺客なのよ。……相手も必死でしょうね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 世知辛ぇ、サイバーパンクの世界かなんかか?

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「それならさ、手遅れになる前に、これ以上被害者が出る前に、連絡手段を見つけよう!」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……残念だけど、それも無理。
 あなたたちと出会う前に何度も試したわ。……結果は、どれも届かせるまでいかない」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「まぁまぁ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「今回の件が終わったら、今度はそっちの対処も、"みんな"でさ、考えよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「俺は二人に頼った、そしてヨモくんも、俺に頼ってくれた」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「偉そうなことは言えないけど、まぁ、あれだよ、あれ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「叶奈さんも、"頼る"っていうの、ちょっとくらい使っても、い~んじゃな~い?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………その方が、彼ピッピにもっと好きになってもらえるだろうし」
ボソッ、と追加攻撃して。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ちなみに、その刺客とやらが来るのって、いつ頃よー」

[メイン] 星住 叶奈 : また、明らかに機嫌が悪そうな顔になりながらも。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……そうね。もうそろそろ来る頃合いだと思う
 遅くても、今年中には来るでしょうね」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : えっ、今日12月23日だよね?
あと7日以内…?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「なら、みんなで対策しなくちゃって感じだね」
……言うて、今年か、今年。
もう12月だぜ、やば。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…でも、その刺客の人が来るなら好都合かもしれない」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「星住さんとだってこうやってちゃんと意志疎通できてるし、話せばわかってもらえるかもしれない」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………ま、わかったわよ。
 そこまで言うなら……試してもいいかもね。どうせ、如月君の言う通りまだまだ先の話なんだから」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あ、それともう三つ目、分からないことがあるんだ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…よかった。俺ひとりじゃなかなか説得できなかったし」
「ジョーロくんのおかげだね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ヨモの言葉に、少なくとも嬉しさを感じているのか、へへっ、と笑いながらも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 二人の返答を待つ前に。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「多分、これが俺にとって一番大きな疑問点になるんだ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「だから、心して聞いてほしい」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 真剣な声で、シリアスに。

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………」

[メイン] 星住 叶奈 : 如月の言葉に、叶奈は目をしっかりと向ける。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ヨモくんも、しっかり聞いてほしい」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「えっ、なに急に改まって?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ゴゴゴゴゴゴゴゴ

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「二人って」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「いつから付き合ってたの?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「────は?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「────は?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 期待の眼差し。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ✨✨👀

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : ……ずーっと思ってたけど、勘違いされてるよね?

[メイン] 星住 叶奈 : 「あのねえ!麻中くんとは!なれゆきで知り合った友達よ!!
 と!も!だ!ち!!」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「そうそう、俺たちはそういう関係じゃないんで」
「なんかなし崩し的に協力してこうなってるだけで、ただのクラスメイトで…」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「なるほどね」
なるほどね。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「OKOK」
OKOK。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「そういうことにしておくよ」
そういうことに、ね。

[メイン] 星住 叶奈 : 「ッ~~~~~~~!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : え、めっちゃ顔が怖い、ナンデ?

[メイン] 星住 叶奈 : 「麻中くん!!!あいつに好きかって言われて悔しいと思わないの!?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : …なんか顔が熱くなってきた。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「えっ…急になにを…?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : あ、二人とも顔が赤い………。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : アラアラウフフってやつだわね。(*^ω^*)

[メイン] 星住 叶奈 : そういう叶奈の顔も、薄らと赤い。
指摘されなければきっと気づかないだろうが。

[メイン] 星住 叶奈 : 「というか!如月くんも如月くんよ!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ん?なになに?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「理奈とはどうやって知り合ったのよ!
 まさかあの子の優しさに付け込んで好き勝手してないでしょうね!?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「うーん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「運命の悪戯ってやつかなぁ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「まぁでも、理奈さんは俺」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「幸せにするつもりなんでね」
真面目に、そう断言し。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : …さらっとすごいこと言ってるなぁ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「そんなわけで~」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「二人も、お幸せに」

(^^)

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ノシ

[メイン] 星住 叶奈 : 「殺す」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「なんで…………………?(汗)」

[メイン] 星住 叶奈 : 「あんたみたいなのに理奈を預けられないからよ!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「そ、そんな!?義妹ちゃん!!そこをどうか………!!!」

[メイン] 星住 叶奈 : 「義妹じゃ……ねえ!!」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : …星住さん、やっぱりお姉さんのこと大切に想ってるんだなぁ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あ、お義兄ちゃんって呼んでもいいよ」

[メイン] 星住 叶奈 : 麻中の肩をガタガタふるわせ、今にも飛び掛る勢いだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ヨモくーーーーーーん!!」

[メイン] 星住 叶奈 : 「絶ッ対嫌!
 あんたをそう呼ぶくらいなら麻中くんを「ヨモ」って言うわ!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「おっ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「いいんじゃない?試しに呼んでみたら?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「なんか話があらぬ方向に行ってない!?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「まぁまぁまぁまぁまぁまぁまぁまぁまぁ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「はぁ!?!?!?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「………………」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………ヨモ」
超小声で。

[メイン] 星住 叶奈 : 「はい!!!言ったからもうナシ!!!」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 小さな声だったけど聞こえて…ちょっとドキッとした。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「………」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ニマニマニマニマニマニマニマ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : まぁ、ね?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 女の子側が、頑張ったんだから、ね?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ガ~ンバ、ヨモくん。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そろそろマジで俺、お邪魔虫だから、はけとこ。

二人の空間になるように、少し距離を取る。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…いつまでもここで話してたってらちがあかないし、外で待ってるお祖母さんたちも心配だから、そろそろ先に進もう…って、なんで!?ジョーロくんどこ行くの!?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……………………」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : …まずい。なんだかわからないけどひじょーにまずい。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「あー…その…」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 軽く汗をかきながら、顔を俯かせて

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「先に進もう。ジョーロくん──」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「───カナ!」

[メイン] 星住 叶奈 : 「なっ────」

[メイン] 星住 叶奈 : 顔が、かぁぁぁぁっ……!!と、赤くなる。

[メイン] 星住 叶奈 : が、すぐに、そっぽを向いて顔を隠そうとして。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……え、ええ、そ、そう、ね」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……早く!!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 二人を背に、にこにこしながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : こんな状況下で何やってるかって?いやいや、これでいいじゃん。
忘れちゃ、いかんっしょ?自分達はさ、人として、平和に暮らしていいんだ。
どんな小さなことでも、些細なことでも、人と繋がるっていうことだけは、忘れちゃいけない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 戻りたい日常があるから、守りたい日常があるから、頑張れる。
この愛おしくて、癒される、憩いになる心情ってやつは、原動力だ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺は、どんな状況でも、いかなる場合でも、人間らしくいるぜ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ジョーロは、背負う理奈の位置を整え、より凭れかかれやすくし
なるべく、振動を与えないように、慎重に、丁寧に、奥へと進んで行った。

[メイン] GM : そうして、地下には似つかない、近未来的な扉がある。

[メイン] GM : 叶奈が幾何学模様の鍵を不思議な鍵穴に差し込むと、それは独りでに回転した。

[メイン] GM : シューンという、空気が抜けるような音とともに扉が開いた。中は見たこともない機材で溢れていた。

[メイン] GM : 人間一人は入るであろう円柱型のカプセルはケーブルやチューブで機械と繋がっている。

[メイン] GM : 操作する端末だろうか、様々な機材に繋がれた先にはチューブが挿し込まれたガラス製のカートリッジがある。多くの実験器具に加え、測定機のようなものも置かれている。

[メイン] GM : 一見電子レンジのように見えるそれは、中に何かを入れて使う装置のようだ。
研究資料のようなものも散在しているが、よくわからない数値の推移や、専門的な用語が多く内容はほとんど理解できない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「うお…………………」

[メイン] 星住 叶奈 : 「ここは星住巌の研究室だった場所。
 そして今は、私の研究室でもある。星住巌はここで、家族を救う術を模索していた。
 しかし、星住巌は至れなかった」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 何か、この場に似合うような言葉を探そうと思ったが、見当たらなかった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ただ、感嘆の声を上げるしかなかった。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…すっげ、なんだこれ」
研究室とは聞いていたけど、想像していたものとは全然違っていた…。なんか近未来的だった。

[メイン] 星住 叶奈 : 「叶奈を救いたいという、私と彼の願いは同じだった。私は彼の意志を継ぎ、研究を続けていた。そうして、ついに…叶奈を救う手段を完成させた」

[メイン] 星住 叶奈 : 叶奈はそう言うと、円柱状のカプセルの前まで移動する。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………!?……こいつは、一体……?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「言ったわよね、見ればわかるって
 これがそれ、抗神性因子剤製造カプセル。これが叶奈の呪いを打ち消す薬を作る装置」

[メイン] 星住 叶奈 : 「宇宙吸血鬼の吸血鬼化という病気の感染、性質を利用し、対象の中にある神性因子を貪食、対消滅させる抗神性因子剤を製造することができる」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : ??????

[メイン] 星住 叶奈 : 「早い話が、ウイルスにウイルスをぶつけてどっちも消すのよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : だめだ、その専門用語の羅列は、脳がバグる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……はーん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「毒を以て毒を制すってこと」

[メイン] 星住 叶奈 : 「そういうこと」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…なるほど」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………そういう、ことかぁ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ………大きな溜息。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 叶奈さんは、自分が犠牲になることで、この事件の解決になると、豪語していた。確証を得ていた。そのタネが、これだ。

[メイン] 星住 叶奈 : 「カプセルの中に宇宙吸血鬼を収納し、ボタンを押すことでカプセル内の吸血鬼を分解即圧縮。
 性質を維持したままカートリッジに押し込むことができる。」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……なるほどね、こりゃあ、そうだ。

[メイン] 星住 叶奈 : 「あと、起動は一回が限界。
 起動時に消耗する薬剤と機材は、もう確保することができないから」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────宇宙人じゃないと、ダメだ。
そして、俺達地球人じゃ、どうしようもない。

[メイン] 星住 叶奈 : つらつらと、叶奈は自らの死へ向かうための準備を話していく。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「クソッタレな舞台を、神様はこれでもかってくらい、用意してんね、ほーんと」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「なんだよこれ、叶奈さんに、死ねって言ってるようなもんじゃん」

[メイン] 星住 叶奈 : 「そうよ。あの子を助ける方法がこれしかなかった。
 だから星住巌の研究を引き継いで、私が作ったの」

[メイン] 星住 叶奈 : 「そこに注射器がある。
 起動後、抗神性因子剤が入ったカートリッジをセットして、叶奈に注射する……っていうのを」

[メイン] 星住 叶奈 : 「お願いしたいの。君達に」

[メイン] 星住 叶奈 : 如月、理奈、そして……麻中。それぞれを見やり。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……もうわかってると思うけど、宇宙吸血鬼は、私。私は叶奈と一つになって、彼女の『本当の望み』を叶える」

[メイン] 星住 叶奈 : 「その子に『星住叶奈』を返し、人間に戻す。
 だから、ヨ────いいえ、麻中くん」

[メイン] 星住 叶奈 : 言いかけた口を、閉じ、開く。

[メイン] 星住 叶奈 : 「ここで、さよならをしよう」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 目を細め、そして隣に立つ─────少年へと、視線を向ける。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「……俺はやだよ」
数時間前にカナさんに言ったことを、もう一度つぶやいて

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「こんなすごいものを作れるなら、まだやれることはあるはずなのに…それなのに…」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「俺は…まだカナさんとはさよならをしたくない…!」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………分からず屋、だなんて言われるのはわかってる」

[メイン] 星住 叶奈 : 「私だって……未練がないと言えば嘘になる。
 ……でも、いいんだ、麻中くん」

[メイン] 星住 叶奈 : 「理奈……いや、叶奈の呪いを消して、あの子に報いることが出来る
 叶奈の中で……二人と一緒にいられる。……だから、嬉しいよ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「………」
カナさんの方を直視できず、ジョーロくんの方に向き直って

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「ジョーロくん、お姉さんは、どう言ってたの?…その…カナさんのこと」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────理奈さんは、自分の体が弱いことを気にしていた。
そして、それが原因で、妹がいじめられていないか、心配をしていた。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………大切に思っていた、間違いなく、ね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「何せ……理奈さんにはもう、家族と呼べる、掛け替えのない存在は」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「叶奈さんしか、いないんだから」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「"報いる"」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「確かにね、話を聞いて、理奈さんに恩義があることも分かる」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「俺がもしも、叶奈さんの立場なら、同じことをしているよ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……なら」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「だから、責めるつもりはないね、全く」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「で、だ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────しかしこうして、第三者から見るとな」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「全然報えてねぇよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「理奈さんからすれば、明日、ふと意識を取り戻したら」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「もう、いなくなってんだ、大事に思っていた妹が」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「心に、ぽっかりと、大きな穴が空いちまうんだ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「もちろん、宇宙人の技術とかで、そこらへんの細工はできるかもしれねぇが……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「そういうことじゃ、ないだろ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「俺は気分が悪くなる」

[メイン] 星住 叶奈 : 「………………」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……口が悪すぎたな、心が痛む。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : だってよ、俺だって分かりきってんだからな。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 叶奈にとっちゃ、これが、最善なるものだとは、思っちゃいねぇ。
馬鹿じゃねぇんだ、賢いんだ、それくらい、分かってんだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺はただ、閉じて隠した傷口を、ただ広げただけに過ぎない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 偽善だな。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……そんなことは、わかってる
 だから、あなた達がいて……私は、安心した」

[メイン] 星住 叶奈 : 「私を覚えてくれる人が。そして、叶奈と仲良くしてくれる人がいてくれる。
 それなら……傷は出来ても、いつか癒える」

[メイン] 星住 叶奈 : 「穴なら……塞げるでしょ。
 あなた達が居てくれるなら」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 『ジョーロくんもこう言ってるし、お姉さんだってカナさんのことを大切に想ってる』

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 口に出そうと思った言葉は出てこず、ただパクパクと口を開くだけで…。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : そうじゃなくて、俺が本当に言いたいのは、カナさんに伝えたいことは…!

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…カナさん、俺と山で最初に会った夜のこと覚えてる?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「ええ、もちろん。
 叶奈と山にいたら、あなたが急に来て……つい、鍵を落としちゃったのよね」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…うん。あの時、本当は俺…隕石が見えたから、それを追いかけて山に来たんだ」
「なんか恥ずかしかったから、次の日の朝に尋ねられたけど誤魔化しちゃったけどさ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「隕石。……そんなのが落ちてるだなんて……知らなかった。
 ……あそこの裏山は、何かを引き付ける力でもあるのかしらね」

[メイン] 星住 叶奈 : 冗談交じりに、笑いつつも。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 俺も引き寄せられたみたいだしね。と、笑いつつ

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「あの日から、俺とカナさんの関係は始まったけど、最初はただのクラスメイトで、怖い顔して詰問するわ、無理矢理探し物手伝わせるわ、とんでもない人だって思ってたんだ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……。 とんでもない人って……随分な言い草じゃない
 今もそれは変わらない、ってことかしら?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「まあ、麻中くんみたいに……いい人じゃないのは十分わかってる」

[メイン] 星住 叶奈 : 最後まで、こんな態度だもの、と加えつつも。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : ゆっくりと首を左右に振って
「最初は俺のお人好しなところにつけ込まれたのかも…って思ってたけど、少しずつだけどカナさんのことを知って、それは違うって思い直したんだ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「本当はお姉さんのことを誰よりも大切に想っていて、そのためだったらなにもいとわない。すごく純粋に優しい人」
「今この場にいることだって、そのためだしね」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………っ」

[メイン] 星住 叶奈 : ただ何も言葉を返せず、髪を指で触れる。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「だから俺もちょっとムチャして、頑張ってみようって思えたしね」
鍵を見つけた日のことを思い出しながら

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…でさ、その次の日…今日なんだけど、急に『私は宇宙人なの』とか言われて滅茶苦茶混乱して、あれ?俺夢見てる?とかついさっきまで思ってたりして」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「夢なら夢でも良いか。大変な思いもしたけど、ここ数日楽しかったし」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……夢、夢……ね」

[メイン] 星住 叶奈 : 「私も、似たような夢を見たわよ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「あの子とさよならを言うために裏山に来たのに、ヘンな奴が来たって。
 しょうがないから、鍵を手伝わせるために……あいつを利用してやろうと思ったのに」

[メイン] 星住 叶奈 : 「バイトを休んでまで手伝って。わざわざ、夜まで使って見つけてきて」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……時には、パンの話もしたわね。
 総菜のパン。アレを語るときのあいつ、私といる時より楽しそうでムカついたわよ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………でも、そうね」

[メイン] 星住 叶奈 : 「気持ちは、同じよ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「………………私も」

[メイン] 星住 叶奈 : 「楽しかった」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 『楽しかった』
彼女のその言葉に目頭が熱くなって、俯いてしまう。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「カナさんも…そうだったのなら、俺も、嬉しいよ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…でも、でもさ、いざその夢が覚めるのが目前だとわかったら、俺は怖くなったんだ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……怖くなった?……どうして?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「楽しかったからだよ。俺にはこの数日の出来事が本当にかけがえのないものだって、今頃わかったんだ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………」

[メイン] 星住 叶奈 : 「じゃあ……どうするの?
 夢は、いつか覚めないといけない。現実に戻らないといけない。
 ……ずっと夢を見てることなんて、出来ないのに」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「………ッ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : カナさんに分からず屋とか言って置いて、本当に分からず屋で未練がましいのは俺の方だ。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : ジョーロくんに助言してもらったり、お姉さんの気持ちを代弁したり、どんな手を使ってでも、どんなみっともなくても、俺はカナさんに、目の前の女の子に消えて欲しくなくて。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「……夢から覚めないといけないのは、そうだけど!」
「だけど、できるなら夢から覚めたあとも、俺は…」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「カナさん、君と一緒にいたいんだ!」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………っ!?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「同じ夢を見てるなら、一緒に目覚めて、次は現実でも一緒に…俺はいたい」

[メイン] 星住 叶奈 : 「な、なに…………!!言って…………!!」

[メイン] 星住 叶奈 : 「────…………ッ!!!」

[メイン] 星住 叶奈 : 栄子や、他のみんな。理奈。みんなといる時間は楽しかった。
でも、それは「星住叶奈」を好きなだけ。
「私」は────どこにもいない。

[メイン] 星住 叶奈 : だからこそ、私は……叶奈に、「星住叶奈」を返したかった。
裏切の果てに、みっともなく生にしがみついた私なんて。

[メイン] 星住 叶奈 : でも────彼は、あなたは。あいつは。麻中くんは。ヨモは。

[メイン] 星住 叶奈 : 「────っ、し………」

[メイン] 星住 叶奈 : 「私だって!!!!!!一緒にいたいよ!!!!!!!!!バカッ!!!!!!!!!」

[メイン] 星住 叶奈 : ダンッ、と思いっきり、地面を蹴る。
ぎりりと、力強く自分の拳を握って。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「それなら!軽々しく!自分の命でお姉さんを治すとか!ここでさよならなんて言うなよ!」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………ッ!!!」

[メイン] 星住 叶奈 : 「わかってるわよ!!!そんなことッ!!!!!」

[メイン] 星住 叶奈 : 目の前に、直情的につかみかかる。

[メイン] 星住 叶奈 : 「でも、でもっ………!!!」

[メイン] 星住 叶奈 : 「それしか、方法がないなら、仕方ないじゃない……」

[メイン] 星住 叶奈 : 掴みかかった手は、ゆるゆると力が抜けて。

[メイン] 星住 叶奈 : ぽすりと、蓬の胸に、顔を埋める。

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………生きたい、よ」

[メイン] 星住 叶奈 : 彼女の顔は見えない。怒っているか、泣いているか、なんて。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…生きたいなら、生きようよ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「さよならするのは俺たちじゃなくて、こんな夢から」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「夢から覚めたら、お姉さんの病気が治っていて、ジョーロくんがいつも通り学校にいて、カナさんもただの普通の女の子…そんな現実が待ってるはずだよ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「そんな現実で、俺たちと一緒に、生きよう!」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……っ…………」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………う、ん……」

[メイン] 星住 叶奈 : こくりと。君の胸の中で、わずかに動いた気がした。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : カナさんと同じように俺も頷いて、いつもより小さく感じる彼女の身体を優しく抱きしめた。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────二人の抱擁を見て、心から、祝福するように、微笑んで。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……なら、全員大生還の、大ハッピーエンド、見つけなくちゃね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「と、言っても─────」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……俺は、今のヨモくんの言葉で、少し……思い当たるものがあった」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「二人とも、聞いてくれるかい?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「正直なところ、これは、なんとも」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────"賭け"になる」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「これ一つで、円満になるかっていうと、俺は………"わからない"」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「もしかしたら、覆水盆に返らず、となる結果になるかもしれない」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…それでも、なにもしないよりはマシだと俺は思う」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : にやりと笑い、そして、頷く。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……っ、あっ、ん、ん」

[メイン] 星住 叶奈 : 如月の言葉で、抱き着いていた状態から少し離れながらも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : もっとくっついてていいよ?って、小声で突っつく。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : あっ、ごめん。と慌てて手を離して

[メイン] 星住 叶奈 : 「……そこまで自身があるなんて、どんな”賭け”なのよ」

[メイン] 星住 叶奈 : ジト目で如月を睨みつける。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : おーこわこわ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : へへ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………さて、何から話したらいいものかってわけだけど」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「まず、この装置の仕掛けについてだ、もう改良の余地はない」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「巨大蜘蛛が、今も迫っているかもしれない、だから、今この場で、すぐに実行をしなければ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「理奈さんは、手遅れになるかもしれない」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「それだけは許さない」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「手遅れになんか、させない」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「そして、必要となるのが………」
叶奈を見て。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────"宇宙生物"、そのもの」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ここまでは、間違いないはずだ、前提条件としよう、いいね?」

[メイン] 星住 叶奈 : こくりと如月に頷く。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 頷き返して。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………そして、そうなるともう、俺達人間じゃ、どうしようもない」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「打つ手がない、ということになるわけだけど」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────果たして、そうだろうか」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「俺は、そう思った」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…というと?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………まず、いくつか決定している情報を、並べていく」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ヨモくんは、"流れ星"を見た」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「12月20日の出来事だ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 頷く、それはジョーロくんにも話したことだ。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……言ってたわね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「そして、叶奈さんは言った、刺客が、今年中に、この地球にやってくる、と」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「もう12月だ、"いつ来た"って、おかしくない」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「うん。そうだね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「そして…………」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「12月23日」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「俺は、美沙さんから、衝撃の事実を聞いた」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「どうやら、この地球にはもう何回も、宇宙生物の襲来があった、と」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「そして、それに対処している組織がある」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「それが、美沙さんが所属している組織だ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…えっ?マジで…!?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : こくりと─────頷く。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : お祖母さん、ただ者じゃない雰囲気があったけど、そこまでとは…。

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………だからあの婆さん、蜘蛛を簡単に撃退したのね」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : カナさんも知らなかったんだ…。

[メイン] 星住 叶奈 : 頭を抱えながらも、如月へと目を向け続ける。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────如月は、目を閉じ、回想する。

[メイン]   : 「本当に、この裏山には縁があるねえ……」

[メイン]   : 「へぇ、美沙さん、何度も来たことが?」

[メイン]   : 「いんや。私の仕事の一つに、この街に飛来する敵性存在を撃ち落すってのがあるんだけどね」

[メイン]   : 「あの子たちからの特殊な弾丸のテストも兼ねてるのさ。
 そん時の獲物はこの裏山に墜ちるようコントロールしてるのさ。
 街中に墜としたらパニックになるだろう?」

[メイン]   : 「つい最近も何か墜としたよ、三日前くらいだったかね。
 その前だと……三年前か。アレもここに墜としたね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────美沙さんの言葉を、復唱する。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………もう一度確認しよう」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ヨモくん、流れ星は」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :
 ・・
「どこに落ちて行った?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…裏山」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : にやりと、不敵に笑う。冷や汗を浮かべて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「なら」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「こんな仮定を作ってみたら、どうかな」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「少々、楽観的かもだけど」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────もう既に、刺客は、討伐されている」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「そして、その体が、裏山に眠っている」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 自分ながら、出来過ぎた脚本だ。ご都合主義と罵られても、何も反論できやしない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : だが

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 賭けさせろ、この仮定にッッッッ!!!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 藻掻かせろッッ!!足掻かせろッッッッッ!!!!!

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 強く提唱するジョーロくんを見て、ふと思い出したことがあった。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 俺が鍵を見つけた時に見たあの不思議な石…もしかして…?

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………そん、なの……
 都合が良すぎる……
 たまたまあの日に……私たちが裏山に行って、星が落ちて、それが刺客だ、なんて……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「そうだ、机上の空論でしかねぇ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「だから、行こう、裏山に!!確かめるしかない!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………もちろん、巨大蜘蛛の群れは、今も外にいる……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「かなり………"危険"だッ………」
冷や汗を、浮かべる。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…もしかしてだけど」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「カナさん、これ覚えてる?今日の昼に見せたやつ」
スマホを取り出し、撮っていた写真を画面に映して、ジョーロくんとカナさんに見えるようにして

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………覚えてる。……綺麗な石ね、とは思ったけど」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……まさか、これが……そうだっていうの?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「少なくとも俺はこんな石は見たことないよ」
「刺客…かどうかは俺じゃなくてカナさんしかわからないけど」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……私にもわからない。でも、そうね」

[メイン] 星住 叶奈 : ちらりと研究室内を見て。

[メイン] 星住 叶奈 : 「ここには、雨知和江の蜘蛛の構造は悪のための測定器がある
 ……無理かもしれない。でも……」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……試してみよう」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────決まりだな」
ニヒルに、ニヤリと笑う。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「というわけなんだ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「敬老の精神が、足りてなくて、本当に申し訳が無い」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「その上で、俺は、どうしても」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「皆さんの力を、貸してほしい」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……俺は、一人じゃ、何もできなかった」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ここに来るまでだって、みんなの力があって、命を繋いできた」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……だったら、だったら!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────終わりも!!!!でっかく!!!勝ちたいんだ!!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「全員!!!飛びっきりの笑顔で、締めたいんだ!!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「どうか、お願いしますッッッ!!!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ジョーロは、額を地に擦りつけた。

[メイン] 星住美沙 : 星住美沙の額には冷や汗が浮かんでいた。
何分にも及ぶ戦闘により、疲れが見え隠れしていたが。

[メイン] 星住美沙 : 「くくく、本当に無茶なことを言う」

[メイン] 星住美沙 : 「……だが、約束だ」

[メイン] 星住美沙 : 「勝ってこい!!如月雨露!!
 死んでも負けんじゃないよ!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────!!!!美沙さん……!!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 顔を上げて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ニヤリと、笑って。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「はいッッッッッッッッ!!!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「絶対に、勝ってやりますッッッッッッ!!!!!」

[メイン] 星住美沙 : 「よォし!!!お前たち!あの子の道を切り開くよ!!!」

[メイン] 星住美沙 : 蜘蛛が絶え間なく押し寄せる空間。
そこに銃声が何発も打ち込まれ、やがて君だけの道ができる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「全く……!!本当に、アナタって人は、最高だよ………!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッ!!!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 軟弱男子。帰宅部。体育の成績3、もしくは2。
俺は今日この日、猛ダッシュをした。腿が引き攣りそうになった。
足の裏も痛い。汗もぐっしょりだ。こんなに動いたことは、ガキの頃以来かもしれない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 乳酸が筋肉に溜まり、脳信号が、止まれと言っている。
関係がないな。走るっきゃ、ねぇんだよ!!!!

……はは、ははは!!なんだろうな!!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ハイってやつに、なっちまってるのかもしれねぇ!!!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────俺の背を押してくれる、頼れる味方が、こんなにもいるってんだから!!!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 疲れなんて、感じねぇ!!!
突っ走るっきゃ、ねぇよなぁあああああ!!!!!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────フゥ……!フゥウ……!!……はは、はははは!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そして、一同は再び、研究室へと、戻る。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 喉がからっからだ。肺も、心臓も痛ぇ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 土も、掘る道具なんて用意しなかった。全員で、手で掘り起こした。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : だから、指も土まみれだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────さぁ!!やってやろうぜ!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ベットだ!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────叶奈さん!!!こいつが、装置に入れても問題ねぇか、検査できる機器はあるか!?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「ちょうど、あなたの隣にある……それよ」

[メイン] 星住 叶奈 : 如月の、ボロボロの姿に目を見張りながらも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────吉と出るか、凶と出るか。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : ジョーロくんひとりで行かせて申し訳なかったけど、なんかすっごく元気だし…ある意味よかった…んだろうか?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : もしも、不発だったら、どうなる?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : これが外れたら、次は何が用意できる?

[メイン] GM : 如月は結晶体を中に入れ、扉を閉める。

[メイン] GM : ジーという駆動音の後、中のものをスキャンするように赤いレーザーがあらゆる方向から照射される。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : もう、次策は、無い。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………………頼むぜ」

[メイン] GM : 扉の隣についている小さなモニターには、理解不能の文字列と数字が表示されては消えるを絶えず繰り返している。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : はぁっ、はぁっ、と呼吸を荒げながら、機器を見つめる。

[メイン] GM : やがて装置は静かになり、鈴の音のような短い警告音が鳴る。そして、モニターにはこう表示されていた。

[メイン] GM : 「SpaceVampires Nioth-Korghai」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : わからん。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 叶奈の方へと、目線を移す。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────俺の、心臓の鼓動音が、やけに、でかく聞こえる。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……宇宙吸血鬼、ニーオス・コルガイ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : どうなんだ、駄目なのか……!?

[メイン] 星住 叶奈 : 「……ウソ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────……!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 目を開き。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………その、"ウソ"は」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :
 ・・・
「どっちだ?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……私の種族名はね、人間の言葉で表すなら」

[メイン] 星住 叶奈 : 「ニーオス・コルガイ。そう呼ばれているわ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ニーオス・コルガイ……」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「ニーオス・コルガイ…それがカナさんの本当の姿」

[メイン] 星住 叶奈 : 「つまり」
分析装置から宝石────いや、元同胞を取り出し。

[メイン] 星住 叶奈 : 「アタリ、よ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………………………………………………………………………………………………」

[メイン] 星住 叶奈 : そして、それを如月に押し付ける。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 徐々に、顔が、緩み、綻び、にやけ、唇を、噛みしめて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 頭の奥が、腹の奥が、浸されていく、熱いもんに。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 震え、拳を握り、歯を食い縛り。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 屈み、腕の筋肉に、力が入り。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 大きく、息を吸い。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「よっしゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッッッッ!!!!!!!!!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 叫んだ。

[メイン] 星住 理奈 : その声で、理奈はぴくり、と動いて。

[メイン] 星住 理奈 : 「……き……さら……ぎ……………さ…………」

[メイン] 星住 理奈 : か細く、けれど、誰かを求める。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────っ!!! い、いっけね……!?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……………!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 受け取った、宝石を、大事に抱えながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 静かに、眠る理奈の下へと、向かい。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 屈み、そして、優しく、その頭を撫で。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────慈しみの微笑みを、向けて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………もう、大丈夫だぞ、理奈さん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「約束、しただろ?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「例え、世界中があなたの敵になったとしても、俺は、味方でい続ける、と」

[メイン] 星住 理奈 : その言葉に安心したかのように。
苦しそうにしていた顔が、徐々に和らいでいく。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……そのカプセルの中に結晶体を入れれば、きっと……対抗薬は完成する」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : こくりと、頷き。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────そして、手順通り、宝石を、カプセルの中へと、入れる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 不安、不穏、そんな感情が今更になって押し寄せて来る。

本当に、大丈夫なんだろうか、ちゃんと、理奈さんの呪いは、無くなるのだろうか。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : …………馬鹿野郎。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺が不安になってどうする。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : "治すんだよ"。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : その様子をじっと見つめる。ジョーロくんならきっとやってみせるはずという表情で。

[メイン] GM : 如月が結晶体を入れ、叶奈がスイッチを押し、装置を起動させる。

[メイン] GM : 張り詰めた、耳障りな稼働音が部屋中に響き渡る。

[メイン] GM : 結晶体の輪郭が、僅かに歪んだ瞬間。
カプセルの内部は、赤い液体で満たされていた。

[メイン] GM : そして、少しずつその赤色は失われていく。

[メイン] GM : カプセルを始め、様々な機材に繋がれた先にあるカートリッジの中身が、やがて赤い内容液で充満した。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……出来た。
 効力が保証できる時間は30分程度、すぐに注射したほうがいい」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ああ、わかった」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 最後まで、気は抜かない。

[メイン] 星住 叶奈 : 叶奈は注射器にカートリッジをセットし、注射針を取り付けた。
そしてそれを、如月へと手渡す。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 受け取る。

[メイン] 星住 叶奈 : 「上腕部のこの辺りに、皮下注射でも効果はあるはずよ。注入はなるべくゆっくりね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……ここだな ……ごめんよ、理奈さん、少し……チクッとするぞ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 白い肌に、針を、突く。

[メイン] GM : カートリッジの内容液を理奈に注入されていく。

[メイン] GM : 程なくして、青白かった理奈の顔に血色が戻ってくる。

[メイン] GM : そして、小さく呻いた後に。

[メイン] 星住 理奈 : 「……如月さん?
 叶奈……みんなどうして……?それに、ここはどこでしょう……?」

[メイン] 星住 理奈 : ゆっくりと、彼女は目を覚ました。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そっと、理奈の手を取って。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : にこりと、微笑んで。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────おはよう」

にこりと、微笑んだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 紡ぎたい言葉は、たくさんある。

[メイン] 星住 叶奈 : もう片方の手を、しっかりと握る。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : でも、胸が詰まって、何かがつっかえて、もう、苦しいんだ。

[メイン] 星住 理奈 : 「あ────……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……本っ当に……………良かった………………!

[メイン] 星住 理奈 : 如月の姿は、ボロボロだった。
血まみれで、泥だらけで、いつも飄々としている彼の姿は全く。でも。

[メイン] 星住 理奈 : 「……っ、おはよう……ございますっ!!!」

[メイン] 星住 理奈 : 今までで一番────カッコよく、見えて。

[メイン] 星住 叶奈 : 「本当に……叶奈が……!!
 ……大丈夫?おかしいところは、ない……?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 手を繋ぐ3人を見て、なんか…ポロポロ涙がこぼれていた。
よかったね!ジョーロくん、お姉さん、カナさん…!

[メイン] 星住 叶奈 : 叶奈もまた、感極まったように抱き寄せて。

[メイン] 星住 理奈 : 「……何が何だかわからない、けど……具合は、とっても、いいみたい
 すぐには立てそうにないけど……」

[メイン] 星住 叶奈 : そんな理奈の言葉に安心したのか。

[メイン] 星住 叶奈 : 叶奈は理奈を抱きしめて「よかった」と繰り返した。

[メイン] 星住 理奈 : 「……あ…… ……もしかして。ここにいるみなさんが……」

[メイン] 星住 理奈 : 「……私のために、私の……呪いを解くために、頑張ってくれたんですか?」

[メイン] 星住 理奈 : ここにいる全員、何かと戦ったかのようにボロボロで、傷だらけで。
それでも……やってやったと、眩しい顔ばかりで。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………理奈さん」
にこりと、笑って。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「生きてくれて、こうして、笑っている顔を、もう一度見せてくれて」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ありがとうございます」

[メイン] 星住 理奈 : 「…………っ!」

[メイン] 星住 理奈 : ……なんて言っていいのか、わからない。
呪いから解放されて。それで、それを助けてくれたのは……初めて「理奈」になってから接してくれた彼で。

[メイン] 星住 理奈 : 「……お礼、なんて……私に言わせてくださいよ……
 ずるいです、如月……さんはっ……」

[メイン] 星住 理奈 : そうして、ぽろぽろと、涙が零れる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あはは、ずるくて、本当にすみませんね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : へにゃりと、困った顔で、ジョーロも笑い。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 指で、涙を掬って。

[メイン] 星住 理奈 : 「…………私も、如月さんが、いてくれて……本当に、わたしっ……!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : うん……うん、と頷いて。ジョーロも、目頭が熱くなって。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 鼻の奥が、ツンと、痛くなる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────今は、俺、理奈さんの」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「笑顔が、見たいな、そんな気分です」

にこりと、優しく、微笑んだ。

[メイン] 星住 理奈 : 「……あ、っ……」

[メイン] 星住 理奈 : 涙が拭き取られ、顔を映し出される。

[メイン] 星住 理奈 : 「…………ただいま」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────俺は、理奈さんを、抱き締めた。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そうしたかった。ただただ、そうしたかった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 本当に…………生きててくれて、嬉しい、生きてほしかったから、理奈さんには、明るい未来があって、ほしかったから、そして…………俺と一緒に、この先の人生を、歩んでほしかったから。
失ってほしくなかったから。可哀想な終わりなんて、認めたくなかったから。

[メイン] 星住 理奈 : 「……っ………!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 心から、喜んだ。

[メイン] 星住 理奈 : 星住理奈もまた、如月へと……抱き締め返しながら。

[メイン] 星住 理奈 : 前のように温もりを確かめるように。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : この熱は、理奈さんが生きている証。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………理奈さん」

にこりと、微笑んで、そして、見つめて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 近くで、顔を、じっと見つめて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 労わるように、頭を、優しく撫でて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「いい匂いですね」

なんか、気が抜けて、つい、本音というか、下心というか、そういうのが、漏れてしまった。

[メイン] 星住 理奈 : 「……うぇっ!?」

[メイン] 星住 理奈 : 「に、匂い、ですか!?えっ、そ、その……むしろ、気になってしまうのでは……!?
 ……今日は、その、まだ……ですし」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……あ、あーー、え、えっと、さっきのは、なんと言いますか、その」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「言葉の、綾、というか、なんというか、いや、でも、その、いい匂いなのはちゃんと事実なんですけど、あれこれフォローになってるか………?????」
滝汗になっている。

[メイン] 星住 理奈 : 「……う、えっと……は、はい……!」

[メイン] 星住 理奈 : 「……そ、そそそそそ……その!私も……その!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「!!」
可愛い。

[メイン] 星住 理奈 : 「き、如月さんの匂いも……す、素敵……です……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」

[メイン] 星住 理奈 : 「……あっ、や、やっぱり今のは!!な、無しで!!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ズキュン。
撃ち抜かれた。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ぐふっ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 倒れる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「俺の一生に、悔い、な……し」
ガクッ。

[メイン] 星住 理奈 : 「わぁぁぁ!?!?」

[メイン] 星住 理奈 : 「き、如月さん!!亡くならないでください!!!」

[メイン] 星住 理奈 : ぎゅっ!!と抱きしめて、何とかつなごうとする。

[メイン] 星住 叶奈 : 「なにやってんのよバカップルども!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ぎゃあああああああああ~~~~~~~~~!!!!理奈さんの豊満なお胸ががががががががががががががががががががががががががががががが。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ありがとうございます。

[メイン] 星住 叶奈 : 「まだ終わりじゃないわ
 雨地和江はまだ生きてる。……何にせよ、あいつを処理しないと……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 理奈の耳を塞ぐ。

[メイン] 星住 理奈 : あわあわ、と如月の様子を見ながらも。

[メイン] 星住 理奈 : しかし、それは耳に入り。

[メイン] 星住 理奈 : 「へ……?和江おばあちゃんは地下にいるのに……?
 え……和江おばあちゃんは大きな蜘蛛で……?蜘蛛……?」

[メイン] 星住 理奈 : 「……なんで私、あんな化物をおばあちゃんだと思ってたの……?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「っ…………………」

[メイン] 星住 叶奈 : 「決まりね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……………俺は、それでも、理奈さんの傍を離れられないし」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「そして、理奈さんには、それでも」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「残酷な光景を、見せたくない」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…それじゃ、俺が行ってくるよ」
「さっきもそう言ったしね」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「ジョーロくんはお姉さんといてあげなよ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……行ってくるって、あんた」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 眉を顰める。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……どうするのよ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「ジョーロくんの銃を借りる。それで倒せるんでしょ?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………簡単じゃ、ないぞ?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「……簡単じゃなくても、やるんだよ」
「ジョーロくんも頑張ったんだし、俺も少しはかっこつけさせてよ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……こればっかりは無茶よ。あんた、銃撃ったことあるの?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…あるわけないじゃん。日本人で高校生だよ?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「じゃあ……ダメじゃない!」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…でもさ、今この幸せな空間に、俺は水を差したくないよ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「………………」

[メイン] 星住 叶奈 : ちらりと、二人を見やる。
理奈と如月の二人は、再び出会えた喜びを分かち合っている。

[メイン] GM : 麻中くんはアイデアロールをどうぞ

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : CCB<=70 アイデア (1D100<=70) > 4 > 決定的成功/スペシャル

[メイン] GM : おお

[メイン] GM : では……不慣れな拳銃で一発しかない「銀の弾丸」を当てられるかどうか。
その疑問点を思いつきます。

[メイン] GM : 先ほどの星住叶奈のエネルギーブラストの力を使い、精神力を消費することで拳銃を当てやすくするのではないか、ということに思い至ります。

[メイン] GM : では……少しゲーム的なルールの説明をします。

[メイン] GM : 射撃手の射撃を叶奈が制御し、制御に必要な精神力を提供者も負担する。
この作戦を具体的にどのように処理するか。

[メイン] GM : 射撃手の《拳銃》技能に任意の数値を加えることができる。
この任意の数値は叶奈の精神力(POW)だ。加えた数値分、叶奈のPOWは永久に失われる。

[メイン] GM : 意志の力、心を擦り減らす行為だ。過度の消耗は廃人化に繋がるだろう。

[メイン] GM : しかし、叶奈はPOW提供の意志がある者から、POWを受け取ることができる。
これは叶奈と提供者が触れ合っていれば成立する。

[メイン] GM : 勿論、提供者のPOWも永久に失われる。

[メイン] GM : それらを考慮した上で、提供者と叶奈がいくら精神力(POW)を支払うのかを決める。
ただし、支払う数値は6版では支払うPOW1につき、射撃技能は5上昇することになる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 叶奈さんの残りPOWは?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : よし、じゃあ

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺は、これからも生きたい、俺は、俺の人生をふいにしない。
すぐに終わっちまうような、将来の可能性を丸投げするような選択肢は、できない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : なので、POW1と
そして、理奈さんの分だ、俺が肩代わりする
よって、合計POW2を支払う。

[メイン] GM : わかりました

[メイン] 星住 理奈 : 「如月さん……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………本当は、もっと、カッコつけたかったんだけどね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………もう、何度も俺は、死にかけている」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「いい加減、学べって話だよな……はは」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……せっかく、理奈さんと歩める道を掴めそうなのに」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「その未来が、すぐに終わりかねない、そんな選択肢は……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……俺には、できない、すまねぇ、ヨモくん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : もちろん、今この状況を打破することが、一番の目標であり、これを解決しなければ、より多くの不幸が訪れることとなる。それは、分かっている、分かっているんだが。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : もう、恐怖が、沁みついてるんだ。俺の精神の箍は、保守になってきてんだ。

[メイン] 星住 理奈 : 「……私の分まで……そんな……
 ……すみま……………ありがとう、ございます」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : あとな、もう、情けねぇ話なんだが。本当に。

………この街の平和を守る為に、自己犠牲を、なんで俺達だけでやらされなくちゃいけねぇんだよっていう、そんな、理不尽を、感じるんだよ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : もう自己犠牲には、うんざりしている。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「いいんですよ、理奈さん ……理奈さんは、十分……苦しんできた、そして、頑張ってきたんですから」
にこりと、微笑んだ。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : …ジョーロくん、さっき山まで走ってきたから泥だらけだけど、それ以外にも生傷や痣が見える。
俺が知らないここ数日のうちに頑張ってたんだろうな…。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : それにさらにムチャさせるのは…よくないよね。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……ん、ありがと」
「わざわざ、重荷を抱えるなんてね。……ちょっと、見直したわ」

[メイン] 星住 叶奈 : 如月にそう言葉を伝えつつも、麻中に向き直る。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そのお礼は、重た過ぎた。俺の与えた力なんて、微量でしかないんだから。本当に、情けない話だ。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……私の精神力が大体これだけあれば、まぁ……死にはしないでしょ。
 初めてのあんたでもサポート出来るわ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「サポートしてくれるんだ?ありがとう」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……そうよ。あなたが撃って、私がエネルギーブラストで補強する。
 ……代償は永久に精神力が失われること」

[メイン] 星住 叶奈 : 「その代償は、如月くんが……少し負担してくれた。
 それなら後は、私に任せて」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…いや、俺も半分背負うよ。カナさんにだけ負担はさせたくないし」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 精神力が失われるって意味が良くわからないけど、ろくでもないんだろうなぁ…。

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……わかったわよ。
 でも、まさか死ぬ気じゃないわよね」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「死ぬわけないじゃん。生きようって言った俺が死ぬと台無しじゃん!?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……ん、それも、そうね
 じゃあ……お互いに」

[メイン] 星住 叶奈 : 「生きて帰ってみせましょう」

[メイン] 星住 叶奈 : そして、にっ、と笑ってみせる。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「うん!」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 同じように、にっ、と笑ってみせる。

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM : 重たい両開きの扉を開き、二人はその奥へと歩を進める。

[メイン] GM : そこは薄暗く、広い空間だった。
天井や壁面は特徴的な形態をしており、まるで鍾乳洞のようだ。

[メイン] GM : しかし、そこに幻想的な美しさはなく、カタコンベ─地下墓地を彷彿させる気味の悪さが、静まり返った空間を支配している。

[メイン] GM : 地面から立ち込める、ペトリコールと腐敗臭が入り混じったような臭いが鼻を突く。

[メイン] GM : 肌を刺す冷気と恐怖を振り払い、君たちは眼前を見据えるだろう。

[メイン] GM : その中央には人の倍ほどの大きさがある、真っ黒な何かがいた。

[メイン] GM : 脈打つ膨れた腹部には卵のような球体がひしめき集まり、不気味に蠢く。

[メイン] GM : そして、鋭く長い複数の脚が、その巨躯を支えている。頭部には老婆のような顔がはりついており、それが悍ましさに拍車をかけていた。

[メイン] GM : 人間などではない。
アレは、人間に化けた何かだ。

[メイン] GM : 雨地和江、星住叶奈の祖母は、巨大な蜘蛛の怪物だった。

[メイン] GM : 【正気度ロール:1/1d8】

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 1D100<=70 正気度ロール (1D100<=70) > 48 > 成功

[メイン] system : [ 麻中 蓬(あさなか よもぎ) ] SAN : 70 → 69

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 薄暗い、臭い、寒い。
だけど俺は目の前の大きなナニカに釘付けになっていた。

[メイン] GM : 雨地和江は体の深部から震え上がらせる低い声を発する。

[メイン] 雨地 和江 : 「……叶奈のお友達かね」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…はい。はじめまして、麻中蓬と申します」

[メイン] 雨地 和江 : 「……あいにく、耳が遠くてね。もっと近くに来なさい、さぁ、もっと」

[メイン] 雨地 和江 : ギチギチと、触手らしきものを蠢かせ、麻中へと向ける。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 一歩だけ前に出て、もう一度自己紹介する。…さっきより少しだけ大きな声で

[メイン] 星住 叶奈 : 「麻中くん、ダメ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「あれは、きっとあなたを食おうとしてる」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…そうなんだ。話ができるのなら、話し合いで解決できないかなって思ったんだけど」
カナさんの言葉を受けて、一歩下がり

[メイン] 雨地 和江 : 「ははは、そうさ。坊やの言う通り。
 私たちは少しお話しするだけさ」

[メイン] 雨地 和江 : 「私は理奈を呪われた運命から解放しようとしただけさ。
 症状の進行を遅らせることで手いっぱいでね」

[メイン] 雨地 和江 : 「それとも坊や。君は何か、私に聞きたい事でもあったのかな?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : …この距離でもしっかり聞こえてるじゃん。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…いえ、もう誰にも迷惑をかけないで、ここで静かに過ごしてくれるって約束してくれるなら、俺はなにも言わずに去ろうと思っただけです」

[メイン] 雨地 和江 : 「ははは、それは困る」

[メイン] 雨地 和江 : 「君は例えば……どうしても腹が空いてしかたないとき。
 その目の前に魚や肉があったなら、食べるだろう?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : その問いに静かに頷く。

[メイン] 雨地 和江 : 「それと同じことさ。
 静かに過ごせ、というのは……私に何も食わずに死ね、ということだろう?」

[メイン] 雨地 和江 : キチキチと、笑うような音が聞こえる。
節々がきしむ音。

[メイン] 雨地 和江 : それは、人間と相容れぬものであると宣言しているようで。

[メイン] 雨地 和江 : 「まあ、いい、まあいい」

[メイン] 雨地 和江 : 「坊や。君が何を言おうとも、私は久々の馳走に心を躍らせているんだよ」

[メイン] 雨地 和江 : 「お前たちは、贄になりにきたのだろう」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 俺の思考がどんどんどす黒くなっていくのを感じる。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : …ダメだ。ちゃんと冷静にならないと。

[メイン] 星住 叶奈 : 麻中の手を握る。

[メイン] 星住 叶奈 : 「蜘蛛を殺したら地獄で助けられないんだっけ?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「もし死んだら、一緒に地獄行きね」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…死なないよ。生きるって言ったじゃん」
カナさんの手の温かさを感じて、思考がゆっくりと晴れていく。

[メイン] 星住 叶奈 : 「ふふ。それじゃあ……死なないようにしないとね」
じわりと熱を感じながらも、目の前の蜘蛛を見据える。

[メイン] 星住 叶奈 : チャンスは一発切り。私が出来ることは、たかがサポートだ。
……ヨモに……全てを任せてしまう。……怪物殺しの責も。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : カナさんと同じように、キッと目の前の怪物を睨みつけて
「俺たちは贄なんかじゃい。あなたを倒して、俺の…俺たちの未来を勝ち取りに来ました」

[メイン] 雨地 和江 : 「ははは、いいだろう。その未来とやらを、味わって食べるとしようか」

[メイン] 雨地 和江 : そう言って、雨地和江は君たちに迫ってくる。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「カナさん、やろう!」
ジョーロくんから借りた銃をしっかりと握りしめて、構える。

[メイン] 星住 叶奈 : 「ええ、やるわよ……ヨモ!」
しっかりと、握ったままの手は離さない。

[メイン] GM : 戦闘開始です。

[メイン] GM : クトゥルフのルール上、銃を持っている麻中が行動優先されます。

[メイン] 星住 叶奈 : 叶奈は片腕を上げ、それを雨地和江の方に向けた。

[メイン] 星住 叶奈 : 「タイミングはヨモに合わせる」

[メイン] 星住 叶奈 : 「大丈夫、私と如月くんから貰った力が君を助けるから……落ち着いて狙って」

[メイン] 星住 叶奈 : 星住叶奈が射撃の軌道を制御する。

[メイン] 星住 叶奈 : 麻中から受け継いだPOW……精神力が、叶奈の操作制度が高まる。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 静かに頷いて、タイミングを計る。
銃弾は一発、もちろん俺は銃の扱いはシロート…だけど、この銃弾には俺たち4人の魂がこもっている。
カナさんもサポートしてくれる、絶対に外すわけがない。

[メイン] GM : 麻中蓬と星住叶奈は永久にPOWを7減少させてください。

[メイン] GM : そして、麻中蓬の拳銃ロールに+80の補正が足されます。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : CCB<=20+80 シルバーバレット (1D100<=100) > 20 > スペシャル

[メイン] GM : それは一瞬だった。

[メイン] GM : 蓬が放った────『銀の弾丸』は輝く螺旋の奔流に包まれ、美しい軌道を描き飛んでゆく。

[メイン] GM : 幾人もの祈りを宿し、飛んでゆく。
そして、吸い込まれるように、眼前の怪物へと着弾した。

[メイン] 雨地 和江 : 「ガッ……アア……!」

[メイン] GM : くぐもった絶叫が響く。そして、その巨躯が泡立つような異音とともに歪み、膨れ上がる。

[メイン] 雨地 和江 : 「何を……!?」

[メイン] GM : それ以上、言葉は続かなかった。

[メイン] GM : 何故なら、膨張した体躯が破裂し、向こう側を見渡せるようになったからだ。
雨地和江の中心部は、空間ごと削り取られるように、初めから何もなかったかのように、消失していた。

[メイン] GM : 彼女は自分の身に何が起きたのか理解する間もなく、黒い煙となり、消えていった。

[メイン] GM : 雨地を苦しめてきた呪いの元凶は、二人の少年と、二人の少女の力によって絶たれた。

[メイン] GM : 戦闘終了です。

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM : 外に続くハッチを開いた。

[メイン] GM : 庭は静かだった。
銃声や蜘蛛が這いまわる音も聞こえない。

[メイン] GM : 蜘蛛の怪物も、黒服たちも、星住美沙の姿も、そこにはなかった。

[メイン] GM : ただ、あちこちに刻まれた弾痕が、今さっきまでここが戦場であったことを教えてくれた。

[メイン] 星住美沙 : 「終わったようだね。」

[メイン] GM : 声のするほうに目を向けると、縁側に星住美沙が姿を現した。
どうやら家の中にいたようだ。

[メイン] 星住美沙 : 「ちと骨が疲れたが……如月くん。君を信じてよかった
 私たちの大人がでしゃばるまでもなかったかね」

[メイン] 星住美沙 : 「勝てたかい?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ニヒルに、ニヤリと笑って。ボロボロの姿で、太陽の光に、目を細めながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「勝ったよ、どどんとね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「それに、MVPは………」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 後に続く─────少年少女へと、目を向ける。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 疲れたような顔で、それでもどこか勝ち誇った顔で微笑む。

[メイン] 星住美沙 : ほう、と驚いたような顔で。

[メイン] 星住美沙 : 「その二人は……お友達かい?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 頷いて、そして、笑う。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「友達だね、俺視点からすれば、"親友"だ」

[メイン] GM : 叶奈、そして麻中へと目をやりながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────美沙さんも、"勝った"みたいだね」

[メイン] 星住美沙 : 「はっはっは、圧勝さ、こんなものはね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : あっはっは、全く、この人には敵わないなぁ。
絶大の信頼がもう、ありまくるよ、俺の中で。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………美沙さん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「この勝利は」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────あなたの、息子さんの努力も、あってこそです」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「本当に」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「いいご家族を、持たれてますね」
にこりと、笑って。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……称えてください、息子さんのことを」

[メイン] 星住美沙 : こくりと頷く。

[メイン] 星住美沙 : 「ああ、君の言う通り。私だけの勝利じゃないさ」

[メイン] 星住美沙 : 「……ずっとね、違和感はあったんだ。ずっとね。……ありがとう。
 あんたがずっと、叶奈を守ってくれたんだろう?」

[メイン] GM : それを聞いた叶奈は照れくさそうに頭をかき、理奈は嬉しそうに笑った。

[メイン] 星住美沙 : 「それに、巌。
 あんたが残したのは、無駄じゃなかった」

[メイン] 星住美沙 : 美沙はそう言うと、懐から封書を取り出し、理奈に手渡した。

[メイン] 星住美沙 : 「……巌が叶奈に残した遺書だよ。ついさっき、この家の中で見つけたんだ。あの子も、随分とわかりにくい場所に隠したもんだ。……それが奥底に秘めていた、巌の本心かもしれないね」

[メイン] 星住 理奈 : 遺書を手渡され、目を通す。

[メイン] 星住 理奈 : 読み進めていく内に、だんだんと、理奈の身体は震えていく。

[メイン] 星住 理奈 : 「…………っ……」

[メイン] 星住 理奈 : 「お父さん……!!」

[メイン] GM : 手紙に水滴が落ちて滲む。
星住理奈、いや星住叶奈は絞り出すように亡き父を呼び、涙を零した。

[メイン] GM : 大事そうに封書を抱きしめ、声を殺すことなく泣いた。

[メイン] GM : この場にいた誰もが、彼女の気が済むまで、その様子を黙って見ていたかもしれない。あるいは。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 理奈の背中を、擦る。優しく。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 繋ぐ言葉は、不要。

家族には、ちゃんと、愛があったんだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺は、それだけで………満足だ。心が、いっぱいだ。

[メイン] GM : 言葉にできない、娘と父親の本当の別れが、そこにはあった。

[メイン] GM :  

[メイン] GM : 上空から白い結晶が舞い落ちる。

[メイン] GM : 雪だ。

[メイン] GM : 星になった両親からの「さよなら」か。

[メイン] GM : 怪物だった少女たちの門出を祝う「おめでとう」か。

[メイン] GM : 過酷な運命を討ち滅ぼした君たちに向けた「ありがとう」か。

[メイン] GM : 白い華が辺りに咲き誇る。

[メイン] GM : 真っ白に染まってゆく世界が、君たちを祝福し続けていた。

[メイン] GM :  

[メイン] GM : さて、まもなく12月24日。クリスマス・イヴだ。

[メイン] GM : 少年少女たちよ、今年はいい思い出ができそうかい?

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) :  

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 今日は12月24日。
つい2日前にもうすぐ冬休みだな…とか思っていたけど、わずか2日なのにすっごく濃い時間だった。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 昨日の夜とか特に大変で…精神的にかなりきつい思いをしてたけど、終業式なのでちゃんと学校には顔を出しておかないと…ってことで普通に登校した。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 教室に入り周りを見渡すと、変わらないクラスメイト…ジョーロくんも普通に登校してきていつも通りで、カナさんもいつも通りだった。
昨日一緒に大変な思いをしたのに…なんか不思議な感じだけど、いつも通りってことで逆に安心したかもしれない。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 俺も疲れを顔に出すことなくいつも通り振る舞って、そのまま終業式を終えて…晴れて冬休みとなった。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 終業式なので今日は学校は午前中で終わりで早く帰ることができる。
さっさと帰宅の準備をして下駄箱へ向かっていると、見知った後ろ姿を見かけて…。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…カナさ…じゃなかった、星住さん。今帰り?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「遅い!」

[メイン] 星住 叶奈 : 「あんたがすぐ帰ると思ったから急いで支度したのに、意味なかったじゃない!」

[メイン] 星住 叶奈 : 星住叶奈は、昨日のことがあっても変わらずの態度で君に接してくる。
どうやら下駄箱から靴を出していないようだった。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 遅いってどういう意味…?と思ったけど、その後の言葉を聞いて
「あっ、待ってくれてたんだ。先に言ってくれていれば急いだんだけど」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : いや待て

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「何で待ってくれてるの?何か約束してたっけ?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……………」

[メイン] 星住 叶奈 : 「別に」

[メイン] 星住 叶奈 : 「別に……」

[メイン] 星住 叶奈 : 「あんたを待ってたわけじゃないし……」

[メイン] 星住 叶奈 : 真っすぐ見ていた瞳が、君から逸れる。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : …どっちなんだ!?…まあいいや。

[メイン] 星住 叶奈 : 「ああもう!いいでしょ!とにかく私は帰り!あんたもそうよね!
 ならさっさと出ればいいでしょ!」

[メイン] 星住 叶奈 : 叶奈は話題を断ち切るように乱暴に言った後、靴を置いて一歩先に出る。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「ま、待って!」
俺も少し話したいことがあったから靴を取り出して急いで追いかける。

[メイン] 星住 叶奈 : 学校の玄関前で止まり、振り返って君を見る。
どうやら一人で帰ろうとするわけでもないらしい。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : カナさんの元まで小走りで向かって、ふぅっと一息ついて

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「き、昨日疲れてたからいろいろ聞きそびれちゃってたし、帰りがてらちょっと話さない?」
俺の方から一緒に帰ろうと言い出してみる。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……ん、いいわよ
 私も暇だったから付き合ってあげる」

[メイン] 星住 叶奈 : 相変わらずのつっつけどんな態度だったが、こくりと頷き。
君の歩幅に合わせて、彼女は歩き出す。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「ありがとう」
自分も隣を歩く彼女の歩幅に合わせながら歩き出す。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…で、さ」
話したいことが沢山ありすぎて何から話そうかと迷いつつ、まずは身の上話から

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「カナさんって、刺客に狙われてたんだよね?それってお姉さんの治療に使ったあれだけじゃなくて、まだ飛来したりするのかな?」

[メイン] 星住 叶奈 : 今の季節は冬。昨夜降り積った雪があたりに見られる。

[メイン] 星住 叶奈 : 「どう……でしょうね。確かに裏切者の始末は必要よ
 でも、私たちの種族も暇じゃない。他に人員を割かなきゃいけないことはいっぱいある」

[メイン] 星住 叶奈 : 「来る可能性は低いけど……0とも言い切れない
 ……最悪、あなたや、あなたの周りまで被害が及ぶかも」

[メイン] 星住 叶奈 : 彼女は悩むように、ぐしゃぐしゃと頭を掻く。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……ごめんなさい。もし嫌なら……離れてもらっても私は平気だから」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…なるほどね」
だったらまだ注意が必要だよね…。と小さくつぶやきつつ

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…えっ?何でそんなこと言い出すの?」
「俺は別に嫌だなんて思ってないけど」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……えっ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「だって、蜘蛛との闘いですら死ぬ思いだったじゃない!
 私なんて、昨日の疲れがまだ残ってるのに……」

[メイン] 星住 叶奈 : 「文字通り、身も心も削るようなことが……これからあるかもしれないのよ?」

[メイン] 星住 叶奈 : 大げさに、肩を振り回す仕草をしながら。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…もう何度も言ってるけど、俺はカナさんに関わってしまったから、もう君とは他人じゃないんだよ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「ジョーロくんやお姉さんだってそう、誰が困っていたとしても、俺は助けに行くよ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「この先、どれだけ身も心も削るようなことがあってもね」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………」

[メイン] 星住 叶奈 : 「もう!!」

[メイン] 星住 叶奈 : 「お人好し!」

[メイン] 星住 叶奈 : はぁ、と溜め息をつく。困り顔だった彼女は、やがて諦めたかのように笑って。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……わかったわよ。
 でも、その代わり……あんたがまた、誰かを助けたいって思った時は」

[メイン] 星住 叶奈 : 「私も呼んでよね」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「よく言われる」
カナさんの笑顔に合わせるようにニカッと笑って

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「うん。その時はよろしく!」

[メイン] 星住 叶奈 : 真っ白な雪景色は、君と彼女の二人が足跡をつけていく。
ざくざくと、二人がたどった道が現れていく。

[メイン] 星住 叶奈 : 「それで? それだけ言いに来たの?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……心配してくれたって事なら、まあ……ありがと」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「どういたしまして。まあ俺にも責任があるからさ…っと、そうだったね。他にも聞こうと思ってたんだ」

[メイン] 星住 叶奈 : ん、と君の言葉に、ちらりと顔を向ける。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…これはちょっとお節介かもしれないんだけど、お姉さんが元気になったから、カナさんとお姉さんで“星住 叶奈”さんは2人いることになるんだよね?」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…これからどうするのかなって…お姉さんの復学とか、2人の戸籍の問題とか」

[メイン] 星住 叶奈 : 「そうね」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……理奈……いや、”叶奈”とは話したけど、あの子は自分が復学する気はないみたい」

[メイン] 星住 叶奈 : 「私の代わりになろうって気がもうないのよ
 ……”理奈”として生きるにも、戸籍がないわけで……」

[メイン] 星住 叶奈 : 日本には戸籍のない者を記憶喪失者扱いとして戸籍が与えられることもある。
だが、それが得られたと言って今まで通っていた高校に再び通うことは難しいだろう。

[メイン] 星住 叶奈 : 「ほんと……嫌になるわね。
 本当の星住叶奈は今も生きてるのに、私はその代わりとして生きてる」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……じゃあ、今ここにいる私はなんなんだよ、って……そう思いたくもなる」

[メイン] 星住 叶奈 : ブレザーのポケットに手を突っ込み、ぼぉっと空を見上げた。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「………」
しまった。なんか暗くしてしまった。デリカシーなさ過ぎだろ俺…。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「え、えっと…」
なんとか、なんとか機嫌を…。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「じゃ、じゃあさ、カナさんがお姉さんのサポートをするのはどう?」
「これから先、どうなってもいいようにさ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……ん……」

[メイン] 星住 叶奈 : 「いいかもね、それ」

[メイン] 星住 叶奈 : 遠くを見つめた目が、君を捉えて。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……まあ、そうね……それに、ヨモがまた危ないことをしないとは限らないもの
 あんたのサポートも忘れちゃダメね」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 表情が穏やかになったことにほっとしつつ、カナさんにヨモと呼ばれて少し恥ずかしくなりながら

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「それならさ…カナさんもバイトしてみない?」
「俺の働いてるとこで」

[メイン] 星住 叶奈 : 「へっ!?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「……バイ!?
 ……そういや、あんたが何してるとかって聞いたことなかったわね」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「部活とか入ってるなら無理には言わないけどさ、そっち優先して欲しいし」

[メイン] 星住 叶奈 : 「そういうのは特にないけど……」と呟いた後。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「そういえばバイトしてるってだけで、どこでとかは言ってなかったね。俺は『ゆりマート』ってスーパーでバイトしてるんだ」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「そうなんだ。それなら本当に考えてみない?」
「一緒にいればもし刺客に襲われても対処できるし、お金を稼ぐことで、お姉さんのサポートもだけど、カナさんのこれからも考えられると思うんだ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「それって用は……あんたと一緒に働くことになるわけで……つまり……」

[メイン] 星住 叶奈 : ぐにゅぐにゅと、君には聞き取れない小さな言葉を何度か呟いた後。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……ん、うん……それじゃあ、よろしくね」

[メイン] 星住 叶奈 : こくりと、小さく頷いた。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…!うん!よろしく!」
大きく頷いてニコリと笑って

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 早速バイトリーダーに連絡しとかないと…。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : …それもだけど…と、ふとカナさんの方を見て

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 昨日まで未来のことなんて考えてないって感じだったけど、今は先のことを考えてるみたいで、何か…安心したな。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 人として生きるんだったら、そういうところ大事だもんな。
…やっぱりカナさんは普通の女の子だ。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : そんなことを考えてひとりニコニコしている。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……なによ、何笑ってるのよ」

[メイン] 星住 叶奈 : 「そんなニヤニヤ笑われると……なんか……っ!」

[メイン] 星住 叶奈 : 眉を曲げて、いまにも君に飛びかかるような顔だった。
だが……それはなく。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……はぁ、まあいいわ……そういえば、今日はクリスマスイブね」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : あはは。気にしないで!と言いつつ
「あれ?そうだっけ?ここ最近いろいろありすぎてすっかり忘れてたけど…たしかにそうだね」

[メイン] 星住 叶奈 : 今日も授業なかったしね、と返しながら。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……正直な所、今年のクリスマスは迎える気がなかった
 あんたと会ってなければ、あのまま私は理沙の中で生きてたから」

[メイン] 星住 叶奈 : 「でも、空から隕石が落ちてきて、あんたがやってきて。
 そこから……全部、私の想定が崩れ始めた」

[メイン] 星住 叶奈 : 「でも、こうやって私は生きて、あんたと一緒にいられる
 これからの未来のことも……考えられる」

[メイン] 星住 叶奈 : 一歩、叶奈の付けていた足跡が君よりも前に出る。

[メイン] 星住 叶奈 : そして、君の方へと振り返り。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……ありがと、ヨモ! あんたと出会って私……よかった!」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…俺も、クリスマスなんて頭になかった」
「今日だってなにも考えずにバイトしてたと思うし」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「でも、隕石を追いかけて、カナさんたちに出会って」
「そこからおかしなことに巻き込まれて…」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「だけど、今はすごく楽しい」
「大変だったけど、ジョーロくんと親友になれて、お姉さんの病気を治せて…カナさんと今もこうやって一緒にいられる」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…お礼を言うのは俺の方だよ。カナさん!俺も君と出会えて…よかった!」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : そのまま一歩前に出て、カナさんの手を取って

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「時間はたっぷりあるから、もっと話そう!」
ゆっくりと彼女の手を引いて、歩き出す。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……っ!?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「なっ、なに……してんのよ!?」

[メイン] 星住 叶奈 : 「…………っ……」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「…い、嫌だった?」

[メイン] 星住 叶奈 : 彼女にとっては、その手はとても力強く。そして、とても暖かった。

[メイン] 星住 叶奈 : 雪が溶けそうなくらい顔を真っ赤にさせて、ふるふる、と首を振り。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……嫌じゃ、ない」

[メイン] 星住 叶奈 : そして無言のまま、握り締めて。

[メイン] 星住 叶奈 : 「……そうね。これから」

[メイン] 星住 叶奈 : 「ヨモのこと、いっぱい話してもらうから!」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 「うん!カナさんのこともね!」

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : そうして二人は歩き出す。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) : 雪の道についた二人の足跡。
この足跡の数よりも、もっと多くの思い出を、俺とカナさんはこれから作っていくことになるはずだ。

[メイン] 麻中 蓬(あさなか よもぎ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「なんて物語があったらさ、栄子ちゃん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「笑う?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 昼休みの学校で、黒髪、黒目、平均的な身長、平均的な体重
平均的な容姿の青年は、壁に寄り掛かるまでもなく、ビニール袋を片手に
そんなことを、聞いてみた。

[メイン] 星住 理奈 :

[メイン] 星住 理奈 :

[メイン] 日井崎 栄子 : 「ふーん?」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「なんかのラノベ?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あはは、だよね~」
肩を竦めて、へらりへらりと笑う。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : まぁ、俺も、信じてもらいたいがために話したわけじゃないんだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : でも、話さないままってのも、それは違うよなって。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「とりあえず、はい栄子ちゃん、これ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 袋から、紙パックの苺ジュースを取り出し、渡そうとする。

[メイン] 日井崎 栄子 : 栄子は、眉をひそめて如月に目を向ける。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「うん?私、如月から貰われるようなことした?」

[メイン] 日井崎 栄子 : まぁ貰っとくけど、とパシッと手に取りつつ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「うん、したよ、したした」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「栄子ちゃんのおかげで、僕は僕の納得いく、胸を張って誇れるような」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「そんな結末を手にすることができたからね、だから、お礼をってわけ」

[メイン] 日井崎 栄子 : 如月の言葉に、ううん?と眉をひそめつつ。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「今日の如月……なんか、いつにも増してテンション高いね」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「でもまー、あれよあれ」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「さっきの言ってたラノベみたいな話。
 夜の下、叶奈の双子と出会って、その子に掛けられた呪いを解きました」

[メイン] 日井崎 栄子 : 指を振りながら、話を確認するようにあなたに目を向けながら。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「私の趣味が、その話の役に立ったなら何よりよ」

[メイン] 日井崎 栄子 : そして、「よくわからんけど……でもまぁ、お疲れさん」と、先程買ったであろう、如月が渡したものと同じものを押し付けながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : わかっているんだか、わかっていないんだが、栄子ちゃんは、相変わらずの栄子ちゃんだった。
そこが、こうして話してて安心感が得られる理由にもなってるもんだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あはは、なんだ栄子ちゃん、買ってたんだ、それじゃああんまり意味無かったかな?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 軽く、小さく笑いながら、冷たいジュースを受け取って。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「でも、ありがと、僕もね、今も筋肉痛なもんだからさ、報われるよ」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「女心がわかってないねぇ。
 こーゆーのは、お互いのを交換するから意味があるのよ」
にやりと笑いつつも、如月の体を見て。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「噂ではボロボロになったとか聞いたけど……その辺も平気なの?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「うん、もう元気元気、心配してくれてありがとう」
にこりと、笑って。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「それにしても、女心かぁ……僕、そういう経験、今の今まで無かったもんだからさ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「しっかり学ぶよ、真面目にね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────栄子ちゃんもさ、こうして僕が話しててもいいのかってくらい、そのくらい良い子だなって思ってるし、今までの僕は、どっか達観してたところがあったかもだけどさ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「しっかりと、目線合わせていきたいね」
そう言い、にっ、と笑った。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「そんなわけで、ビッグニュースだよ栄子ちゃん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ヨモくんと叶奈ちゃん、あの二人はね………」
キラン、と目を光らせ、ニヤリと笑って。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「"もうすぐ"………だね!」

[メイン] 日井崎 栄子 : へえ……それって……と目線を如月へと光らせていたが。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「ほぉ~~~~~~う!?」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「え、マジマジ!? 何日か前には密会してたり、時々会ってたらしいけどさ!」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「”もうすぐ”なんだ!?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「フフフフフ……!ジーマーだよ、ジーマー!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「栄子ちゃんも、そろそろ新聞部として忙しくなってくるんじゃないかな~?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「その時は、恩義もあるし、いつでも僕のこと呼んでよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「手伝うよ ……あと個人的に、めっちゃ楽しそうだから弄りたいし」
へらへらと笑いながら。

[メイン] 日井崎 栄子 : こりゃあマジの大ニュースだわ……と、どこから取り出したのか、メモに熱烈に書き込みながら。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「やっる~~!如月ってば!」
と、肩をバシバシと叩きながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「いっでぇええぇええぇえ!!!!」
筋肉痛で涙を目に浮かべる。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「お。それはもちろんありがたいんだけど……もう一個よ、もう一個」

[メイン] 日井崎 栄子 : ごめんごめん~!と、如月の肩を今度は優しくさすりながらも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : は~これから栄子ちゃんは、全く、と思いながら、不満げを匂わす表情は無く。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「如月のことだよ。
 その子……双子の子とは、どこまでいってんのさ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あ~~~~~……」
汗を浮かべ、視線を泳がし、頭を掻きながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……んーー……そっちの方は、"まだ"……かな」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「出会ったばかりだし、ね それに、向こうだって僕のことをまだ知らない状態でさ、そういう関係になるっていうのは、怖いと思うんだ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : なんて言い訳を並べているけど、結局俺は、怯えている。

今の今まで、本当にそういった話になったことはないし、何よりも、だ。
『いい雰囲気』になったと思いきや、他の誰かに取られるなんてことも、あったし。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 奥手だし、ダサいし、今の俺を知っている誰かからすれば、ギャーギャー言いたくなるっていうのも、分かるんだが。
……怖いんだ。

もちろん、理奈さんのこと、可愛いなって、いいなって、思っているのは、事実だ、これだけは嘘偽りはない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : けど、踏み出すのが、怖い。

[メイン] 日井崎 栄子 : 如月にしては……と言いかけたが、栄子は口を閉じて。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「……まあ確かに、如月の言うことには一理あるよ
 知り合ったのは今日とそこらなんでしょ。知り合ってることなんて少ないっちゃ少ない」

[メイン] 日井崎 栄子 : ぽりぽりと頬を掻きながらも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………………」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「踏み出すのは……怖いよ。
 そりゃあ、相手が何考えてるのか、とか。もし嫌われたら、とか。
 そういうリスクを考えたら、泥沼に引っかかったみたいに動けなくなる」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そう、栄子ちゃんの言う通り、日数で考えるなら、2~3日の出会いだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : おまけに『チート』付きだ。所謂、吊り橋効果に等しい。
恐ろしい、悍ましい状況下を共に過ごせば、そして、乗り越えられれば
自ずと、共に過ごしてきた相手に『特別』な感情を抱くのも、不思議じゃない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 正直なところ……。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ズルいよな。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………………」
怖い、そんな感情を、露わにするのは、少し躊躇いがあるけど。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………うん、怖い……ね」
小さく、目を伏しながら。

[メイン] 日井崎 栄子 : その言葉に、如月の方を見ながらも。

[メイン] 日井崎 栄子 : でも、と繋げて。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「怖くても、その時は踏み出したんでしょ?
 その子を助けるために、自分がボロボロになって、命張って呪いを解いた」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「それこそ、踏み出さなかったら蜘蛛の怪物に殺されるって思えばいいしさ!」
けらけらと笑いつつも、目付きは真面目なまま。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………!……栄子ちゃん……」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「吊り橋効果~とか、頼れる人がいなかった~、とか。
 そんなのは関係ない。その子には如月がいて、如月はそれに答えたってことでしょ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ぐぇっ、まるで見透かされているみたいだ……。
………これだから、栄子ちゃんには、勝てないな。

[メイン] 日井崎 栄子 : にやっと笑いつつも。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「なら……どうなるかわかんないけどさ。
 如月なら出来るって、応援してるよ。……しくじり先生として」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……栄子ちゃん……ありが……」
頬が緩み、微笑もうとするも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「って、しくじり先生ってどういうこと………!?」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「それ聞いちゃう~?……そりゃ、まー……」
少し、如月から目を背けて。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「……私だって、思い悩んで、結局踏み出せなかったことがあるからさ」

[メイン] 日井崎 栄子 : ……秘密だぞ?と、少し、恥ずかしそうに指を立てながらも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………………………………栄子ちゃん……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 眉を顰めて、その言葉に、どこか、重さを感じて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……結局俺は、栄子ちゃんに、貰いっ放しだったな。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 理奈さんの過去もそう、そして俺の決意もそう。
今回の、ある種の人生相談だって、そう。
何もかも、助けられっぱなしだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : なんだか、モヤモヤする。
少なくとも、このままだと気分が晴れやかには、なれない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……栄子ちゃん、俺は、詮索つもりは、一切無いし、それに……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「もしかしたら、的外れな意見になっちゃうかもしれないけれども」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 栄子の目を追うように、前に立って。

[メイン] 日井崎 栄子 : ……ん、と君に頷きながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────栄子ちゃんだって、こうして、友として俺を助けてくれた」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「誰にも相談できないようなことも、真摯に聞いてくれた」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「そればかりか、道を教えてくれた、霧を晴らしてくれた」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「だから……… ……えっと、なんだろうな……うぅん」
困ったように眉をハの字にして、後頭部を掻きながらも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………俺は、栄子ちゃんは、『B』でも、『C』でもないと思う」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ましてや、『A』でも、ないと思う」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「栄子ちゃんは、栄子ちゃんだ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………だから、なんだろうな……うぅん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……俺も、これからも栄子ちゃんの手助けができるように頑張るし」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「………………!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「支えられるような、友でありたいからさ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「栄子ちゃんも、栄子ちゃんらしく」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「素直に、真っ直ぐ、栄子ちゃんのやりたいことに、挑戦してみてほしいな」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「全力で応援する、全力で成功するようにフォローする」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………なんて、どうかな?」
感情のままに言葉を繋げただけで、意味が通っているかも分からず、自信無さげに、小さく、困ったように笑う。

[メイン] 日井崎 栄子 : そんな言葉に、少し、顔を見せないように俯きながらも。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「……そういう言葉が出るんなら、その子にかけてあげろよな~……」
と言いながらも顔を上げる。

[メイン] 日井崎 栄子 : なんだか、彼女の顔は嬉しそうに、そして……笑顔で。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「あはは……ありがとう、如月! 私も、言った手前……頑張るかるから!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : その笑顔に、心の底から嬉しそうに、ジョーロも笑顔になって。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「おう!それでこそ、栄子ちゃんだ!」
グッ!と拳を見せて、頷いて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「しっかしなぁ~~……そっかー、栄子ちゃんにも、そういう人がいるんだなぁ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「まぁでも、栄子ちゃんは、気遣いが本当に上手くてさ、優しいし、あと話してて楽しいし」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「俺的には、絶対いけると思うぞ!」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「え!? いやいやいや!」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「それって何年も前の話だからね? 
 それにもう縁切れちゃったからこんなことしてるわけだし~」

[メイン] 日井崎 栄子 : 「なので私は絶賛フリー、あるとするなら……相手を見つけるとこから、かな~」
ひらひらと手を振りながらも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あ、そうなんだ!勘違いしちゃってたわ、ごめんごめん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……ていうかさっ!俺さ、気になる人をさ、もう既に栄子ちゃんに話してるわけだしさ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「それなのに栄子ちゃんはそういうのシークレットなのってぇ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……なんか、フェアじゃなくね~?」
にやりと、意地悪な、悪戯な表情になって。

[メイン] 日井崎 栄子 : はぁっ!?と、如月に押されるように、慌てた顔になり。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「言っても私は今いないし……ああ、もう!」

[メイン] 日井崎 栄子 : 今までにないほど慌てたようにしながら。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「……じゃあ、出来たら……如月にだけ教えるよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ニヤニヤと、いつもとは違う栄子の様子に、満足気にしながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「はははっ、じゃ、その時を楽しみにしてるよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺だけ幸せになっても、仕方ないしな。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 栄子ちゃんも、幸せになる権利も、資格も、全部あるに決まっている。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 小悪党みたいに、わっはっは~!と笑いながら
栄子の頭を軽くぽん、と叩いて、その横を過ぎ去っていく。

[メイン] 日井崎 栄子 : なにしてんじゃいっ!と、声を上げながらも。

[メイン] 日井崎 栄子 : 君の顔が見えなくなるまで、ちょうど遠くに言った後。

[メイン] 日井崎 栄子 : 「……あいにく私には、横から取る趣味はないからね~」

[メイン] 日井崎 栄子 : 少し窓の外を見た後。

[メイン] 日井崎 栄子 : 外から、がんばれよ、と手を振っていった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そして、休日。
さて、俺は、ちょっと俺の気持ちに正直になってみることにしてみた。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 女の子の家に遊びに行くのに、土産無しっていうのは……。
……多分、多分だけど、失礼ポイント加算すんじゃねぇかな……?と思い
そんなわけで俺は今、ケーキ屋にいる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 今話題になっているらしい、俺はそういうのに疎いからわからないが……。
とにかく、人気な店らしい、適当に調べてたら、見つけて
しかも、地元にあったわけだから、ラッキーな巡り合わせだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「すみません店員さーん、あのーー……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……オススメって、何ですかね……?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 突拍子も無く、尋ねる。俺は……なんていうか……。
栄子ちゃんに言われたように、女心をそこまで分かっていない。
何を買ってあげたらいいのかも、さっぱりだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : だからもう、尋ねるっきゃない。
わからんものは、わからん!

[メイン] ケーキ屋 : 店員らしき服装の女性は、にこりと笑いかけながら。

[メイン] ケーキ屋 : 「ええ、こんにちは。おすすめ、ですか。
 それでは……こちらへは、お客様自身がお食べになるのですか?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あ~~~~~~……んーーー……」
返答に迷い、眉をハの字にし、ぽりぽりと頬を掻きながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……はい、僕も食べるんですけど……そのーー……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………プ、プレゼントにも、良さそうな…… ………女の子が……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……ヨロコビソウナ……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 耳元がめっちゃ真っ赤になって、後半に至っては、もはやボソボソと喋る。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……ぐ、ぐぅぅっ……!自分でそうしようと決めたのはいいが……!
な、なんという……試練だ、これは………!!!!!

[メイン] ケーキ屋 : 「ふふ、なるほど。そういう方は沢山いらっしゃいますよ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 超オシャレなお店だしっ!!周りにも、同年代くらいの、めっちゃキラキラしてる人ばっかし!!
超男子な俺、すっげぇ浮いてるし……!!あぁあぁもう既に、来ていることを後悔し始めているよ俺……!!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ぐはっ、て、店員のお姉さんも、こ、これは、優しさ、なのか……?
それともっ、あ、哀れみ、なのか─────!?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : なんなんだよその目元の影……!!!

[メイン] ケーキ屋 : にこり、と微笑みを崩さずそう返しながらも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : まるでゲームで主人公にちょくちょく助言しておいて、それでいて自分の正体は明かさず、世界に対し何か匂わせるような発言をしておいて、全クリアした後に、特定条件を満たしたらじっくり会話することができて、実は黒幕だったり、あるいは神だったり、そういう理由で裏ボスとして登場してきそうな雰囲気の、お姉さん……!!!!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ちらりと、店に並ぶケーキを、見やって、キョロキョロと。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………お」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……改めて、こうして、近くで見てみると。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……すごい、どれも凝ってますね……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 店の外で、ちらっと見た程度でも、輝いて見えてたし、多分こういうのが映えるアイテムとしてめっちゃ使われるんだろうなーとか、そんな頭空っぽな考えをしていたけど。

[メイン] ケーキ屋 : 「1番人気なのは……ショートケーキですね。
 ちょうど周りの方も買われていらっしゃいます
 クリスマスということもあり、それを模した作りとなっています」

[メイン] ケーキ屋 : 見れば、クリームを雪に見立てたクリスマスの世界が広がっている。モミノキやサンタなどがデコレーションされており。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 間近で見ると、一つ一つが綿密な造りになっていることが、分かった。
乗っかっているホイップクリームの形状も、チョコレートの色味の度合い、切り込み、何よりも、土台となるスポンジケーキの、気泡の均一っぷりには、驚いた。

[メイン] ケーキ屋 : 「おや……ふふ、ありがとうございます
 味もそうですが、見た目もケーキの一つですからね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「わ、サンタだ、2頭身サンタ……これも、店員さんが?」

[メイン] ケーキ屋 : 「ご明察の通り。手先だけは器用ですから」
指を軽く動かしながらも。

[メイン] ケーキ屋 : 「ですが……あなたにとっては、こちらが宜しいのではないかと」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : うぉおぉっ……!?す、すげぇ!?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 指がまるで、別の生き物みたいだ……!?!一本ずつに、意思でも宿っているんじゃないかってくらいに……あと、めっちゃ細いし、綺麗……!?

[メイン] ケーキ屋 : と、端の方にあるレアチーズケーキを取り出す。
沢山売れているわけでもなく、かと言って余りというわけではない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「チーズケーキですか?」

[メイン] ケーキ屋 : しかし、ケーキ自体は丁寧に作り込まれている。
レモンピールの香りが、少し離れた如月の鼻にふんわりと香り。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 見た目は、シンプルだ、他の技巧の巡らしが見るだけで分かるようなものとは異なり、2色程度の色合いで構成されているもの。
しかし、これまた純度が物凄い。きめ細かさを感じる。角の一つにも妥協を感じさせない、美しさがあった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ん……!いい匂い……柑橘系の……レモンか……!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 食欲がそそられる。あまりスイーツを買って食べる機会も無いものだから、物珍しさもあるが、やはり優しい香りに、鼻腔が刺激され、きゅるると、腹の虫が鳴る。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……………なるほど」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 装飾が少ない、それは、つまりは。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……『自信作』、ということですね」

[メイン] ケーキ屋 : 「ふふふ」

[メイン] ケーキ屋 : 「お客様は目がいいですね
 その通り、だからこそ……勧められるものかと」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : !!! ……俺が、通として……認められて、いる……!?

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……そう言われると、なんだか、悪い気は、しない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : むしろ、嬉しい。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………へへへ、商売上手ですね、お姉さん」

[メイン] ケーキ屋 : その褒め言葉にまたも、にこりと笑いを向けながらも。

[メイン] ケーキ屋 : 「あなたはきっと、お気に入ると思いましたから
 プレゼント、頑張ってくださいね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……う、すごいな……なんていうか、その通りだ。

[メイン] ケーキ屋 : そうして、言われるまでもなく。
もう一つを取り出し、2個2つを梱包して箱に入れていく。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺は、そう、他のケーキみたいに、めっちゃ可愛い装飾があったり
変わった形の、女の子人気のありそうなケーキだったり……
そういうのを、買うのは、ちょっと抵抗があった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : しかもクリスマスだ。
トナカイも、サンタも乗っている。
……それを、男子高校生が、1人で買いに来ているんだ。
周りは別に、んなもん気にするはずもねぇんだろうが。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 俺は……ちょっと、気にするやつで……。
それを、察してくれた。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……どうして、分かったんですか?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : どうしても、気になって、そう聞いてみた。

[メイン] ケーキ屋 : 「ふふ。私は目がいいんです。お揃いですね」

[メイン] ケーキ屋 : 「このお店に来てから、お客様の視線を見えていました。あまりこの場には合わないのでは……と思うような不安」

[メイン] ケーキ屋 : 「それでもなお、この店に足を運んでくれたあなたに、あなたが好みそうなこれを、と」

[メイン] ケーキ屋 : 目を閉じて微笑み、如月にそう言い。箱を渡す。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……なるほど、これが……『洞察力』、というもの、なのか。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 上京、そして所作の一つ一つから推測を立て、可能性を絞り込んでいく。
それが─────人と接し、そして儲けも作り、将来性を見据え、生きていく『プロ』の在り方。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 学ぶものがあるな……。と、素直にそう感じたジョーロ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………………………」

ジョーロは、考え、そして、口を開く。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「"また来ます"」

店員の目を見て、ハッキリと、そう宣言する。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そして、にこっ、と笑い。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……僕も、ちょっと試してみました、どうでしょうかね?」

お金を払い、チーズケーキの入った袋を受け取り。

[メイン] ケーキ屋 : 「……ふふふ」

[メイン] ケーキ屋 : 「それでは、また……お待ちしております」

[メイン] ケーキ屋 : 手を腰の当たりに当て。頭を深深と下げて、如月へと見送る。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……………はは、不発に終わったかな。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 肩を竦め、敗北を認め。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「それでは、店員さんも」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「良いクリスマスを」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 会釈程度に、頭を下げて。

[メイン] ケーキ屋 : 「良いクリスマスをお楽しみくださいませ。"如月様"」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 帰り際に、振り向いて。そして驚いたように、目を見開かせて。

[メイン] GM : 最後の声は届くか届かないか。
ウィーンと音を立てて閉まる自動ドアが、ちょうど二人の間に閉まりながらも。

[メイン] GM : うっすらと見える向こうでは、にこりと微笑んだまま、軽く手を振っていて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 嬉しさに、頬を、ほんのりと赤くして。
手を振り返すのは、少し、恥ずかしくて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 眉を顰めて、ぽりぽりと、頬を指で掻いて。
このまま、帰ろうかと思ったが。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : にこりと笑い、手を振る店員の姿を、ガラス越しに見やって。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ………そりゃ、ねぇよな。

と思い。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 周りの目線を気にしつつ、小さく。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 手を振ってみた。

[メイン] ケーキ屋 : それを確認したかのように、ケーキ屋は手を振り終え、そして。

[メイン] ケーキ屋 : 「お買い上げありがとうございました。
 ぜひ、"星住様"とお楽しみくださいませ」

[メイン] ケーキ屋 : にこりと微笑んだまま、彼女は日常風景へと溶け込んで行った。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 雨地家に、俺は足を運んでいた。
ぶるり、少し、いや、大分寒い。空を見上げれば、今にも泣きだしそうな雲色。
そういえば、天気予報で、夕方以降は雪が降るとか、言ってたような……。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : すると、ばったりと、意外な人物と出会う。
いや、意外というほどでも、ないな。

ほっこりと、頬を緩めて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「どんどん寒くなっていきますね、美沙さん」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………お墓参りの帰り、ですか?」

[メイン] 星住美沙 : 「……おや、君は」

[メイン] 星住美沙 : 「はは、如月くんか。まさしくその通りだよ」

[メイン] 星住美沙 : 片手に何も入っていない袋を持ちながら。
きっと供え物をした後、なのだろう。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………………」
眉を顰めて、緩んでいた頬も、引き締まり。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ………この物語は、ハッピーエンドに終わった。そう捉えていいものだ。
だけど、だけど……だ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 袋を持っていない手に、力が入り、握りこぶしとなる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ………美沙さんにとっては、永遠の。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ビターエンドだ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………俺が、息子さんでしたら」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「喜んでましたよ」
悲しげに、小さく、笑って。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「そして………」
美沙の方へと、歩み、ポケットから。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「もうすぐ雪が降るみたいです、体の方、ちゃんと温めてくださいね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そう言って、カイロを一つ取り出し、手渡そうとする。

[メイン] 星住美沙 : 「……ありがたく受け取っておくよ
 まだまだ、逝くだなんて出来やしないからねぇ」

[メイン] 星住美沙 : ほんわりと微笑み、如月の持ったカイロを受け取りながら。

[メイン] 星住美沙 : 「君と接していると、まるで厳が……いや。
 孫が出来たような気がして、少し嬉しくなる」

[メイン] 星住美沙 : 「こんな老人にわざわざ話しかける人は滅多に居ないからねぇ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : その言葉に、ふふ……と、毒気の無い、柔らかな、温かな笑みが、漏れる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「こんな老人だなんて……そんな卑下をしないでください」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「俺にとって美沙さんはもう、俺の人生の中で、欠けてほしくない、かけがえのない方なんですから」
困ったように、小さく笑って。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「美沙さんにいなくなられたら、俺、悲しくなりますよ」

[メイン] 星住美沙 : あの日の夜にみせた顔色とはまた別のように。
美沙はちょうど出会った初めの頃のような様子だった。

[メイン] 星住美沙 : 「ははは、嬉しいことを言うね!
 ……そうだね。私にとってもそれは同じだし」

[メイン] 星住美沙 : 「この街の平和を守るためにも……私はまだまだ死ねやしないよ。少なくとも、君が……厳位になるまでは、かな?」

[メイン] 星住美沙 : くくっ、と笑い。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「え、ええ……!?それって、何十年ですから、あは……あはははっ!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「どんだけ長生きするつもりなんですか美沙さん!あはははは!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 美沙の冗談に、活力に、すっかりジョーロも安心し、いつものような、笑顔が漏れる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「じゃあ、約束ですからね?」

[メイン] 星住美沙 : 如月に合わせて笑うように、少し元気が戻ったように。
はははっ!と、高らかに笑いながらも。

[メイン] 星住美沙 : 「もちろんさ!君は……死なないでくれた
 なら、今度は私の番ってことさね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ふふ、と笑い。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 良いクリスマスを、と言おうと思ったが。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 美沙さんにとって、今年は、喪中も同然だろう、だから。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────良いお年を、美沙さん」

[メイン] 星住美沙 : 「────ああ」

[メイン] 星住美沙 : 「如月くん、良いクリスマスを!」

[メイン] 星住美沙 : 年寄りによっちゃ、そう。
けれどね、若者なら……まだ、イベントはあるだろう。
はは、頑張れよ、少年!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────ええ。ありがとうございます。美沙さん。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 頭を下げ、そしてにこやかに、その横を、ゆっくりと過ぎ去っていく。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……いつか、ご家族で食事会などなさる際は」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「俺も、呼んでくれると、嬉しいです」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「元気な顔、また見たいですからね」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 少し振り向き、にっ、と笑うと、ジョーロは、雨地家へと、向かって行った。

[メイン] 星住美沙 : 如月の言葉に。

[メイン] 星住美沙 : 「やれやれ。もう一人の叶奈といい、如月くんといい。
 随分寂しかった晩年だったのに……随分賑やかになりそうじゃないか」

[メイン] 星住美沙 : そう言う美沙の顔は、にこやかに。
今までで一番楽しげな、そんな笑顔だった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) :  

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────そして、俺は、雨地家の前まで来た。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……………………………………………………………………………………。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : う、うおっっっ………!!!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : な、なんだ、これっ……!?!?!め、めっちゃ、緊張する!?!?!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 嘘だろ……!?!?お、俺の心臓、止まれ!!!!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「大丈夫、大丈夫……!俺は、その、アレだ……!ただ、こう、クリスマスのだ、ケーキをだ、一緒に……食べようっていう、純な、思いで、だ………」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 顔を真っ赤にしながら、そう自分に言い聞かせるも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「だあああああああああ!!!!やばいやばいやばいやばいやばい!!!これはやばいって!!!!!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「めっちゃ!!!!!恥ずかしいぃぃいいぃぃい!!!!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 何よりもやっぱ怖いいぃぃぃいいいいぃぃいいいい!!!!!!!!!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 家の前で、叫んでいた。悶えていた。嘆いていた。呻いていた。

[メイン] 星住 理奈 : 「……き、如月さん!? いかがしましたか!?」

[メイン] 星住 理奈 : 悶える君に、慌てるような声と共に近づいてきたのは。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「!?!?!?!?!?!?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「りりりりりりりりり理奈さんんんんんんん!?!?!?!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 顔真っ赤。異様な慌てっぷり。落ち着こうにも、落ち着けない。
何とかして言い繕うとするも、何も思い浮かばない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「やっ!!!あの、ですね!!そのーーーーーーーー………!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………クリスマス、じゃないですか!?……ですよね!?合ってますよね!?」

[メイン] 星住 理奈 : 「へっ!?あ、は、はい!!そうですね!!
 昨日、な、何回もその日かなって確認しましたから!」

[メイン] 星住 理奈 : 如月の様子にながされるように、両手をブンブンと振って慌てたようにしながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「で、ですよね!!ですよね!!あ、あははっ!良かったです!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………いや、実は、そのーーー……これを……」
そう言い、ケーキの入った袋を、軽く持ち上げて、見せて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……………どう、かな?…………と」

[メイン] 星住 理奈 : 「……えっ!?!?」

[メイン] 星住 理奈 : 「わ、わざわざ……買ってきてくださったんです、か……?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……わざわざ、と言われると、なんだか、恥ずかしくなってくる。
顔を赤らめて、ぽりぽりと、頬を、指で、掻いて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………………ご自宅には、叶奈さんも、いらっしゃるん……ですよね……?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 一応、確認として、そんなことを、聞いてみる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : まぁ、その、特別な日だ。クリスマスだ。
だから、家庭によっては、家族で過ごす日だし。
きっと、二人も、二人の時間を過ごす、そういったことも、大切なんだろうな、と思いつつ……も。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 我欲が、出てくる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ………ふぅぅーー、ふぅううーーー、だ、大丈夫、何も、やましいことは、ないぞっ!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………あのー、その」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……俺ん家、とか……どう、かな?………みたいな……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……………??????????????????????

何言ってんだろう俺は。

[メイン] 星住 理奈 : 「…………!?」

[メイン] 星住 理奈 : 「如月さんの……お家……!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あっ、いやっ!そ、その!これは、その」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「提案の、一つというか、なんというか……!」

[メイン] 星住 理奈 : 目を輝かせて、ぱっと、持っていた買い物袋を手放し、如月の手を握る。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

[メイン] 星住 理奈 : 「私……ぜひ、行ってみたいです……!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ぎゃーーーーーーーーー!!!理奈さんの手!!!あったかい!!あと柔らかい!!!!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……!!!!!!!!!!!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 目を置きくして、点になって。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………マ、マジ、です?マジの、マジ?」

[メイン] 星住 理奈 : 「ま、マジマジのマジです!」

[メイン] 星住 理奈 : 握ったことに恥ずかしくなったのか、少し顔色は赤くなりながらも。それでも、手は離さず。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ………ジョーロからも、理奈の手を、軽く、痛くしないくらいに、緩く、それでも、ちゃんと、握り返しながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………あ、あれです、あれ、これは」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「親友あるあるなんです」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 言い訳を、言葉にして、並べ始める。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「手を繋ぐのも、あと、親友の家で、クリパをするのも」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「親友あるあるなんです」

[メイン] 星住 理奈 : 「えぁっ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 顔を真っ赤にしながら、必死に、言葉を並べて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 実際には、今思いついたことだし、そもそもそんな経験、ジョーロにあるわけがないのだが……。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………だ、だから、問題なしっ ………ですよねっ!」

[メイン] 星住 理奈 : 「そ……そう、なんですか!?そ……そ、そう、なん、ですよね……き、如月さんの言うことですから……」

[メイン] 星住 理奈 : 「……は、はい!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : うぐっ……!!こ、心が痛い……!!なんて、ピュアなんだ……理奈さん……!

[メイン] 星住 理奈 : 「私も……その、ごめんなさい……
 その、如月さん、とは……手を、繋いで、みたく……ゴニョゴニョ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そうだ、理奈さんは、ずっと……引きこもって生活していたような、ものなんだ……!!
だから………世情について、知らなくても、何もおかしなことは、ないんだ……。

[メイン] 星住 理奈 : 最後もまた聞き取れないほどの言葉になりながらも。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 騙しているみたいで、どんどん心を痛めていきながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………………!!!!!」

その言葉に、ドキリと、心臓が跳ねて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………………理奈さん………」

眉尻が、下がって。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………ごめんなさい、さっきのは、嘘です」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ぎゅっ、とまた、理奈の手を、少し強めに、握って。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………………親友あるあるだから、とか、そういうのじゃ、ありません」

[メイン] 星住 理奈 : 「……あっ……」

[メイン] 星住 理奈 : 握られた力を感じながらも、ゆっくりと如月へと目を向けて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………………理奈さんと、いたいな……って……俺が、そう思ったから……みたいな……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 気恥ずかしそうに、目線を背けて、そう言う。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………………」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………二人きりで……」

[メイン] 星住 理奈 : 「…………へっ!?!?」

[メイン] 星住 理奈 : 「………………!?!!」

[メイン] 星住 理奈 : その言葉に、ぼふんと湯気が出るくらいに顔が赤くなる。
しゅるしゅると蒸気が立つように真っ赤になりながらも。

[メイン] 星住 理奈 : 「…………私も、もしかしたら、そう、なってくれない、かなって……
 ……ありがとうございます、如月さん……っ」

[メイン] 星住 理奈 : ぎゅっと、こちらもまた、優しく握り返して。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………………!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………へ、へへへ………」
恥ずかしそうに、それでいて、嬉しそうに、へにゃりと、笑って。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : しばらく、言葉を紡げないまま、手を繋いだまま、見つめ合っていた。

[メイン] 星住 理奈 : 恥ずかしそうに、何度も顔を赤らめているも。
それでも……君と見つめあうように、顔を上げたまま。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : …………………………こ、これって………。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ここ、こ、こここ、これって………!?!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : す、する、やつ………なのか…………!?!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ごくりっ!!と、生唾を飲み込む。
その目は、理奈の唇へと、向けられる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ジョーロの目に、理奈は─────可憐に映った。
強く抱き締めてしまえば、砕けてしまう、儚さを、感じた。
幻想的で、綺麗で ………なんていうか、可愛い。

小さな唇に秘めた、柔らかさが、見るだけでも、伝わってくるようで。

[メイン] 星住 理奈 : 「……き、如月……さん……」

[メイン] 星住 理奈 : あんまりにも熱心に見つめられたからか。
恥ずかしそうに、照れるように、身を捩る。

[メイン] 星住 理奈 : どきどき、と。
君にも聞こえそうなくらい鼓動が高まっていて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………………………!!!!!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………い……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……行きましょうかぁ!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : チキった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そしてジョーロは、自宅へと続く道を、理奈の歩行に合わせるように、進み始めた。

今、如月家の両親は、出掛けていた。ジョーロが気遣ったこともあり、二人とも、食事と、そして一泊豪華なホテルで泊まることとなっていた。
もちろんジョーロも誘われていた。いつもなら、断らずに、美味しい物を食べるために着いていったのだが、断った。

この日が、あったから。

[メイン] 星住 理奈 : 「…………」

[メイン] 星住 理奈 : 紅潮した頬のまま、如月と共に向かう。
2人の間に会話はなかった。……いや、出来なかった、という方が正しかったのかも。

[メイン] 星住 理奈 : ぎこちない素振りで1歩1歩、君の家に近づいて言って。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そしてついに、到着する。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………り、理奈さん、そのー………」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……今日は、その、何時まで………いられ、ますかね………?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「夜………めちゃくちゃ、雪が降るみたいで……積もる、らしくて……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「お、遅くまで、いさせるのは………忍びないかな……みたいな………?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 玄関前で、そんな会話が、始まる。

[メイン] 星住 理奈 : 「……そ、その……叶奈も出るみたいで、それで、遅くなる、って言ってまして」

[メイン] 星住 理奈 : 「…………」

[メイン] 星住 理奈 : 「……帰っても、誰もいないので……
 それなら、その」

[メイン] 星住 理奈 : 「……泊めていただくことって……出来ます、かね……?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………………!!!!!!!!!!!」

ばくりと、心臓が、跳ね上がって。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……お、俺の家……その……今日は、両親、いなくて………」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……俺と、二人っきりに、なっちゃい、ますけど……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………いい……ですか……?」

理奈と繋いでいる手に、汗が滲み始める。

[メイン] 星住 理奈 : 「……は、はいっ……!!」

[メイン] 星住 理奈 : こちらも、汗がじわりと滲みながらも。しっかりと握って。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………!!!!!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………で、では………」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あまり、片付いていない………多分、質素な、家、だと思いますけど……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……ど、どうぞ、上がってください……!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : がちゃりと、勇気を振り絞り、扉を開ける。
中は、ジョーロの言う通り、どこにでもありそうな、平々凡々な家。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────ただ、雨地家と異なる点で言えば……。
女性だけで住んでいる家とは、異なる"雰囲気"がある、というところだ。

[メイン] 星住 理奈 : 「わぁ……!」

[メイン] 星住 理奈 : 「お邪魔しますっ……!
 ……あ、あの……!
 男の方のお家にお邪魔するのって、これが初めてで……その……す、すごい綺麗ですね……!」

[メイン] 星住 理奈 : ぺこりと頭を下げてから、部屋へとゆっくりとお邪魔する。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「へっっっっっっ!?!?……あ、そ、そう……ですかねっ……!?あ、あはは……綺麗………言われて、悪い気は、しないですね……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 照れ照れと、顔をほんのり、朱に染めながら、リビングへと案内をする。
ピッ、と暖房の電源を入れる。冬の季節もあり、まだ室内は寒い。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「で、ではケーキは、ここにっと………」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「あ、すぐにお皿とフォーク……それと、あったかい紅茶、淹れますね!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ばたばたと、慌ただしく、台所へと向かっていく。

[メイン] 星住 理奈 : 「あ、は、はい!お構いなくっ!」

[メイン] 星住 理奈 : そういったのも、如月が既に台所に消えた後だった。

[メイン] 星住 理奈 : 「……あっ、いつも気が利くなぁ……如月さんは……」

[メイン] 星住 理奈 : そうこぼしながらも、どうしても……部屋の中を見てしまう。
……如月さんが住んでる所。ここで如月さんはいつも生活してるんだよね。……そんなところにお邪魔するなんて、私……

[メイン]   : ピロン。という音と共に、『お風呂にお湯を入れます』というアナウンスが流れる。

[メイン] 星住 理奈 : かぁぁっ……と、勝手に1人で顔を赤くしてしまいながらも。

[メイン]   : ジョーロが気を遣い、湯船に温かな湯を入れるように設定したのだろう。
夜の時間帯となれば、雪が降るため、体を芯まで温めなければならず。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「お、お待たせしましたーーー!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : しばらくして、ジョーロがやって来る。
ばたばたと、テーブルに紅茶と、お皿、フォークを並べて……。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「……………ん?……あ!!!……そっか!あと、ご飯も必要か!?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ぐあああああっっ!!!き、気が、回ってなかった………!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : まずい、非常に、まずいっ!!
ジョーロは、料理らしい料理を、あまりしたことがない。
あったとしてもバイトで、フライヤーを使って揚げ物を作ったことがあるくらい。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 汗がだらだらと、滝のように出始める。

[メイン] 星住 理奈 : 「あ、よ、良ければ一緒に作りましょうか……!?」

[メイン] 星住 理奈 : そんな様子に慌てて彼女は立ち上がり、君に声をかける。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………へっ!?!」
顔を上げて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………へ!?!?!?!!?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「り、理奈さんの………手作り、料理…………!!?!?!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ドキドキドキドキドキ、と心臓がまた、脈動し始める。
期待。大きな期待に、胸が膨らんでいく。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「い、いいいいんですか!?!?!」

[メイン] 星住 理奈 : 「わ、私も上手という訳では無いのですが……」

[メイン] 星住 理奈 : 君の言葉に、恥ずかしげに。けれど、こくりとうなづいて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………………………食べたい……」
ぼそりと、本音が、つい飛び出る。

[メイン] 星住 理奈 : 「は、はひっ!?」

[メイン] 星住 理奈 : その本音にドキリとしながらも。

[メイン] 星住 理奈 : 「……わかりました
 それじゃあ……その、用意……してきます!」

[メイン] 星住 理奈 : ……私も、如月さんにご飯を作ってみたい。

[メイン] 星住 理奈 : そういった気持ちが、理奈を真っ直ぐにさせながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「は、はいっっっっ!!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「楽しみに……してます!!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……理奈さんの……手作り料理……!!
理奈さんの手作り料理~~~~~~~~~~~……!!!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 鼻の下が伸びそうになる、なんて幸せな響きなのだろうか。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 嬉しそうに、るんるんとした表情で、ソファーに座って、待つジョーロ。

[メイン] 星住 理奈 : トントン、トントン。
パチパチ、ジュウウ。

[メイン] 星住 理奈 : 台所の方からは一定のリズムで、理奈が何かを切ったり焼くような、そんな音が聞こえる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……!!おぉぉ……こっちにも、美味しそうな匂いが漂ってくる。
これは……クリスマス定番料理の一つだな……!?
すごいな……理奈さん、こんな器用な一面も、あったんだ……。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……家庭的で……なんだか………いいなぁ……。

[メイン] 星住 理奈 : そうして、時間が経っていき、30分ほど。
おいしそうな匂いと共に君の元に料理が運ばれていく。

[メイン] 星住 理奈 : 「……すみません、持ってきた食材で今日のご飯を作っちゃいました」

[メイン] 星住 理奈 : 「ハンバーグに、ミネストローネに……サラダ、とか……
 ほんとはローストビーフとかがいいと思うんですけど」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「うおぉぉぉおおおぉぉっ!?!?!」
感嘆の声を上げる。

[メイン] 星住 理奈 : ことんと、デミグラスソースがふんだんに掛けられたハンバーグが運ばれてい来る。肉の香りが、空腹気味のお腹を誘うだろう。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「す、すげぇ………!?!?全部、美味しそう………!?めっちゃ煌びやかに見えるし……それに、匂いも………じゅるりっ!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 食材は全て、スーパーに売っているものを使用したのだろう。
材料だけで言えば、誰でも用意できるものである。
なのにも関わらず、目の前に並べられたものは、お店レベルであった。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 色合いも、艶めきも、匂いも、量も、盛り付け方も、全て丁寧で、言ってしまえば、理奈らしさが表現されていたとも言える。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「さすがですね……理奈さん……こんな才能が、あったなんて……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………ずっと、俺のために料理、作ってほしいくらいです……」
並べられた料理に見とれてしまい、つい意識外で、そんな感想が漏れてしまう。

[メイン] 星住 理奈 : 「え、えへへへへ……そ、そこまででもないですよ…… ……へっ!?」

[メイン] 星住 理奈 : 最後まで照れたように顔を赤らめていたが、最後の言葉に、目を丸くして。

[メイン] 星住 理奈 : 「そ、それってつまり……」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────えっ?………あっ!!!!?!?」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 自分で言ってしまった言葉を、理解し、顔を真っ赤にして。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「い、いや!!これは!!!!そのっ………………………」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………ぐぅっ……………」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………り、理奈さんには、理奈さんの、人生が、ありますからっ」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「お、俺は………理奈さんを、縛るようなことは、したくなくて、えっと、だから………」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「………理奈さんが、不快に感じましたら……申し訳ありません……」

[メイン] 星住 理奈 : 「…………」

[メイン] 星住 理奈 : 「……いえっ!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………っ!!?!」

[メイン] 星住 理奈 : 理奈は、飛びつくように君の手を握り締めて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「な…………!!?」
顔を赤らめて。

[メイン] 星住 理奈 : 「……私は、元々、蜘蛛の呪いがなかったら……少ない命でした、でも」

[メイン] 星住 理奈 : 「それを……如月さんに、助けられました」

[メイン] 星住 理奈 : ぎゅっと、力を入れて握り締めて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────!」

[メイン] 星住 理奈 : 「……でも、だからっていって……如月さんは、優しい人です
 きっと、それを弱みにしたくない……って、思うと思います」

[メイン] 星住 理奈 : そして、だから、と続けて。

[メイン] 星住 理奈 : 「如月さんは、何度も私の家に来てくれるうちに、段々と……
 優しい所や、楽しい所や、カッコいい所。……そんな所を何個も見てきました」

[メイン] 星住 理奈 : 「そんな所に……私は……!」

[メイン] 星住 理奈 : 思いっきり前のめりになり、勢い余ってちょうど、君を押し倒すような形になりながら。

[メイン] 星住 理奈 : 「…………っ、如月……いえ!雨露さんのことが────
 好きですっ……!!!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ふぁさりと、理奈の白い茶髪が、ジョーロの頬を、擽って。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そして─────その告白に、目を、大きく開く。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ………………何を、やってるんだ、男、ジョーロ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : こういうのは、どう考えたって。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 男からやるもんだろ………!!それを、なよなよと、先延ばしばっかしやがって……!!!

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ……俺は、俺は─────。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 理奈さんを─────愛しているのに。

俺は、理奈さんに……こんな、切羽詰まった顔を、させてしまった。

罪だ、後ろ指を指されても、俺は何も言い返すことが、できやしない。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「…………俺もです」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 眉に力を込め、そして、真剣な眼差して、理奈を見つめる。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : そっと、手を、理奈の頬に添えて。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : もう、迷わないし、逃げない。
これは、俺の意志。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「俺も、理奈さんが好きです」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「ずっと傍にいてほしいです、俺の為に味噌汁を作ってほしいです」

[メイン] 星住 理奈 : 「────っ…………!!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「俺の為に、毎日笑顔でいてほしいです」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「俺の為に─────いや」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「俺が、理奈さんを幸せにしたいです、他の誰でもない」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「この俺が─────!!!」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「理奈さん、俺と………」

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 「─────付き合ってください!!!」

[メイン] 星住 理奈 : 「………………!!!!!!」

[メイン] 星住 理奈 : ぴたりと添えられた手が、熱を感じる。
この熱は、如月さんも、きっと……迷って。でも、しっかりと、決めてくれたこと。

[メイン] 星住 理奈 : その真っすぐな瞳に、どきり、と。その意志に射抜かれたように、そして。

[メイン] 星住 理奈 : 「────……っ、は、いっ……!!!
 何度でも、作りますし、それに……!!」

[メイン] 星住 理奈 : 「雨露さんに……幸せに、させてほしいですっ……!」

[メイン] 星住 理奈 : ぽろぽろと、涙が何度も零れながら。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : ─────理奈さんを、強く、抱き締めた。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : もはや、言葉を伝えることも、できず。感じるがままに、思うがままに。体が、動いた。
ただあるのは、愛おしい、ただそれのに。そこに装飾されるものは全て、ノイズ。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 窓の外では、深々と、雪が降り始める。
すっかりと、暗くなった夜空から、白の粒子が、地上へ降りたっていく。

[メイン] 如月 雨露(きさらぎ あまつゆ) : 流星は、運命を変えた。

少年、少女たちの。